それぞれの役割は意外なほど明確だ
レクサスのSUVラインアップが、いつの間にか大所帯になっている。

現在、日本で販売されているのは「LBX」「UX」「NX」「RZ」「RX」「GX」「LX」の7車種。もっとも身近なLBXは420万円から、一方のLXは最上級仕様になると2100万円に達する。

ここまで増えると、単純に価格順に並べただけでは違いがわかりにくい。日本でレクサスSUVを選ぶなら、それぞれどのようなユーザーに向いているのだろうか。
まず、価格と扱いやすさを重視するならLBXだ。
全長4190mm、全幅1825mmというコンパクトなボディに1.5Lハイブリッドを搭載。「Elegant」は420万円からで、その上に「Active」440万円、「Cool」「Relax」460万円、「Bespoke Build」550万円からを設定する。高性能モデル「MORIZO RR」は680万円からとなる。
単なる「小さくて安いレクサス」ではなく、都市部で扱いやすいサイズそのものに価値を持たせたモデルと考えたほうがわかりやすい。
その上に位置するUXは521万円から575万7000円。現在は2.0Lハイブリッドの「UX300h」に一本化され、2WDの“version L”ではWLTCモード26.3km/Lを実現する。
燃費性能は大きな魅力だが、レクサスは2027年2月でUXの生産を終了すると発表している。これから新車を購入して長く乗ろうと考えているなら、押さえておきたいポイントだ。
サイズ、価格、実用性のバランスを取りやすいのがNXである。
現在はハイブリッドの「NX350h」が550万円から、PHEVの「NX450h+」が749万5000円から。ガソリンのNX350は販売を終了している。
さらにレクサスは2026年9月、NXの一部改良型を世界初公開した。内外装や走りをアップデートするとともに、従来のNX350h、NX450h+に加え、2.0Lハイブリッドの新グレード「NX300h」を設定する。発売は2026年末以降、各地域で順次予定されている。
NX300hの価格はまだ発表されていないが、今後はNXの入口を担うモデルとして注目される。LBXやUXより室内に余裕があり、RXほど大きくないというNXの立ち位置は明確だ。300hの追加によって、さらに選びやすいモデルになる可能性がある。
より広い室内や乗り心地、存在感を求めるならRXだ。
価格は668万円から903万円。ガソリン、ハイブリッド、PHEVを揃え、パワートレインの選択肢も幅広い。
NXからRXへステップアップする理由は、単純な性能差だけではない。ボディサイズや後席の余裕、静粛性、乗り心地といった「大型ラグジュアリーSUVらしさ」にどこまで価値を感じるかが分かれ目となる。
一方、RZはまったく異なる方向を向く。
レクサス初のBEV専用モデルであり、ハイブリッドの延長線というより「レクサスでBEVを選びたい」ユーザーに向けた1台だ。自宅に充電設備を設置できるか、普段どの程度の距離を走るのかなど、クルマ以外の使用環境も選択を左右する。
そして、舗装路中心のLBX、NX、RXとは用途が大きく異なるのがGXとLXだ。
GXはラダーフレームを採用する本格SUVで、悪路走破性を重視したモデル。その上に位置するLXは1450万円からで、ハイブリッドの「LX700h “EXECUTIVE”」は2100万円に達する。
この2台は、単純な価格対装備で比較するより、本格的なオフロード性能や大型SUVならではの存在感が必要かどうかで選択が分かれる。
こうして7車種を並べると、それぞれの役割は意外なほど明確だ。
価格とコンパクトさならLBX、燃費性能ならUX、サイズと実用性のバランスならNX、室内のゆとりや快適性ならRX、BEVならRZ、本格SUVならGX、その頂点がLXという構図である。
なかでもNXは、日本で扱いやすいサイズとレクサスらしい高級感を両立し、550万円から選べる。ラインアップ全体を比較する際の基準にしやすいモデルだ。さらにNX300hが加われば、価格次第ではこれまで以上に選択肢が広がるだろう。
そして、この勢力図は間もなくもう一度変わる。
2026年冬頃には、新型TZが日本へ投入される予定だ。レクサス初のBEV専用3列シートSUVで、これまで空白だった「BEV+3列シート」というポジションを埋める。
420万円のLBXから2100万円のLXまで。そこへTZが加われば、レクサスSUVはまさに盤石の体制となる。
街中で扱いやすいサイズを求めるのか、燃費なのか、後席の広さなのか、BEVなのか、それとも悪路走破性なのか。価格だけで上下関係を見るより、用途から逆算したほうが、それぞれのレクサスSUVの違いは見えてくる。









