5代目で完成度を高めたフォルムを大きく崩すのではなく、その特徴をさらに研ぎ澄ます方向性に

トヨタを代表するハイブリッドカー「プリウス」。1997年に初代が登場して以来、世界の電動化を牽引してきたモデルだが、近年、その立ち位置が大きく変わり始めている。

トヨタ プリウス

現在販売されている5代目プリウスは2023年に登場。従来の環境性能を前面に押し出したキャラクターから一転し、低くワイドなプロポーションと高い動力性能を手に入れた。

トヨタ プリウス 次期型 予想CG

一方、近年では「プリウスという車名はいずれ消えるのではないか」という見方も一部で聞かれる。

しかし、少なくとも現時点でプリウスがすぐに姿を消すような動きはない。日本では2025年にPHEVへ特別仕様車「G“Night Shade”」を設定し、北米でも2027年モデルが発表されている。むしろ気になるのは、次の世代でプリウスがどのような役割を担うのかだ。

初代が登場した1997年当時、ハイブリッド車は極めて珍しい存在だった。「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーとともに登場したプリウスは、その後「ハイブリッド=プリウス」というイメージを確立していった。

だが現在、状況はまったく異なる。ヤリス、カローラ、シエンタ、ノア/ヴォクシー、RAV4、クラウンなど、トヨタの主力車種には当たり前のようにハイブリッドが設定されている。北米ではカムリもハイブリッド専用車となった。

つまり、プリウスだけが「トヨタの電動化」を背負う必要はなくなったのである。

そこで重要になるのが、次期型だ。

現時点でトヨタは第6世代プリウスについて正式な発表を行なっていない。しかし、プリウスが存続するとすれば、単純に現行モデルを正常進化させるだけではなく、再び新しい電動化技術を象徴するモデルへ進化する可能性がある。

そのカギを握りそうなのが、トヨタが開発を進めている新世代エンジンだ。トヨタは電動ユニットとの組み合わせを前提として、新型1.5Lおよび2.0L 直列4気筒エンジンを開発している。小型・軽量化するとともに、高効率・高出力化を狙った次世代ユニットである。

特に興味深いのが新型1.5Lだ。現行プリウスの日本仕様は1.8Lと2.0Lのハイブリッドを設定しているが、次期型では新世代1.5Lと高性能なモーターを組み合わせるという選択肢も考えられる。

エンジンを小型化することで得られるメリットは燃費だけではない。エンジンルーム内の自由度が高まれば、空力性能や車体設計にも影響を与える。トヨタ自身も新世代エンジンの小型化によって、ボンネットを低くするなどデザイン面での自由度を高められるとしている。

もちろん、新世代2.0Lも有力候補だ。現行型が2.0Lハイブリッドで最高出力196psを実現していることを考えれば、プリウスのスポーティ路線をさらに発展させるなら、こちらとの組み合わせも考えられる。

PHEVも重要になる。現行プリウスPHEVは、単なる「燃費のいいプリウス」ではなく、EV走行と高い動力性能を両立したモデルへ進化した。次世代ではEV航続距離の延伸や充電性能の向上など、さらにBEVへ近づいた使い方が可能になることも考えられる。

スクープ班では、こうした最新情報をもとに次期プリウスの姿を予想CGとして制作した。

現行型で大きく変わった低いワンモーションフォルムは継承しながら、フロントノーズをさらに低く設定。サイドではキャラクターラインをより明確にし、ボディ後半へ向けて絞り込むことで、現行型以上にスポーティなシルエットを狙った。

トヨタ プリウス 次期型 vs 現行型

今回制作した新旧比較イメージを見ると、5代目で完成度を高めたフォルムを大きく崩すのではなく、その特徴をさらに研ぎ澄ます方向性が見えてくる。

プリウスの将来を考えるうえで重要なのは、「ハイブリッド車であり続けるか」だけではない。

ハイブリッドが当たり前になった現在だからこそ、その時代におけるトヨタ最新の電動化技術をいち早く商品化する…。プリウスがそんな役割へ変わるのであれば、「ハイブリッドの象徴」として始まった歴史は、第6世代で新たな段階へ進むことになる。