春先や初夏でも「車内熱中症」になるおそれは十分にある

4月でも、車内温度が50℃近くまで上昇することが確認された。(提供:JAF東京支部)
猛暑の中停車・駐車すると、たちまち車内の気温は上がる。

昨今、全国的に気温の上昇が問題視されており、季節外れの暑さが日常化しつつある。実際、2025年5月には青森県三戸市で、最高気温30度を記録したほか、真夏日寸前の気温が各地で観測されている。本来であれば過ごしやすいはずの5月に、連日汗ばむ陽気が続くことは異例と言えるだろう。

こういった状況では、炎天下でクルマを停車・駐車したことで車内温度が上昇する。JAFが2007年におこなった実験によれば、4月でも車内温度が50℃近くまで上昇することが確認された。この実験は、外気温が20℃前後という比較的穏やかな気候の中で実施されている。

にもかかわらず、日差しを浴びた車内の温度は、45〜50℃近くまで上がったのだ。そして、このような状況は「車内熱中症」を引き起こして、体調不良になったり最悪の場合は死亡したりするおそれがある、非常に危険な状況と言えるだろう。

サンシェードも車内温度の上昇を抑える手段として挙げられるが、十分に抑えることは難しいとされている。

では、「車内熱中症」にならないためには、どのような対策を講じればよいのだろうか。JAFの担当者は、「お子さまやペットを車内に残したままクルマを離れるのは、絶対に避けてください」と話す。

サンシェードの装着や、窓を開けるといった対策は効果的ではないのか?と考える人も少なくないかもしれない。しかし、前述の実験では、サンシェードの装着や窓を3cm開けるといった一般的な対策では、車内温度の上昇を十分に抑えることはできなかった。

エアコンを停止してからわずか15分で、車内の熱中症指数は「危険」レベルに達し、乗車している人の命に関わる状態となったのだ。つまり、「車内熱中症」の対策としては、そもそも「クルマに放置しない」という対策がもっとも有効的と言えるだろう。

エアコンをつけたままにするといった方法もあるが、バッテリーへの負荷等を考慮すると推奨されない。
乳幼児や高齢者を車内に放置するのは、安全上決してしてはいけない。

そして、特に「車内熱中症」で注意すべきは乳幼児である。乳幼児は体温調節機能が未発達であるため、高温環境下ではわずかな時間でも体温が急上昇し、命を落とす危険性がある。

さらに、高齢者も加齢に伴い体温調節機能が低下しており、同様のリスクを抱えているほか、ペットも同様に、閉め切られた車内で呼吸困難や脱水を引き起こし、命を落とすおそれがある。

車内に乳幼児やペットを残したまま離れることは、いかなる理由があっても絶対に避けなければならない。そして、「うっかり忘れ」を防ぐためには、クルマを離れる際に必ずすべての座席を目視で確認したり、降ろし忘れがないことを確認したうえでドアを施錠したりすることが大切である。

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このように、車内に乳幼児やペットなどを残したままクルマを離れる行為は、極めて危険である。また、防犯上の観点からも、子どもや動物を無人の車内に残すことは極めて好ましくない。「ちょっとだけ」の油断が、取り返しのつかない結果を招く。

車内の温度上昇は想像以上に危険であることを、すべてのドライバーが強く認識する必要があるだろう。