外観はモダンに大刷新! デザインテーマは“サイバー相撲”




新型ハイラックスの基本構造は旧型と変わっていない。ただし、バンパーデザインの変更により全長が15mm短縮された。その一方で、全幅はフェンダーモールの採用により30mm拡大されている。ホイールベースは変わっていないが、最小回転半径は6.4mから6.3mへと小さくなり、わずかに小回りが利くようになった。最低地上高は215mmのままだ。
ボディシェルも共通であるため室内空間も旧型からほぼ変わっていない。5人乗りのダブルキャブだけに後席空間は決して広いとは言えないが、成人男性も乗り込める程度の広さは確保されている。
後席には引き続き格納式アームレストが備わり、跳ね上げ式の後席座面も踏襲されているため車内に大きな荷物を積むことも可能だ。新型では後席にエアコン吹き出し口が追加されており快適性も向上した。ただし、後席背もたれの角度が立ち気味である点は旧型から変わっていない。
荷台寸法もほとんど変わっておらず、荷台長は1565mmでリヤタイヤハウス間の幅は1105mm、アオリの高さは変わらず480mmとなる。側面下部に荷台への乗降をサポートするデッキステップが追加された点も新型ハイラックスの大きなトピックだ。
もっとも大きな変更点はエクステリアデザインだ。“Cyber SUMO”をデザインキーワードに掲げた外観はトヨタ RAV4を思わせる多面的なフロントフェイスとハニカムグリルによって旧型のピックアップトラックらしい泥臭さが払拭された。
そのほか、専用バンパーガーニッシュや荷台保護カバーなどが装着される“Zアドベンチャー”グレードも新設定されたうえ、ボディカラーには国内初採用となる“サルファメタリック”も追加された。新型ハイラックスはファッショナブルなイメージが大きく強められている。
新型 トヨタ ハイラックス Z
ボディサイズ=全長5325mm×全幅1885mm×全高1865mm
ホイールベース=3085mm
車両重量=2140kg
タイヤサイズ=265/60R18(前後)
旧型 トヨタ ハイラックス Z
ボディサイズ=全長5340mm×全幅1855mm×全高1800mm
ホイールベース=3085mm
車両重量=2100kg
タイヤサイズ=265/60R18(前後)
エンジン排気量UP&走破力向上! ただし燃費はやや低下


新型ハイラックスに搭載されるディーゼルエンジンは、旧型の2.4L の2GD-FTVから、ランドクルーザー250などにも搭載される2.8L の1GD-FTVへと改められた。
新型ハイラックスの最高出力は54ps向上した204psとなり、最大トルクは100Nm上乗せされた500Nmだ。トランスミッションは引き続き副変速機付きの6速ATだが、最終減速比の変更で旧型よりもややハイギヤードに変わっている。
しかし、排気量増加により燃費性能はわずかに悪化しており、旧型のWLTCモード平均燃費が13.6km/L(Zグレード)であるのに対し、新型ハイラックスは11.9km/L(Zグレード)だ。
シャシーは旧型と変わらず強固なラダーフレームと堅牢なリーフスプリング、信頼性の高いパートタイム4WDの組み合わせとなるが、ラダーフレームはサイドレールの断面板厚を増すことで剛性を強化。キャビンもフロア周辺の溶接箇所を増やして剛性を高め、振動やこもり音の抑制が図られた。
サスペンションは乗り心地を重視してリセッティングされ、ステアリング機構も旧型の油圧パワステから電動パワステへと変更されている。さらに、最新のRAV4やランドクルーザーシリーズにも採用される“マルチテレインセレクト”も搭載された。
マルチテレインセレクトは“ダート”や“ディープスノー”など全6種のなかから路面状況に応じたモードを選択すれば、駆動力やブレーキを統合制御して走破力を高めてくれる。なかでも、幅広い状況で最適な走破力を発揮してくれるオートモードの存在が新型ハイラックスの大きな特徴だ。
デフロックも引き続き全グレードに標準装備となっており、新型ハイラックスの悪路走行性能は電子制御の力で大きく底上げされている。
新型 トヨタ ハイラックス Z
エンジン形式=直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量=2754cc
最高出力=204ps/3000-3400rpm
最大トルク=500Nm/1600-2800rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=パートタイム4WD
旧型 トヨタ ハイラックス Z
エンジン形式=直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量=2393cc
最高出力=150ps/3400rpm
最大トルク=400Nm/1600-2000rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=パートタイム4WD
基本構造はそのまま全面的に正常進化! 500万円の価格は高い? 安い?


新型ハイラックスの内装は、ランドクルーザー250などに近い水平基調かつスクエアなインパネデザインへと刷新された。運転に関わるスイッチ類は中央に備わる12.3インチセンターディスプレイ下部にまとめて配置され、デザインと機能性を両立したインテリアとなっている。
もちろん、運転支援機能も最新バージョンへとアップデートされており、電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能が搭載されたことで、全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロールが使えるようになった。また、車両の周囲360度を確認できるパノラミックビューモニターには床下透過ビュー機能が備わるほか、新たにタイヤ空気圧警報システムも備わった。これらの装備は全グレード標準装備だ。
そのぶん価格も大きく上昇している。旧型の2023年9月発売モデルの新車価格が407万2000円だったのに対し、新型は498万800円であり、上級グレードの“Zアドベンチャー”は550万円となる。
近年の物価高騰に加え、生産は引き続きタイで行なわれているため円安も価格に大きく影響していることだろう。それ以上に新型ハイラックスの高い価格は、エンジンの換装や装備の充実による各部の性能向上によるところが大きい。
しかし、ピックアップトラックらしくSUVなどに比べて快適装備はやや手薄な印象だ。新型ハイラックスは、左右独立のオートエアコンや“おくだけ充電”が標準装備だが、電動シートが装備されるのは運転席のみとなる。新たにステアリングヒーターが備わったものの、シートヒーターやシートベンチレーションはオプションでも設定されない。
快適性に関しては、ハイラックスより高価なランドクルーザー250はもちろん、より安価なランドクルーザーFJにも見劣りする。しかし、ピックアップトラックとしての存在感と魅力は色あせない。ただし、販売台数自体が限られているため、しばらくは入手しづらい状況が続きそうだ。
車両本体価格
新型 トヨタ ハイラックス Z:498万800円
旧型 トヨタ ハイラックス Z:407万2000円
