全長は155mm違うが、室内空間や快適性はほぼ同等!

ボディサイズはRZの方が全長で155mm長く、全幅は45mm広い。この寸法差は主に後席の空間に影響しており、RZの方が膝まわり空間や頭上空間に余裕がある。

ただし体感的な差はそれほど大きくなく、アリアNISMOに成人男性が座っても窮屈に感じることはないだろう。また、両車ともに大きな角度まで倒せるリクライニング機能が備わっており、後席乗員は安楽な姿勢が取れる。

荷室寸法はアリアが長さ973mm×幅1100mm×高さ682mm、RZが978mm×1003mm×690mmでおおむね同じであり、どちらも9.5インチのゴルフバッグを3個積み込めるだけの容量を確保している。

アリアNISMOの荷室はリヤタイヤの後ろ側が深くえぐられており小物が入れられる構造となっている。床下にもスペースが備わるが、12Vバッテリーやパンク修理キットなどを格納しており荷物は積み込めない。一方、RZには58Lのアンダーラゲッジスペースが備わるため収納性では勝る。

どちらもリヤハッチの開口下部と荷室床面がフラットになっている点は共通だが、荷室開口部の形状がスクエアに近いアリアの方が大きな荷物は積みやすそうだ。アリアNISMOは明確なスポーツモデルとはいえ、快適性や使い勝手は一切犠牲にされていない。

外観はどちらもスポーティな佇まいだが趣向は大きく異なる。標準アリアはマイナーチェンジに伴ってリーフ顔に変更されたが、アリアNISMOは内外装ともに定評ある旧来のままのスタイルが維持されている。

RZも内外装の基本意匠に変更はないが、F SPORTは例によって専用のエアロパーツが追加される。内装色は専用のブラック×ダークグレーにまとめられ、凝ったデザインのドアトリムや改良型アンビエントライトが新採用された。

日産 アリア NISMO B9 e-4ORCE
ボディサイズ=全長4650mm×全幅1850mm×全高1660mm
ホイールベース=2775mm
車両重量=2210kg
タイヤサイズ=255/45R20(前後)

レクサス RZ 550e “F SPORT” 
ボディサイズ=全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2120kg
タイヤサイズ=235/60R18(前)255/45R20(後)

加速性能はアリアNISMOよりもスペックで劣るレクサス RZが上! それはなぜ?

アリアNISMOは最大トルク300Nmのモーターを前後に搭載しシステム出力は435psとなる。バッテリーを含むパワートレインが全面刷新されたRZ 550eは前後に268Nmの新型モーターを搭載し、システム出力は旧450eの313psから408psへと引き上げられた。

モータースペックはアリアNISMOの方が優れるものの、加速性能はRZの方が高い。RZの公称0-100km/h加速タイムは4.4秒だ。アリアNISMOの加速タイムは公表されていないが、非公式タイムでは5.0秒というデータがある。

両者の加速性能には100kgの車重差だけでは説明できないほどの差がついている。これはRZが新設計のバッテリーセルを採用したことで瞬発的な電力供給能力が高まった点や、“DIRECT4”の新しいトラクション制御の恩恵を受けている可能性が高い。

航続距離と充電性能の向上も見逃せない。RZの航続距離は旧450eの494kmから582kmへと延長。さらに、最大150kWの急速充電が使えるようになったほか、新しいバッテリープレコンディショニング機能によって充電時間も短縮されている。

一方のアリアNISMOは持ち込み登録のため航続距離と電費は公表されていないが、同等の基本スペックを持つ“標準アリア B9 e-4ORCE 20インチホイールモデル”の航続距離である560kmに準じた数値になるだろう。また、アリアNISMOの急速充電入力は最大130kWまでとなる。

RZはパワートレインだけでなくシャシーにも手が加えられた。板厚アップや補強ブレースの追加によりねじり剛性が強化されたほか、遮音材の追加や高減衰接着剤の塗布により、さらなる振動や騒音の低減が図られている。

日産 アリア NISMO B9 e-4ORCE
エンジン形式=交流同期電動機
排気量=-
最高出力=F:218ps/5950-11960rpm R:218ps/5950-10320rpm
最大トルク=F:300Nm/0-4392rpm R:300Nm/0-4392rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD

レクサス RZ 550e “F SPORT”
エンジン形式=交流同期電動機
排気量=-
最高出力=F:227ps/ーrpm R:227ps/ーrpm
最大トルク=F:268Nm/ーrpm R:268Nm/ーrpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD

新機能で魅力を増した改良新型RZにアリアNISMOは劣勢

新車価格は“アリアNISMO B9 e-4ORCE”が951万600円、“レクサス RZ 550e F SPORT”が950万円。両車とも価格が840万円を超えるためCEV補助金は80%適用となり、それぞれの補助金額はアリアNISMOが103万2000円、RZが104万円だ。

両車は価格もキャラクターも非常に近い。両車の用途を隔てるのは先進装備の違いと言えるだろう。

どちらもオプションでパノラマルーフが選択できるが、RZは電子調光機能付パノラマルーフも選べる。また、RZは渋滞路でのハンズオフ機能が標準で備わるのに対し、アリアは高速道路の全域でハンズオフが可能となる“プロパイロット2.0”が選択可能だ。

決定的な違いは、RZのF SPORTに新採用された“ステアバイワイヤシステム”と“インタラクティブマニュアルドライブ”の存在にある。

ハンドル操作が完全電子制御となったRZのロックトゥロックはわずか400度で、ステアリングは旅客機の操縦桿のようなヨーク型が採用された。インタラクティブマニュアルドライブは、モードスイッチをオンにすれば疑似8段変速とエンジン回転数の上下までを再現した仮想サウンドによって内燃機関車のように振る舞う機能だ。

アリアNISMOにもフォーミュラEマシンのような専用のアクティブサウンドコントロールがオプションで追加できる。また、アリアNISMOはマイナーチェンジでGoogle搭載の“NissanConnectインフォテインメントシステム”と、前走車との車間距離を維持するように支援してくれる“インテリジェント ディスタンスコントロール”が新実装されたが、RZのような目新しさはない。

とくに新しいもの好きな人にとっては、新機能と性能向上で一層魅力を増したレクサス RZ F SPORTの方が心を躍らせてくれるクルマと言えるだろう。

車両本体価格

日産 アリア NISMO B9 e-4ORCE:951万600円

レクサス RZ 550e “F SPORT”:950万円