連載

今日は何の日?

■不評だったR31スカイラインにスポーティモデル設定

1986年5月にデビューした日産7代目 R31「スカイライン・2ドアスポーツクーペGTS」

1986(昭和61)年5月22日、日産自動車は前年8月にモデルチェンジした7代目「R31スカイライン」に、高性能スポーツモデル「スカイライン・スポーツクーペGTS」を追加した。スポーティさよりラグジュアリーさを重視したバルブ期に登場したR31スカイラインに、待望のスポーツモデルが追加されたのだ。

スポーティなラグジュアリーセダンが飛ぶように売れたハイソカーブーム

1988年にデビューした日産「シーマ」。シーマ現象を巻き起こして大ヒット

バブル景気に火が付いた1980年代中盤、自動車ユーザーの上級志向が急速に高まり、2ドア・クーペのトヨタ「ソアラ」や4ドアハードトップの「マークII」、日産の「シーマ」などに代表されるスポーティなラグジュアリーセダン“ハイソカー(ハイソサエティカー:High Society Car)”という和製英語が生まれ一大ブームが巻き起こった。

1984年にデビューし、ハイソカーブームをけん引したトヨタ5代目「マークII」

ハイソカーは、ハードトップのスタイリッシュなデザイン、豪華なインテイリア、ツインカムやターボを装備した高性能直6エンジンが定番で、マークII 3兄弟(マークII/チェイサー/クレスタ)は1984年~1988年の4年間で115万台という歴史的な販売を記録。また、バブル絶頂期の1988年に登場した日産の3ナンバー高級車「シーマ」は、500万円近い高級車でありながら4年間で13万台近く販売し、“シーマ現象”と呼ばれる社会現象を巻き起こした。

ハイソカーブームの影響を受けたR31スカイライン

1985年8月にデビューした日産7代目 R31「スカイライン(4ドアハードトップ)」

ハイソカーブームが盛り上がり始めた1985年8月にモデルチェンジした7代目 R31型「スカイライン」は、“都市工学スカイライン”のキャッチコピーで、セブンス・スカイラインと呼ばれた。

1985年8月にデビューした日産7代目 R31「スカイライン」に搭載されたエンジン

R31スカイラインは、ハイソカーブームの影響を受け、スカイライン伝統のスポーティ路線からラグジュアリー路線へと舵を切り、4ドアセダンとスカイライン初の4ドアハードトップでデビュー。歴代スカイラインのスポーツモデルの象徴だった2ドア仕様は設定されなかった。

スタイリングについては、先代のR30型(ニューマン・スカイライン)のシャープなボディラインを踏襲しつつ、ボディを大きくして広い室内空間を確保、その上で各部の質感を高めてラグジュアリー感を強調した。

1985年8月にデビューした日産7代目 R31「スカイライン」に搭載されたエンジン

エンジンは、新世代直6をメインとし、最高出力165ps/最大トルク18.5kgmを発揮する2.0L 直6 DOHCと210ps/25.0kgmの同インタークーラーターボ、130ps/17.0kgmの2.0L直6 SOHC&170ps/23.0kgmの同インタークーラーターボ、廉価モデル用の100ps/18.0kgmの1.8L 直4 SOHC、100ps/14.5kgmの2.8L 直6 SOHCディーゼルの6機種と多彩だった。トランスミッションは、5速MTと4速ATが選べた。

また積極的に先進技術が採用されたことも特徴的だった。世界初の電子制御可変吸気コントロール(NICS)やハイテンションコードをなくしたダイレクトイグニッション(NDIS)を装備した新世代エンジン、量産初のプロジェクターヘッドライト、DOHCエンジン搭載モデルには電子制御4輪操舵システム(HICAS)などが採用された。

R31スカイラインの4ドアハードトップの販売は、ハイソカーブームの勢いで好調に滑り出したが、一方で伝統の2ドアタイプがなかったため、熱狂的なスカイラインファンからは不評だった。

人気挽回のために2ドアのスポーツクーペGTSを追加

1986年5月にデビューした日産7代目 R31「スカイライン・2ドアスポーツクーペGTS」
日産「スカイライン・スポーツクーペGTS」のリアビュー

R31のデビューから遅れること9ヶ月、1986年5月のこの日に急遽2ドアのR31「スカイライン・スポーツクーペGTS」が追加された。

日産R31「スカイライン・2ドアスポーツクーペGTS」に搭載されたRB20DET型エンジン
日産R31「スカイライン・2ドアスポーツクーペGTS」に搭載されたRB20DET型エンジン

搭載エンジンは、前置きの大型インタークーラーとセラミック製タービンローターおよび大型タービンに変更したインタークーラーターボを装備した最高出力215ps/最大トルク27.0kgmを発揮する新開発の2.0L 直6 DOHCと同エンジンのNA仕様。トランスミッションは、5速MTのみの組み合わせ。

日産R31「スカイライン・2ドアスポーツクーペGTS」のオートスポイラー

装備としては、前置きインタークーラーのための専用バンパー、車速70km/h以上で突出し50km/h以下で格納する“GTオートスポイラー”、専用の薄型ヘッドランプで特別感が演出された。

日産「スカイライン・スポーツクーペGTS」のコクピット
日産「スカイライン・スポーツクーペGTS」のフロントシート

車両価格は、199.8万~239.6万円(NA)/249.7万~271.5万円(ターボ)に設定。当時の大卒初任給は14.6万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で315万~377万円/393万~428万円に相当する。

1986年5月にデビューした日産7代目 R31「スカイライン・2ドアスポーツクーペGTS」

・・・・・・・・・・・
R31スカイラインのラグジュアリー路線への変更は、生粋のスカイラインファンからは迷走して中途半端と思われ、往年のキャッチフレーズをもじって“牙を抜かれた狼”と揶揄された。追加されたスポーツクーペGTSも、焼け石に水としかならなかったようだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

連載 今日は何の日?

by MotorFan
歴史 1時間前

ハイソカーと化した日産R31セブンスに高性能な「スカイライン・2ドアスポーツクーペGTS」を200万円~86年に追加【今日は何の日?5月22日】

by MotorFan
歴史 2026.05.21

ジャスト100台限定!80万円増、50kg増だってOPENしか勝たん!!日産「パルサーEXAコンバーチブル」を201万円で85年に追加【今日は何の日?5月21日】

by MotorFan
歴史 2026.05.20

人気はイマイチ?でもラリーで大活躍の日産「バイオレット」2代目は201万円【今日は何の日?5月20日】