BYDのSDV開発で何ができるようになる?
BYDは、同社の最新技術が分かる「BYDバッテリー&SDV勉強会」をプレス向けに開催した。超高速充電など、EV最新プラットフォーム「Super e-Platform」や「SDV(Software Defined Vehicle)」などが主なメニューとなっていて、ここではBYDが進めるSDVについてピックアップする。

クルマのみならず、モビリティ全般で急速に使われ始めた「SDV(Software Defined Vehicle)」は、「ソフトウェアによって定義されるクルマ」と訳されることが多い。SDVで先行しているテスラをはじめ、トヨタも新型RAV4でソフトウェアを開発するためのプラットフォームである「Arene(アリーン)」を軸に、SDVの開発を推進するとしている。


SDVがユーザーに与える価値は多岐にわたっていて、SAEによる自動運転レベル(0〜5)のようにレベルを定義しているグループなどもある。

BYDの勉強会では、「OTA(Over The Air)」に注目。一般的にOTAは、カーナビや自動運転機能など通信機能(無線)でソフトウェアをアップデートすることにより、既存車の価値を上げていく、と表現されることが多い。BYDでは通信機能(車載SIM)を使いソフトウェアの更新、改善、機能追加などが可能になるとしている。

BYDでは、すでにOTAによるアップデートを開始している。たとえば、ATTO3では、販売開始翌年にユーザーからの声に応じて、マルチメディア(インフォテイメントシステム)関連では、「音声によるナビゲーション操作」、「カラオケ」、「ブラウザ」、「Amazon Musicのアプリ追加」、「BYDアシスタントに音声言語の追加」を盛り込んだ。デイタイムランニングライトのマルチメディアコントロールパネル「PAD」にオフスイッチも追加している。指3本で「PAD」をタッチすることで、どの画面でもエアコンの温度や風量設定が可能になるなど、ユーザーならではの声が反映されている。OTAアップデート時には、「PAD」にお知らせ機能を表示する。

BYDのOTAアップデートは、国際規格に準拠していて、適合証明も取得済み。より広範囲のOTAを安定的に実現するための構成部品としてECUを統合化し、ドメインコントロールに集約する。BYDでは、コクピット、パワー、運転支援、ボディなどのOTAアップデートを想定している。車載OSの採用とインターフェイスの標準化などにより、制御系にもOTAが可能になるという。
