メンテナンスから始まったステップアップ!
Vプロ導入と燃料リターン化でチューンの土台を構築!
コペンへの1300ccエンジン換装+ターボチューンなど、大技系メニューを得意とする“ブラックライン”。今回紹介するラパンも、同店が手がける“ステップアップ進行中”の1台だ。

この車両は、もともとメンテナンスの相談からスタートした。年式相応の疲労が見え始めていたため、水まわりを中心にリフレッシュを実施。各部を整備し、本来のコンディションを取り戻していった。

コンディションが整い、体感できるレベルで調子が向上すると、オーナーの意識は自然と次の段階へ向かう。そこで選ばれたのが、燃料系と制御系の強化、そして大容量インタークーラーの導入だった。
「以前、アルトワークスにも幅600mmのインタークーラーを装着しましたが、軽自動車はとにかくスペース確保が難しいですね。今回もGT-Rクラスと同等幅の600mmを選択。移設や加工を重ねながら配管レイアウトを詰め、ようやく完成形にたどり着きました。ただ、高さ方向に余裕があるぶん、ワークスよりラパンのほうが装着しやすかったのは事実です」と語るのはブラックラインの鈴木氏。

インタークーラーはコアのみを使用し、スライス加工で段数を調整。サイドタンクはワンオフ製作とし、パイピングも限られたスペース内で効率を最優先にレイアウトを再構築した。

純正バンパー装着を前提としているため、干渉部分は最小限の加工で対応。グリル内部も一部をカットし、十分なクリアランスを確保している。

シリコン製エルボーパイプは振動吸収の役割も担う。ステーやブラケットで過度に固定するのではなく、あえて“逃げ”を設けることでトラブル発生のリスクを抑えている点も見逃せない。

さらに将来的なタービン交換を視野に入れ、オイルクーラーも新設。ブラケットは現車合わせで製作し、エアコン配管との干渉も回避する緻密なレイアウトを実現している。

36系アルトワークス用として用意したアルミラジエターは無加工では装着不可だったため、アッパーホース接続部を延長加工して対応。細部まで妥協のない仕上がりだ。

インタークーラーの大型化により吸気温度が安定し、より攻めた点火セッティングが可能となった結果、低速トルクの向上という副次的効果も得られている。

搭載されるK6Aエンジンは点火信号が弱い傾向があるため、アンプを追加して信号を増幅。将来的なパワーアップを見据えた安定した制御環境を構築しているのもポイントだ。

また、もともとワンウェイ式だった燃料系統も刷新。パワーチューンを前提にフューエルリターンを新設し、燃料タンク加工、リターンライン製作、デリバリーパイプ加工、レギュレーター装着まで実施済み。すでに次のステップへ進むための“土台”は整っている。

「インタークーラーが完成したので、次はタービン交換を予定しています。最終的には170〜180psを目標に、街乗りでも気持ちよく走れる仕様に仕上げたいですね」とオーナーの加藤氏。
急がず、コストを分散させながら段階的に進めるステップアップ。長くチューニングを楽しむための現実的かつ賢明なアプローチが、このラパンの進化を支えている。
●取材協力:ブラックライン 埼玉県川越市下広谷690-1 TEL:049-239-6667
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