デザイン刷新と新色の追加でEVらしい特別感がさらに向上




新型サクラはフロントフェイスに大きな変更を受けた。最上級グレードの“G”と、中間グレードの“X”はボディカラーと同色のカラードグリルが採用されたうえ、カッパー色のアクセントを効かせた新デザインのフロントバンパーに変わった。
さらに、旧型ではオプション設定だった15インチアルミホイールが“G”グレードに標準装備となったうえホイールデザインも刷新。新しいホイールの意匠は旧型と同じく“水引”をモチーフとしながらも日本の伝統美がよりダイナミックに表現されている。
またボディカラーは、旧“ブロッサムピンク”が新色となる“水面乃桜(ミナモノサクラ)”に置き換えられたほか、新色“セラドングリーン”を追加。Gグレードには全10パターンのボディカラーが用意されるうえ、“プレミアム2トーン”のボディカラーを纏うモデルはフェンダーアーチを含むボディ下部にもシルバーカラーの装飾があしらわれ、軽EVとしての特別感が増している。
ボディサイズは旧型から変わっておらず、室内空間や荷室空間の数値にも変更はない。足を組めるほど広い後席空間とEV特有のフラットフロアは健在であり、よほど大柄な人でなければ窮屈感を覚えることはないだろう。引き続き、後席は左右一体式スライド&左右独立リクライニングの組み合わせだ。
新型 日産 サクラ G
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm
ホイールベース=2495mm
車両重量=1090kg
タイヤサイズ=165/55R15(前後)
旧型 日産 サクラ G
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm
ホイールベース=2495mm
車両重量=1080kg
タイヤサイズ=155/60R14(前後)
パワートレインはそのまま! 180kmの航続距離も据え置き


新型はパワートレインにも変更はなく、最高出力64ps/最大トルク195Nmのモーターをフロントに搭載した前輪駆動となる。
車重はわずかに増えているが満充電での走行可能距離は180kmと据え置きだ。充電性能も変わっておらず、6kW出力の普通充電器で満充電になるまでの時間は約4時間となる点も変わっていない。
従来からサクラの動力性能はターボエンジンを搭載した軽自動車以上にパワフルで、ごく普通の使い方をする限りにおいては動力性能に不足を感じる場面は少ない。冬場の電力消費の抑制に効果的なヒートポンプエアコンシステムも引き続き備わっており、EVとしての特性と使い勝手は良くも悪くも旧型のままだ。
ただし、クルマ全体の使い勝手には多くの改良が加えられている。ドアロック機能には車両に近づくだけで解錠してくれる“接近時アンロック”と、離れると自動施錠する“降車時オートロック”が追加された。
車内には、これまでなかった助手席側カップホルダーが新たに設置。ドライブモードスイッチがより操作しやすい位置へ移設されたほか、エアコンの風向きといった細かな点にも改良が加えられている。
新型 日産 サクラ G
駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=20kW
最高出力=64ps/2302-10455rpm
最大トルク=195Nm/0-2302rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
旧型 日産 サクラ G
駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=20kW
最高出力=64ps/2302-10455rpm
最大トルク=195Nm/0-2302rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
値下げの弊害はナシ! 細かな改良でユーザーニーズに応える


今回のマイナーチェンジにおける最大のトピックは、装備を充実させながらも価格が抑えられている点にある。しかも値下げによる弊害はほぼ無い。
最上級グレード“G”は旧価格の308万2200円から299万8600円へと約8万円もの値下げだ。加えて、2026年4月1日以降の登録分に適用される令和7年度補正CEV補助金の58万円が全グレードに適用される。
中間グレード“X”の価格は259万9300円と据え置きながら、従来はオプションだった“アラウンドビューモニター”とステアリングヒーター&シートヒーターが標準装備化されているため実質的には大幅値下げといえる内容だ。
また今回から、旧型では法人向けグレードだった最廉価グレードの“S”が一般用途でも選べるようになったうえ、価格は253万6600円から244万8600円に引き下げられている。補助金を適用すれば、Sグレードの実質的な車両本体価格は約187万円だ。
発売から4年目となる今回のマイナーチェンジは、法規対応となる“後席リマインダー”の追加に併せて、細かなユーザーニーズに応える形の改良となった。思い切った値下げはサクラの存在感を高めつつ、国内ライバルや海外の小型EVを見据えた戦略的な価格設定と言えるだろう。
しかし、ユーザーがもっとも望むであろう航続距離は改善されていない。とはいえ、価格を引き上げて航続距離をわずかばかり延ばしても、サクラの美点が失われる結果につながりかねない。
驚くような箇所こそなかったものの、今回の改良は、生活密着型軽EVとしての地盤をより強固にする適切なアップデートだったと言えるだろう。
車両本体価格
新型 日産 サクラ G︰299万8600円
旧型 日産 サクラ G︰308万2200円
