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自動車エンブレム秘話

マツダのエンブレムが表す「飛翔」と「成長」

現在とはイメージが異なる「M」エンブレムの時代もあった(写真は1966年モデルの「ルーチェ」)。
現在とはイメージが異なる「M」エンブレムの時代もあった(写真は1966年モデルの「ルーチェ」)。

現在のマツダのエンブレムは、アルファベットの「M」を舞い上がる翼として表現した1997年登場のブランドシンボルをベースとしている。マツダは、このデザインに継続的な自己改革と絶え間ない成長への意志を込めており、未来へ向かって飛翔するブランドの姿勢を象徴している。立体感を強調したデザインから、現在はデジタル時代に対応したフラットな意匠へと進化したが、その基本形は現在まで受け継がれている。

なお、「Mazda」という名称は創業者である松田重次郎の姓「Matsuda」と、西アジアの古代宗教に登場する知恵と調和の神「アフラ・マズダ(Ahura Mazda)」の両方に由来するとされる。1991年に登場したシンボルマークでは、アフラ・マズダを象徴する「翼」「太陽」「光輪」がモチーフとして採用されており、ブランド名の由来がデザインにも反映されている。

エンブレムの変遷と時代背景

東洋コルク工業から始まるエンブレムの変遷(画像はマツダの公式ウェブサイトにあるロゴを再編集したもの)。
東洋コルク工業から始まるエンブレムの変遷(画像はマツダの公式ウェブサイトにあるロゴを再編集したもの)。

コルクメーカー時代の創業マーク

マツダの前身である東洋コルク工業は1920年に広島で創業した。当時は東洋の「T」とコルクの「C」を組み合わせたマークが使用されていた。1927年に社名を東洋工業へ変更すると、「工」の文字を円の中に図案化した社章が採用される。これらは企業を表すコーポレートマークであり、自動車ブランドとしてのエンブレムではなかった。

「マツダ号」の三菱マーク

1931年、東洋工業は三輪トラック「マツダ号DA型」を発売した。当時は三菱商事が販売を担当しており、この車両には、「MAZDA」の文字と三菱商事の「スリーダイヤモンド」を組み合わせたマークが用いられた。

初の独自エンブレム

1936年には、マツダ初の独自シンボルマークが誕生する。「Mazda Motor Manufacture」を表す3つのMと広島市のマークを組み合わせたデザインで、翼を思わせる形状には「軽快・高速・発展飛躍といった願い」が込められていた。

乗用車時代への転換

1959年には、小文字の「m」を図案化した新しい企業ロゴが採用された。翌1960年にはこのエンブレムとともにR360クーペが登場し、マツダは三輪トラックから乗用車メーカーへと歩みを進めていく。

1991年〜1997年:現代のマツダへ

1991年には、アフラ・マズダを象徴する「翼」「太陽」「光輪」をイメージした新しいプロダクトマークを導入。「人間に優しい潤いのあるクルマづくりを願うマツダの心を表現した」としている。そして1997年、現在の羽ばたくMのブランドシンボルが誕生する。マツダはこのデザインについて、「自らをたゆまず改革し続けることによって、 力強く、留まることなく発展を遂げていくというマツダの決意を込めた」としている。

エンブレムはマツダの挑戦を象徴

最新のコンセプトカーも、「M」のエンブレムを掲げる(写真はジャパンモビリティショー2025に展示された「マツダ ビジョン X クーペ」)。
最新のコンセプトカーも、「M」のエンブレムを掲げる(写真はジャパンモビリティショー2025に展示された「マツダ ビジョン X クーペ」)。

マツダのエンブレムは、1931年のマツダ号に用いられたスリーダイヤモンドとの組み合わせから、1936年の翼のエンブレム、そして現在の広げた翼の「M」へと進化してきた。その変遷には、自動車メーカーとして成長し続けてきたマツダの歴史と挑戦の精神が刻まれている。

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