エンジンをコンパクト化することでボンネットを低くでき、空力性能や車体設計の自由度が向上

トヨタの人気コンパクトミニバン「シエンタ」に、次期型へ向けた動きが見えてきた。早ければ2027年にもフルモデルチェンジが実施される可能性があり、注目はデザイン以上に、その心臓部である。

トヨタ シエンタ 現行型

次期型では、現在の1.5L 直列3気筒から、トヨタが開発を進める新世代1.5L 直列4気筒エンジンへ切り替わる可能性が浮上している。

現行シエンタは2022年8月に登場した3代目。5ナンバーサイズを維持しながら最大3列7人乗りを実現し、両側スライドドアを備えるなど、日本の道路事情やファミリーユースに適したパッケージングを武器としている。

トヨタ シエンタ 次期型 予想CG

しかしライバルも進化している。ホンダ「フリード」は2024年6月に3代目へフルモデルチェンジし、ハイブリッド車に2モーター式「e:HEV」を初採用した。

シエンタも2025年8月の商品改良で、電動パーキングブレーキやブレーキホールド、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール、ドライバー異常時対応システムなどを採用。さらに2026年8月にも一部改良を受け、現行型の商品力を高めている。 

その先に控える次期型で、大きなポイントとなりそうなのがパワートレーンだ。

現行型は1.5L 直列3気筒エンジンを基本として、ガソリン車とハイブリッド車を設定する。対してトヨタは現在、電動化時代を見据えた新世代1.5L 直列4気筒エンジンを開発しているようだ。

2024年に公開された新型1.5Lエンジンには自然吸気とターボが想定されており、自然吸気仕様では既存の1.5L 直列3気筒に対して体積と全高をそれぞれ10%低減するという。エンジンをコンパクト化することでボンネットを低くでき、空力性能や車体設計の自由度を高められることに加え、当初からモーターやバッテリーなど電動ユニットとの組み合わせを重視していることも特徴となる。

この新開発エンジンの次期シエンタへの搭載が実現すれば、現行型の直列3気筒から直列4気筒への大きな転換となる。シエンタのようなコンパクトミニバンでは、燃費だけでなく、発進と停止を繰り返す市街地での扱いやすさや静粛性も重要だ。フリードがe:HEVを大きな武器としているだけに、次期シエンタでもハイブリッドシステムの進化が商品力を左右するポイントになる。

エクステリアも刷新されることになりそうだ。スクープ班が制作した予想CGでは、現行型の親しみやすいワンモーションフォルムを残しながら、近年のトヨタ車に広がっている「ハンマーヘッド」のデザイン要素を融合した。左右へ鋭く伸びる薄型LEDヘッドライトを配置し、その下には大型ブラックグリルをレイアウト。ボンネットを低く見せることで、現行型よりワイドでシャープなフロントマスクを表現している。

一方で、次期型でも守られる可能性が高いのが、シエンタならではのパッケージングだ。現行型の全幅は1695mm。5ナンバーサイズによる取り回しの良さは、より大型のミニバンにはないシエンタの大きな強みである。両側スライドドア、最大3列シートという基本構成とともに、このサイズ感は次期型でも可能な限り維持されるとみられる。 

インテリアでは大型センターディスプレイやデジタルメーター、コネクテッド機能などの進化も期待される。一方、幅広い世代が使用するクルマだけに、操作系をすべてタッチパネルへ集約するのではなく、物理スイッチを含めた使いやすさを残すことも重要になる。

現行型は2026年8月に改良を受けたばかりであり、次期型の登場時期については今後変動する可能性もある。しかし2022年のデビューからすでに4年が経過し、最大のライバルであるフリードも世代交代を完了した。

5ナンバーサイズというシエンタ最大の武器を守りながら、新世代1.5Lエンジンと電動化技術をどう組み合わせるのか。次期シエンタでは、外観以上にパワートレーンの刷新が大きな注目点となりそうだ。