通信エラーや前車の急停止に備えるため、20km/h以下の徐行が必須

高速道路の料金所を利用する際、ETCレーンはわざわざ一時停止をする必要がないため、減速を最小限にしてノンストップに近いスピードで走り去る車を目にすることも珍しくない。
渋滞緩和にも大きく貢献している便利なシステムではあるものの、そもそもETCレーンはそのまま減速せずにノンストップで通過していいのだろうか。
結論から言えば、ETCレーンに進入する際は時速20km以下で徐行して通過するように各高速道路会社によって定められている。

この速度制限が設けられている大きな理由は、ETCカードの読み込みエラーや前方を走る車両の急停止に確実に対応できるようにするためである。
料金所に設置されたアンテナと車載器の間で正常に無線通信をおこない、決済情報を処理するには一定の時間が必要となるため、ゲートの手前を速すぎるスピードで通過しようとするとデータのやり取りが間に合わず、処理が完了する前に開閉バーへ到達して通信エラーを引き起こす可能性があるという。
そして、通信システムが正常に作動しなかった場合に安全にブレーキをかけて衝突を回避するためにも、いつでも停止できる速度を保つことが求められているのだ。

なお、仮に時速20km以下の徐行を徹底していれば、万が一目の前のバーが開かないトラブルが発生したとしても車体をゲートの手前で安全に停止させることが可能となる。
カード未挿入や有効期限切れによるゲート接触事故を防ぐためには?

ETCレーンでの徐行ルールが守られない場合、重大なトラブルや思わぬ事故につながるおそれがある。
たとえば、車載器の音声案内を聞き逃していたり、カードの有効期限を勘違いして期限切れのまま使用していたりする人為的なミスは、どれほど気をつけていても完全に防ぐことは難しい。
また、そのような状況下で後続車がスピードを落とさずに勢いよく進入してくれば、エラーによって急停止した前の車に追突してしまうリスクはさらに高まることになる。
とくに高速道路の本線からそのままの勢いで料金所に進入して追突事故を起こした場合、周囲のレーンまで巻き込む大きな事故に発展するケースも少なくない。
ETCレーンはあくまで料金精算の手間を省くためのシステムであり、決してノンストップで駆け抜けてよい場所ではないという認識を持つことが重要だ。

こうした不測の事態に備えて安全に通過するためには、前の車との十分な車間距離を維持しながら規定の速度を守り、いつでも止まれる状態で進入することが不可欠といえる。
実際に、過去にはカードの挿入忘れや有効期限切れ、あるいは前車との車間距離の詰めすぎなどが原因で開閉バーが上がらず、そのままゲートに接触する事例も発生しているという。
万が一バーが開かなくても慌てずに対応できるよう、日頃からゆとりを持った運転を心がけることが、自分と周囲の安全を守るための正しい利用方法といえそうだ。

