放置駐車違反等として反則金や過料が科せられるおそれも

お盆の帰省や夏休みのドライブラッシュを迎えると高速道路では長蛇の渋滞が発生し、途中のPAやSAも満車状態で激しく混雑する。
そんななか、そこにガソリン車が停まっている光景が問題視されることも少なくない。
とくに帰省ラッシュ時の高速道路PAやSA、公道上の充電スペースでは、駐車場探しの焦りから誤って充電区画に停めてしまうケースも散見され、実際にSNS上では「満車だからってEV充電スペースにガソリン車停めてる人いた。めちゃくちゃ迷惑かけてるの気づいてないのかな」といった声もみられた。

そもそも公道上に設置された充電スペースにおいては、ガソリン車などの非充電車両が駐車した場合、道路交通法や地方自治体の条例にもとづいて違反行為として扱われるケースがあるという。
たとえば、パーキングメーターなどと同じように指定された区画や時間外に駐車したり、充電以外の目的でスペースを占有したりすると、放置駐車違反等と見なされて普通車で1万5000円から1万8000円の反則金や放置違反金、さらに違反点数2点から3点が科せられるおそれがある。
なお、国土交通省が示している充電インフラ整備のガイドライン等においても、公道における駐車規制や標識の適切な設置が求められており、ルールを逸脱した車両には法的なペナルティが科せられるしくみが整えられつつあるようだ。
私有地等での法的効力の限界や課題も残る

一方で、SAやPA、商業施設、私営駐車場といった「私有地・管理地」に設置された充電スペースの場合は道路交通法をそのまま適用することが難しく、警察による取り締まりや罰則の適用が及ばないケースが多いのも実情だ。
現在は普及の移行期であり、私有地等での法的効力の限界や施設ごとの運用ルール統一の難しさなど、充電インフラを適切に維持・運用する課題も残っているようだ。

また、施設管理者が独自にカラー舗装を施したりパイロンを設置したりと工夫を凝らしているものの、混雑時にはマナー違反を防ぎきれない場面もある。
海外の事例に目を向けると、たとえばアメリカ・イリノイ州では、EV充電スペースにガソリン車などの非EV車両が駐車した場合に罰金を科す「イリノイ州法第625章」が制定されるなど、敷地の公私を問わず厳格な対応をとる動きも出ている。
日本においても、高速道路会社や施設管理者、充電器事業者がどのように連携し、実効性のある対策を講じていくかが今後の重要な焦点となるだろう。

このように、EVへのシフトが徐々に進むなかで、高速道路や観光地における充電インフラの適切な利用は誰もが快適に移動するための重要な要素となっている。
現状では「EV充電スペースには停めない」という利用者同士のモラルやマナーに頼る部分も大きいが、お盆をはじめとしたとくに混雑するドライブシーズンなどは、それだけでは根本的なトラブルの解決にはいたらない。
今後は、専用スペースにおける法的な位置づけやガイドラインの整備をさらに周知し、明確なルール作りを進めることで、誰もが円滑に充電できる環境を整えることが不可欠といえそうだ。
