モントレー2025、モリゾウチャレンジカップ参戦報告です!

2025年6月7~8日に行なわれた2025年JAF全日本ラリー選手権 第4戦「FIA International Rally 加勢裕二杯 MONTRE 2025」。
前戦の奈良(YUHO Rally 飛鳥 supported by トヨタユナイテッド奈良)に引き続き田部井翔大選手とタッグを組み、CUSCO Racingからモリゾウチャレンジカップ(MCC)に参戦させていただきました。
前戦とペアは変わらないのですが、マシンは別物。奈良ではDAT(Direct Automatic Transmission)でしたが、今回は GRヤリス前期で参戦させていただきました。

【全日本ラリー選手権 MORIZO Challenge Cup】
Car No.32
クラス:JN-2 Class MORIZO Challenge Cup
参戦車両名:CUSCO WinmaX DUNLOP GR Yaris
ドライバー:田部井翔大(たべい しょうだい)選手
コ・ドライバー:梅本まどか(うめもと まどか)選手
モリゾウチャレンジカップ練習会とモントレーのレッキで気分上げるよ!
奈良のラリーから3週間後にはモントレーというスケジュールで、なかなか練習する時間がありませんでしたが、MCC(モリゾウチャレンジカップ)練習会が行なわれたり、田部井選手と連絡をとったりと、本番に向けて準備を進めていました。

MCC練習会では本番車がモントレー直前ということで使用できませんでしたが、田部井選手がお世話になっている方からGRヤリスを借りてきたことで、当初ペースノート練習のみの予定でしたが林道テストもできました!「走っておきたくて借りてきました♪」と当日、笑顔で話す田部井選手から「奈良の結果では満足できない、地元は頑張りたい!」という気持ちが溢れていました。

ラリーモントレーは群馬県で行なわれるラリー。CUSCO Racingさんのホームグラウンドでもあり、田部井選手の地元でもあります。田部井選手は今まで群馬県戦に参戦していたり、地元ということで慣れ親しんだ道も多く、オフィシャルさんやエントラントの方もほとんどが知り合い。みんなに「田部井ちゃん、緊張すんなよー!」、「田部井先生、頑張って!」と沢山エールをもらっていました。

私自身も奈良は初めて走る道でしたが、今回はほとんどが走ったことのあるSS(スペシャルステージ)。しかも、去年はあの”碓氷峠”でリタイアしてしまい、1度もサービスに帰ってくることができず悔しい想いをしたラリーでもあるので、リベンジするぞ!と意気込んでいました。

アイテナリー(スケジュール)を見ると去年よりSSの数が減っていたり、距離も直前に道の陥没の影響で短くなっていたことから「え!? 短い」と思わず声が出るほどでした。
去年はSS10本・SS総距離106.22kmでしたが、今年はSS8本・SS総距離68.56km ・トータル距離598.17km。

去年は1日目のお昼のサービスでランプポッドを取り付ける車両が多く、その様子も注目されていましたが、今年は半分以上の台数が日が落ちる前にSSを走りきれそうというスケジュールになっていました。レッキ(事前下見走行)の日も去年は夕方まで行っていてバタバタでしたが、今年はお昼頃には終わりゆとりがもて、しっかり動画チェックをして「準備ができた!」、そんな印象でした。

レッキの日にサービスに戻ると既にテントなどが準備されており、CUSCOのサービスの場所にはモントレーのタイトルにもなっている加勢裕二さん(ラリードライバー/キャロッセ・クスコ創業者/2003年3月29日逝去)のブースもつくられていました。
いよいよ本番スタート! 暑い~
今年のモントレーはレッキ日から晴天で暑く汗だくになるくらいの気温でした。

私たちは32号車ゼッケンでしたがスタートは41番目。今回は80台のエントリーだったのでちょうど半分といった出走順。MCCの中でもこれまでの成績で出走順が分かれていて、私たちは後半グループでした。

前車は田部井選手がお世話になっているCHIGIRA MOTORSPOTS の方々で、お話しできるのは少しリラックスに繋がっているように見えました。ドライバーの小倉基宏選手もコ・ドライバーの林浩次選手も「田部井ちゃん、いいところで抜かしちゃってね!」と、以前も前後で走ったことがあるそうでそんな会話もしていました。
ラリーでは出走前後がクラス混合になるとこういったことも起こります。“タイムトライアル競技だから関係ない!”と思われる方もいると思いますが、前後がどんなドライバーか、自分が走るまでにどんな車両、どんな人たちがいるのかも情報を入れておくといいのです。

SS1はこのラリーで1番長く14.04kmある「Yokura Touge(与倉峠)」。「ここでリズムをつかむこと、まず1本目なので落ち着いていく」と話し合いスタート。ペースもリズムも作りやすく、DATの時よりいい感覚で走れていました。
前半から中盤までは道も走りやすく、中高速といった感じ。後半は道が狭く荒れてくるというSSでしたが、半分の7kmくらいのところで前車に追いつき、中々抜ける場所がなく少しロスしてしまいました。が、広いところで譲ってもらいそこからもいいペースで走ることができ、MCC5位でフィニッシュ。
「いいスタートがきれた気がする!」そんな感覚でした。
いよいよ話題の旧碓井峠!
SS2はいよいよ「Old Usui Touge1(旧碓井峠)」9.10km 。2車線のSSで、イニシャルDでも有名なあの峠です。ここはギャラリーステージにもなっているのでドライバーはみんな楽しみにしているSSです。私は去年ここでリタイアしてしまったので「落ち着いてしっかり読む」と意識してスタート。

レッキの時は1車線しか使うことができないのと、意外と路面のグリップが悪く綺麗なのにグリップしない不思議な感覚に戸惑います。
元々情報は入れていてもやっぱり思っていたのと違うことへアジャストしきれず、MCC10位になってしまいました。
土曜日は残りあと2本。もう一度と意気込みSS3 Old Usui Touge2を走りましたが、やはり上手くいかずモヤモヤとする展開に…。

SS4 Yokura Touge2は同じSS1のフィーリングがよかったので「その調子で行こう!」、「碓氷峠は特殊でもあるので忘れて挑もう!」とスタートしたのですが、アグレッシブに行き過ぎてしまい、1kmの所で左リアタイヤをバーストさせてしまいました。
この時間は薄暗くなり、気温もぐっと冷え込み、しばらくはリカバリーしながら走れていましたが次第にフロントガラスが曇り、デフロスターを押したかったのですがシートベルトをしている状態から私の手の長さでは届かず…。
田部井選手にも申し訳ない気持ちもありながらも「集中して、絶対帰ろう!」と話し、何度もヒヤッとする場面がありましたが、田部井選手のドライビングテクニックでなんとかフィニッシュ。広いところまで出てすぐにタイヤ交換をしました。奈良で練習しておいた甲斐があり、そこまでロスせず、ゆとりをもって戻れたのでよかったです。

この後はサービスがあるのでメカニックさんにすぐに状況を伝えて、45分のサービスで修復と各部チェックしてもらいました!

DAY1終了、気持ちを切り替えてDAY2へ挑むよ!
しっかり直してもらったので気持ちを切り替えて、車両へのダメージがない走りを心がけ走れるように翌日のノートチェック。

実は1日目を走り終えて車両をパルクフェルメに入れるのですが、そこでもたくさんの方に「たべいちゃん、明日も頑張ってね! まだまだだよー!」と声をかけられていました。群馬の方にも愛されていますが、仲良しの奥井優介選手(CUSCO Racing)や米林慶晃選手(KTMS Rally Team)も「おい、バズどうしたんだよ!?」とみんなに心配されていました。愛されキャラの田部井選手です♪
日曜日のDAY2は順位を気にしてもなかなか挽回は厳しいので「しっかりと走り切ること! MTでは初参戦になるのでペースを知り、いろいろ試してデータを貯蓄すること」を目標に走ることにしました。

日曜日1本目SS5のShionosawa Touge1(塩ノ沢峠)は4.05kmと短いSS。あっという間に終わってしまった印象で、もう少しリズムを掴むためにも走りたかったな…という感覚でした。
でも、昨日の午後の感じに比べれば気持ちを切り替えていいスタートはきれたかな!という感じ。MCCでも6位とまずまずな順位でした。
2本目SS6はNostalgic Dojo1 7.09km。ここは今までも走ったことのあるSSですが、私はあまり好きな場所ではなく、ちょっとリズムがとりにくい印象…。でも、そんなこといってはいられません。いいスタートが切れたのでこのままリズムを掴みたいと思っていましたが、田部井選手も道と仲良くなれず、モヤモヤしていました。

SS5とSS6の2本を走ったので、次が最後のサービス。何が悪いのか、なんでこんな走りなのかと少しナーバスになってしまったのですが、もう最後のサービスなので何かしたいと少しセッティング変更し、残りの2本頑張ることに!
しかし、セッティングが外れてしまい2本ともタイムダウン。かなり悔しい結果になってしまったのです。もっとできたことがあったなとか、振り返るとあの時あの言葉をかけていたらとか、終わると反省点が沢山でてくるのですが、これが結果。
実は田部井選手とはこれがラスト参戦だったので、全部はムリでも1本は気持ちよく走りたいと思っていたのですが、それも叶わず。私にとってもホントに悔しいラリーとなりました。
結果は残念だけど、実り多き2025モントレー

悔しい結果ではありましたが、もちろん得たものもあります。日曜日の午後にはマシンにダメージを与えないような走り、というところではいいフィーリングを得られたり、レッキの時に改善できたことも多かったのです。
ラリーが終わってからCUSCO Racingのメカ長・渡部さんともデータや動画からアドバイスをいただき、課題もはっきり明確になりました。私のMCC2025は最後でしたが、田部井選手は今シーズンの残りも全部ではありませんがMCCに参戦します。他の選手より参戦開始が遅れたのもありますが、後半はたくさん参戦する予定なのでこらからの活躍が楽しみです!
一緒に参戦できないことや、今回力になれなかったことが悔しいですが、私も負けないくらい力をつけられるように頑張ろう!と思います。
次戦は北海道へGO!

次戦、私は今年メインで戦う「XCRスプリントカップ北海道Rd.3ラリーカムイ」(2025年7月4~6日)に番場彬選手とハイラックスで参戦です。久しぶりのグラベルラリー頑張ります!!!