TOYOTA GAZOO Racingは、「セリカ」の復活やミッドシップエンジンの「MR2」後継車など、大きな計画を掲げ、今後数年間で多くのスポーツカーを導入するとみられる。これらの強力なスポーツカーが発売されれば、GR86が不要と思われる方もいるかも知れない。しかし、トヨタは手頃な価格のFRスポーツクーペを廃止する予定はなく、すでに新世代が開発中だという。

初代86は2012年にデビュー。2021年まで9年のロングセラーとなった。第2世代は2021年10月に発売。「GRスープラ」「GRヤリス」同様のグローバルモデルとして「GR86」へ改名された。このタイムラインからすると次期モデルは2020年代終わり頃に登場すると思われるが、早ければ2027年に発売される可能性がありそうだ。

スバルと共同開発された先代までとは異なり、次期型はトヨタの完全自社開発となる予定。スポーツカー市場の縮小とGRのラインナップ拡大を考えると意外だが、マツダとの業務資本提携を活用し、マツダからエンジニアを投入、プロジェクトに関与している可能性があるという。

最新情報によると、次世代86はその人気を不動のものにしてきた、おなじみのフロントエンジン+リヤ駆動レイアウトを維持しながら、新しい軽量プラットフォーム上に構築される。実はトヨタはミッドシップエンジン構成の構想を一時検討したが、最終的にはその計画を撤回してより伝統的なアプローチにこだわることにしたようだ。

注目のパワートレインだが、トヨタ自社開発なら当然スバルの自然吸気2.4L水平対向エンジンは廃止され、トヨタエンジンに切り替わる。現段階では、GRヤリスとGRカローラに搭載されている、G16E-GTS型1.6L直列3気筒ターボエンジンが最有力で、最高出力は304psに達する。

おそらく、トヨタは後輪駆動の特性をそのまま維持することに注力しているようで、AWDの可能性は無いと予想される。しかし、ハイブリッド技術が導入される可能性は排除できないだろう。直列3気筒エンジンにハイブリッドアシストが装備され、パワーと効率の両方が向上する可能性がある。
そして、次期型で検討されているもう1つのオプションは、2025年の東京オートサロンでミッドエンジンのGRヤリスMコンセプトでデビューした、トヨタの氏開発2.0L直列4気筒ターボチャージャーエンジンだ。このエンジンは、セリカとMR2の今後の後継車に搭載されると予想されており、最も基本的な公道走行形式で300psを発揮する。
エクステリアデザインは、フロントウインドウの傾斜を強め、サイドウィンドウを一体化させたデザインでよりスポーテイに。ボンネットからサイドにかけたフロントタイヤハウスの膨らみや、リヤ周りの膨らみでボデイラインにボリューム感をもたせた。ヘッドライトは、「逆ハンマーヘッド」デザインで、二段型LED内蔵、アンダーグリルもさらにワイド化させた迫力あるものに変更するなど、過去モデルと比較してかなり攻めたデザインが期待出来そうだ。ボディサイズは全長4300mm、全幅1800mmとロング&ワイド化される反面、全高は1310mmから1300mmへと低くしたシルエットが予想されている。

キャビン内では、フルデジタルインストルメントクラスターとシームレスなスポーツデザインの採用が噂されており、2+2の座席レイアウトを維持するだろう。
GR86は、スープラ次期型、セリカ、MR2の中でも最も手頃な価格となる。マツダのエンジニアがこのプロジェクトに関与するにしても、市場では「ロードスター」最大のライバルとなりそうだ。







