ハリアーは改良でシートヒーターが標準装備化!ZR-Vはクリア塗装が強化


ボディサイズはハリアーの方が全長で200mmほど長く、全高は40mm高い。しかし両車の後席空間は膝周り/頭上空間ともに同じくらいだ。 後席の乗降性は、リアドアの開口面積が広いハリアーの方が乗り込みやすいが、着座位置がZR-Vに比べて高めとなっているため身長によってはやや乗り込みに苦労する。ただし、後席にリクライニング機構が備わる点は明らかにハリアーがリードする部分だ。
荷室寸法はハリアーが奥行き985mm×幅1005mm×高さ700mm、ZR-Vが890mm×1030mm ×750mm。荷室最大長はどちらも2000mmほどとなっており、RV-Zは200mm短い全長にもかかわらずハリアーに劣らない室内空間を備えている。
ハリアーは今回の改良でボディカラーが全8色から全4色となり、内装色はグレーが廃止されるなど販売状況を考慮したグレード整理が行われた。
その一方で、トヨタセーフティセンスが最新バージョンにアップデートされ、一部機能に歩行者検知機能を追加されたほか、ブランドスポットモニターも機能向上を果たしている。もっとも嬉しい変更点は、これまで本革シート仕様の高額な「Zレザーパッケージ」を選ばなければ装備されなかったシートヒーターとステアリングヒーターが全車標準装備となった点だろう。
ZR-Vの方は、5月の改良でボディのクリア塗装が強化された。ホンダ車で採用が拡大されている新クリア塗装は従来に比べ1.5倍以上の耐久性を備えるうえ、ボディの艶感も高まっているとのことだ。
なお、ハリアーのZおよびZレザーパッケージベースとした特別仕様車「ナイトシェード」も、ZR-Vの「ブラックスタイル」もエクステリアにブラックの専用装飾を施したモデルであり、性能や車内機能等はベースグレードと同じだ。
トヨタ ハリアー ハイブリッドZ Night Shade
ボディサイズ=全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1680kg
タイヤサイズ=225/55R19(前後)
ホンダ ZR-V e:HEV Z BLACK STYLE
ボディサイズ=全長4570mm×全幅1840mm×全高1620mm
ホイールベース=2655mm
車両重量=1580kg
タイヤサイズ=225/55R18(前後)
ハリアーはラグジュアリーSUV直球の乗り味!ZR-Vはスポーツ寄り


ハリアーのパワートレインは、2.5Lエンジンと最高出力120ps/最大トルク202Nmのモーターを状況に応じて使い分けるシリーズパラレルハイブリッドの「THS-II」だ。
ZR-Vは2リッターエンジンを発電機として使用し、最高出力184ps/最大トルク315Nmのモーターで駆動するシリーズハイブリッドをベースとして、高速域ではエンジン動力を使って走行可能な「e:HEV」となる。両車とも、今回の改良でパワートレインやシャシーなど走行に関する部分に変更は受けていない。
出足の加速は車重が100kg軽く、モーターの最大トルクで上回るZR-Vが優れるだろう。高速域ではハリアーの大きなエンジン排気量のメリットがより顕著に現れるはずだ。WLTCモード平均燃費はハリアーが22.4km/L、ZR-Vが20.0km/Lとなっており、排気量区分で1クラス上となるハリアーの方がほとんどの速度域で燃費性能に優れる結果は「THS-II」の効率のよさを物語る。
パワートレインやシャシーがシビックと共通となるZR-Vは、低めの全高やシートポジションも相まって明確にスポーティな乗り味だ。アクセルペダルを踏み込めば心地よいエンジンサウンドが聞こえるが、ハリアーに比べてロードノイズや外界音はやや大きめとなる。ZR-Vとの比較では、ハリアーのラグジュアリーSUVらしい乗り味がとくに際立つ。
トヨタ ハリアー ハイブリッドZ Night Shade
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=178ps/5700rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)
ホンダ ZR-V e:HEV Z BLACK STYLE
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1993cc
最高出力=141ps/6000rpm
最大トルク=182Nm/4500rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
値上げ幅は大きいもののグレード選びがしやすくなった改良新型ハリアー


「ハリアー ハイブリッドZ ナイトシェード」の価格は487万800円、「ZR-V e:HEV Z ブラックスタイル」は438万4600円と大きめの価格差がある。
今回の改良でハリアーのガソリンモデルとハイブリッドモデルは、15万円前後値上げされた。「Zレザーパッケージ」および「Z」をベースとする特別仕様車「ナイトシェード」は約10万円アップとなる。ZR-Vは新クリア塗装に変わったことで約7万5000円の値上がりとなり、特別仕様車「ブラックスタイル」はベースグレードから約15万円アップだ。
ベースグレード同士の価格は「ハリアー ハイブリッドZ」が477万700円、「ZR-V e:HEV Z」が423万5000円となる。価格を考慮すればハリアーと同等の室内空間と燃費性能を備え、装備も充実しているZR-Vの買い得感は高い。
ハリアーの値上げ幅は確かに大きいが、シートヒーターとステアリングヒーターが全車標準装備となったことで「Zレザーパッケージ」に対する下位グレードの魅力が大きく増している。
車両本体価格430万1000円となる「ハリアー ハイブリッドG」なら「ZR-V e:HEV Z」の価格に並ぶ。ハリアーは今回の改良によって、Gグレードから特別仕様車「ナイトシェード」まで希望通りのグレートが選びやすくなった。
車両本体価格
トヨタ ハリアー ハイブリッドZ Night Shade:487万800円
ホンダ ZR-V e:HEV Z BLACK STYLE:438万4600円