PEUGEOT RCZ Vision

初代「RCZ」をオマージュした電動クーペ

フル電動コンセプト「プジョー RCZ ビジョン」のエクステリア。
プジョー RCZ ビジョンは、2009年にデビューした「RCZ」を、プジョーの最新デザインランゲージを用いて復活させた。

歴史と伝統からインスピレーション得つつ、未来を予告するデザインコンセプトとしてプジョーが仕立て上げたのが「RCZ ビジョン」だ。2009年から2015年まで販売された象徴的なクーペ初代「RCZ」は、プジョーのスタイルとパフォーマンスを大胆に表現したモデルであり、現在ではコレクターズアイテムとして人気を集めている。

その名を継承したプジョー RCZ ビジョンは、「E-T16 コンセプト」と同様、プジョーの新しいデザインコード「フィーライン・フューチャー(Feline Future)」を採用。プジョー・ブランドのDNAを、エレガンスさとシンプルさを備え、そして感情に満ちた未来的なビジョンとして提示している。

フロントは横方向に並ぶ3本の爪を思わせるライトシグニチャーの上に、極めてコンパクトな薄型レンズLEDヘッドランプを配置。マイクロ穿孔加工の「RCZ」グラフィック、さらにマイクロ造形された「RCZ」モチーフのグリルを備えた大型エアインテークにより、大胆な表情を生み出している。

「バブルルーフ」と印象的なコクピットアーチ形状も、初代RCZへのオマージュ。「ガラスのバブル」というコンセプトをさらに発展させ、ボンネットから車両後端までガラス面を拡大した。また、ダブルバブル形状を強調することで、後席にも十分な居住空間が確保された。

将来のプジョー製モデルに導入される新技術

フル電動コンセプト「プジョー RCZ ビジョン」の走行シーン。
市販化は予定されていないが、プラットフォームやパワートレイン、バッテリーなど、将来のプジョー製モデルに導入される新技術が導入された。

販売を想定したモデルではないが、将来的にプジョーに採用される技術革新も先採りされた。最新の「STLA One」プラットフォームをベースに、ファクターリアル・エナジー(Factorial Energy)社と共同開発した全固体電池と1000V電気アーキテクチャーを組み合わせた。これにより最高出力500PS、最大航続距離600km、電力消費量11.5kWh/100kmを実現する。

コクピットには、新開発のステアリングシステム「ハイパースクエア(Hypersquare)」や、透明なマイクロLEDディスプレイを備えた「i-Cockpit」を搭載。最新デジタルテクノロジーを、人間工学に基づきながら、より直感的で没入感のある室内体験へと昇華させた。プジョーのアラン・ファヴェイCEOは、RCZ ビジョンについて次のようにコメントした。

「プジョー RCZ ビジョンを通じて、私たちは未来を明確に見据え、究極の走る歓びを追求するクルマによって、私たちのビジョンを提示しています。感情をその中心に据えた美しいスポーツクーペは、プジョーの大胆さを体現するものです。デザインとテクノロジーがシームレスに融合することで、直感的で洗練され、強く人を惹きつける体験を生み出せることを示しています」

モジュラー型「STLA One」プラットフォーム

フル電動コンセプト「プジョー RCZ ビジョン」の走行シーン。
フル電動パワートレインは、モジュラー型「STLA One」プラットフォームに加えて、高い充電密度を保つ全固体電池が採用された。

フル電動パワートレインは、次世代のモジュラー型プラットフォーム「STLA One」がベース。これは「X-by-Wire」ステア・バイ・ワイヤ・システムなど、プジョーの将来的な技術を支えるために開発された。拡張性を備えたこのアーキテクチャは複雑さを軽減し、開発サイクルを短縮。設計の初期段階からモジュール化を取り入れ、新たなバッテリーにも対応できるようにした。

今回、将来を見据えたテクノロジーである全固体電池を導入したこともトピック。高いエネルギー密度によって、より小さな容積に多くの電力を蓄えることが可能になり、航続距離の延長とバッテリーの小型化の両方に貢献する。ファクターリアル・エナジー社との共同開発による全固体電池セルは、RCZ ビジョンが目指す性能に合わせて最適化された。

全固体電池は高いエネルギー密度に加え、優れた充電性能と出力性能も実現。1000Vの電気アーキテクチャーを基盤とし、充電の高速化とユーザーの使い勝手が大幅に向上した。例えば、充電時には、わずか10分でバッテリー残量を10%から80%まで引き上げることが可能になった。

独自のクリアディスプレイを採用

フル電動コンセプト「プジョー RCZ ビジョン」のインテリア。
コクピットには、完全に表示をオフにできる透明なマイクロLEDディスプレイが導入された。

プジョー RCZ ビジョンには、「ハイパースクエア」ステアリングコントロールと透明なマイクロLEDディスプレイを組み合わせた、次世代プジョー「i-Cockpit」が先行搭載された。ディスプレイ数を増やすトレンドに対し、プジョーはあえて異なる道を選んでいる。

プジョー「i-Cockpit」の象徴的なレイアウトはそのまま維持。 ハイパースクエアのすぐ上に配置されたクリアディスプレイは、ドライバーが必要とするあらゆる情報を視線の先に直接表示する。さらに視界を妨げることなく、これまでにないレベルのカスタマイズにも対応する。

縦向きに配置されたフローティング式センターディスプレイは、人間工学に配慮してドライバー側へわずかに傾けられた。インフォテインメントやナビゲーションシステムの各種設定には、このディスプレイからアクセスする。プジョー独自のクリアマイクロLEDディスプレイは、必要に応じて情報の流れや表示内容を自由に設定可能となっており、ほぼ完全に表示をオフにすることもできる。

透明な構造によって、ディスプレイは視界からほとんど消え去り、ダッシュボードから不要な視覚的要素を取り除いて、よりすっきりとしたデザインを実現。視覚的な注意散漫を抑えることで、ドライバーは道路に集中し続けることができる。必要な情報は、ステアリングのハイパースクエア上部のディスプレイに引き続き表示される。

将来のプジョーを予告する室内空間

フル電動コンセプト「プジョー RCZ ビジョン」のインテリア。
ウェルビーイングなプジョー RCZ ビジョンの室内空間は、将来のプジョーのフラッグシップモデルを予告しているという。

インテリアは、将来のプジョー製フラッグシップモデルのキャビンを予告している。明るく、心地よく包み込まれる空間としてデザインされたキャビンは、シンプルさが生み出すエレガンス、高度な技術的洗練、そして感情に訴えかける温かみを融合させた。テクノロジーは自然かつ控えめに組み込まれ、パッセンジャーのウェルビーイングを重視し、親しみやすく落ち着いた雰囲気が保たれている。

ダッシュボードは、不要なコンポーネントを排除することで、室内空間を最大限に活用。エアベントは可動式で、使用しないときにはダッシュボード内に格納される。エレガントなフローティング式センターコンソールには、複数の物理スイッチを集約。ドライブモードや空調などを操作するスイッチは、アルミニウムから精密に削り出され、印象的なフロストガラスの表面に配置された。

シートは、グランツーリスモらしい雰囲気を生み出し、高い快適性とホールド性を提供。 非対称構造によって、車両中央側のサポート性を強化している。横方向のホールド性を高めると同時に、フローティング式センターディスプレイを保護するために導入された。また、シートバックには開口部が設けられ、乗員の快適性を損なうことなく軽量化を図っている。

流麗なクーペながらも、4座の専用キャビンを確保。リヤシートへの乗り降りも簡単で、大人2人が快適に座れる空間を実現した。さらに後席の背もたれを倒すことで、ラゲッジスペースを拡大することも可能だ。内装にはアルカンターラと革新的なリサイクル「ペリノヴァ」レザーを採用。明るいライトブルーを基調とした配色によって、開放感をさらに高めている。

「プジョー RCZ ビジョン」を動画でチェック!

フル電動スポーツ「プジョー E-T16 E-T16 コンセプト」の走行シーン。

「現代に蘇ったグループBラリーカー」フル電動「プジョーE-T16コンセプト」をワールドプレミア【動画】

プジョーは、世界ラリー選手権(WRC)でチャンピオンに輝いた伝説的な「205 T16」をオマージュした「プジョー E-T16 コンセプト」を現在開催中のパリ・モーターショーで初公開した。デザインは次期「E-208」を予告し、3モーターにより最高出力816PSを発揮する。