連載
今日は何の日?■初めて4WDを搭載した8代目ブルーバード

1987年(昭和62)年9月21日、日産自動車は8代目(U12型)「ブルーバード」を発売した。8代目はバブル景気を背景に、洗練されたデザインと日産の先進技術である“4WD(ATTESA)”や”4WS(HICAS)”、“STC-Sus”などを搭載した革新的なモデルだった。
コロナをライバルとして進化したブルーバードの歴史
日産は、1957年7月に誕生したトヨタの小型大衆車「トヨペットコロナ」に対抗するため、1959年8月に初代(310型)「ブルーバード」を投入した。親しみやすい丸みを帯びたフォルムで、パワートレーンは1.0L&1.2L 直4 SOHCエンジンと3速MTの組み合わせ、駆動方式はFRだった。

初代ブルーバードは、1ヶ月で8000台を受注してライバルのコロナを圧倒、連続64ヶ月小型乗用車トップに君臨した。これを機に、“BC(ブルーバード×コロナ)戦争“と呼ばれる熾烈な大衆車のトップ争いが始まったのだ。
・2代目(410型:1963年~1967年)
ピニンファリーナ社に依頼した尻下がりデザインが不評で、首位の座をコロナに譲った。それでも、追加されたスポーツモデル「SS(スポーツセダン)」や「SSS(スーパースポーツモデル/通称:スリーエス)」は好評だった。

・3代目(510型:1967年~1972年)
スーパーソニックラインと呼ばれるシャープなフォルムを採用して大ヒット、再びコロナから首位を奪回。1.6L高性能エンジンを搭載した「ブルーバード1600SSS」は、1970年のサファリラリーで総合優勝を果たした。


・4代目(610型:1971年~1976年)
ブルーバード Uというサブネームをつけ、大型化・高級化を図るも人気は低迷。特にフロントフェイスがサメに似ていることから“サメブル”と呼ばれ、再び首位から陥落した。
・5代目(810型:1976年~1979年)
不人気だった4代目のデザインを見直し、シンプルなスタイルに原点回帰。しかし、オイルショックや排ガス規制の対応に追われて、商品力強化が上手くいかず首位奪還とはならなかった。

・6代目(910型:1979年~1983年)
大きな角型ヘッドライトを組み込んだ直線基調のシャープなスタイリングに変貌。シャープなスタイリングと俊敏な走りの6代目ブルーバードの人気は爆発。販売台数は、27ヶ月連続で小型乗用車トップに君臨し続け、ライバルのコロナを圧倒した。

・7代目(U11型:1983年~1987年)
最大の特徴は、それまでもFRからFFレイアウトに変更したこと、また車名からダットサンが取れて「ブルーバード」の単独名となったこと。スタイリングは、人気だった先代の直線的なフォルムを引き継ぎ、先代の爆発的なヒットの影に埋もれて印象は地味だったが、人気を引き継いで好調な販売を堅持した。

先進技術を搭載した8代目ブルーバード


1987年9月のこの日、8代目(U12型) 「ブルーバード」は先代に続いてFFレイアウトを継承。4ドアセダンと4ドアハードトップで構成され、グレードはファミリー系「アーバンサルーン」とスポーティ系「SSS」系の2種が設定された。

スタイリングは、先代までの直線基調からボンネットのラインをわずかに傾斜させ、全体的に角を丸くすることでスマートな印象に変貌。インテリアについても、エクステアと同じように柔らかくラウンドしたメータークラスターやダッシュボードで高級感をアピールした。

エンジンは多彩で5種用意された。最高出力79ps/最大トルク12.5kgmを発揮した1.6L 直4 SOHC、88ps/14.5kgmの1.8L 直4 SOHC、135ps/16.2kgmの1.8L 直4 DOHC、175ps/23.0kgmの同インタークーラーターボの4種ガソリンエンジン、67ps/13.0kgmの2.0L 直4 SOHCディーゼルの5種エンジンと、3速/4速ATおよび5速MTの組み合わせ。

駆動方式は、先代同様にFFベースだが、ブル歴代初となる“ATTESA(アテーサ)”と呼ばれるセンターデフにビスカスカップリングを組み合わせたセンターデフ式フルタイム4WDを設定。サスペンションは、4輪ストラット式を踏襲する一方で、4WD車のリアには回頭性向上に貢献する“STC-Sus(スーパー・トー・コントロールサスペンション)”が採用された。

これらの先進技術をすべて搭載したのが、トップグレードの「SSSアテーサリミテッド」だ。SSSアテーサリミテッドに搭載されたエンジンは、最高出力185ps/最大トルク25.0kgmを発揮する1.8L 直4 DOHCインタークーラーターボであり、アテーサに加えて4輪操舵システム“HICAS”と“STC-Sus”の採用によって、高い旋回性能と安定した走りを誇った。
車両価格は159.8万~291.0万円(SSSシリーズ)/135.8万~203.8万円(アーバンサルーンシリーズ)に設定。当時の大卒初任給は15.2万円(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約242万~440万円/205万~308万円相当する。

また8代目ブルーバードには、先進のATTESAを装備したSSSを大幅にチューンナップしたラリー用モデル「SSS-R」が設定され、注目を集めた。

・・・・・・・・・
長く日産を代表する大衆モデルとして人気を誇っていた「ブルーバード」も1990年以降はセダン市場が縮小し、かつてのような人気を得ることは難しくなった。その後、9代目(U13型)、10代目(U14型)へとモデルチェンジし、10代目以降も2000年8月に「ブルーバード・シルフィ」がその名を継承。しかし、2012年に「シルフィ」の単独ネームとなったことで、名車ブルーバードの名は市場から消えることになった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。










