BMW X5のプロトタイプはこれまでドイツや北欧で何度か撮影してきたが、インテリアをじっくりと見ることはできなかった。しかし、キャビンの写真を数枚撮影したことで、ついにその状況が変わった。

インテリアの大部分は黒い布で覆われているものの、パノラミックiDriveが搭載されることがわかる。これは大きな転換点だろう。従来のインストルメントクラスターが、フロントガラス下部に配置されたピラー・トゥ・ピラーの細長いディスプレイに置き換えられたのだ。

BMWが公開している公式フォトでは、ディスプレイは3つのセクションに分かれており、ドライバーの正面にはデジタルインストルメントクラスターがあり、さらに最大6つのウィジェットでカスタマイズ可能な2つのエリアがある。

これらのウィジェットには、コンパスや天気予報ウィジェットから、オーディオやナビゲーション情報を表示するウィジェットまで、あらゆるものが含まれる予定だ。また、Gメーターや現在のパワーとトルク出力の表示といった、パフォーマンス関連のウィジェットも搭載される。

その他、ツートンカラーのコントラストステッチが施された新しいステアリングホイールも装備されている。ステアリングホイールにはiDriveコントローラーの代わりになるハプティックボタンが搭載される。

スパイショットではそのほか、角張ったセンターディスプレイも装備されていることがわかる。インフォテインメントシステムは、より高度なパーソナライゼーションを実現するオペレーティングシステムXを搭載。また、大規模言語モデル(LML)を活用し、ドライバーがより自然な会話を可能にする、改良されたインテリジェントパーソナルアシスタントも搭載される。

さらに、下向きに傾斜したアームレストを備えた新しいドアパネルが垣間見え、アームレストの前面には、ミニマルなスイッチ類が並んでいるようだ。

エクステリアは、いまだ偽装が厳重だが、ノイエ・クラッセXコンセプトを踏襲した大胆な新デザインを採用しており、その結果、グリルとヘッドライトのデザインが刷新されるだろう。

リヤには、大型の下部インテークと4本出しのエキゾーストシステムも確認できる。これらに加え、カラフルなステアリングホイールのアクセントがあることから、新型X5 M60iと見ていいだろう。

次期型では、ノイエ・クラッセの機能を一部取り入れたCLARプラットフォームの改良版を採用すると予想されている。パワートレインには、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド、水素、そして電気自動車のオプションが用意される予定で、航続距離を約621マイル(1000km)に延長したレンジエクステンダー版「iX5 Rex」が登場するという噂もある。

次期BMW X5(G65)は、2026年末にサウスカロライナ州スパルタンバーグで生産が開始される予定となっている。