各地へ取材で走り回っているXK8クーペ。

購入してすぐに40万円もの出費になった我がジャガーXK8。中古車の修理にこれだけの金額をかけるのは正直なところ賢いとはいえない。過去に中古でアルファロメオ164に乗っていた時、パワステが壊れて修理すると部品代だけで40万円必要と言われ手放した苦い経験がある。当時はそこまでの価値を164に見出していなかったともいえるが、XK8だと話が違う。

それだけの価値があると思っているし、修理後の走りに感銘を受けている。なんとも良いクルマなのだ。だからというわけでもないが修理後、取材のためすでに1500キロ以上走っている。上写真は静岡県磐田市まで往復した際、途中で立ち寄ったパーキングエリアでのもの。ボンネットに花粉が堆積してみっともないのだが、洗車しても翌日には変色しているから諦めている。

ちなみに普段使いするクルマとして気になるのが燃費ではないだろうか。上写真の時は高速主体でリッター当たり10キロちょっとの燃費だった。ところが都内や街中などをノロノロ走っているとリッター当たり6キロを割る。一般道ばかり走っていると、燃料計の針があっという間に下がってくるのが玉に瑕だ。

魅力溢れるインテリア

XK8の魅力溢れるインテリア。

スタイルはジャガー歴代モデルで最も好きなデザインだから当然お気に入りなのだが、XK8の魅力はインテリアにも感じることができる。コノリーレザー特有の光沢と匂いはジャガーらしさを感じる部分で、ウッドパネルとの組み合わせにより強くイギリス車であることを感じる。ただ、良いことばかりではない。年式相応に傷んでいる個所があちこちにあるのだ。そこで今回はお金をかけずに直してみようと思う。

シートのサイドサポートが傷んでいる。

フロントシートは左右ともに乗り降りで傷んでしまうサイドサポートにひび割れが発生している。さらに購入時は運転席座面の変色が激しく、なんとか写真の状態まで掃除により戻した。本格的に直すとなると費用がかかるため、ひとまずシートのひび割れには目を瞑り別の個所に対処しよう。

決して手を出してはいけない!? 禁断の中古ジャガーを買うとドロ沼にハマるのか? 【XK8購入記 Vol.1】

中古ガイシャのなかで手を出してはいけない筆頭のように例えられるのがジャガー。曰く「壊れる」「修理代が高い」などなど、すでに都市伝説のように語られている。でも果たしてそうなのか? ここでは筆者自ら清水の舞台から飛び降り、人身御供となって中古ジャガーの真実を探ってみる。 PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)

https://motor-fan.jp/mf/article/122012/

アームレストは互換性あり!

変色かつひび割れ多数のアームレスト。

写真で見るとそうでもないように思われるかもしれないが、センターのアームレストは変色が激しくひび割れも多数ある。おまけにドリンクホルダーのラッチが緩んでいるのか、少し衝撃を与えただけで勝手に開いてしまう。しかも開く時の音が盛大かつ瞬時に飛び出してくるため運転中になると少々驚いてしまう。これは何とかせねばと考えていたところ、先日エンジンのオイル漏れや足回りの刷新をお願いしたJ-Gear Labの長澤さんに良いことを聞いた。

X300系XJ6のアームレストを買ってみた。

長澤さんもXK8コンバーチブルを所有されているので、どうなっているか拝見したところ、何か違和感がある。微妙にアームレストの色合いが違うのだ。そこで質問してみると「X300系の部品に変えてます」とのこと。なんとXK8とXJ6で互換性があるというのだ。しかも「X300系のがクッションが厚くて疲れません」。これは良いことを聞いた。帰宅後ヤフオクで検索してみると、1万円少々でX300系のアームレストが多数出品されている。これは買うしかないでしょう。

手に入れたアームレストの裏側を確認。
XK8のものと見比べてみる。

実際1万円プラス送料で手に入れることができた中古アームレスト。到着したので早速取り付けてみよう。まずは裏側を比較して違う部分がないか確認する。ヒンジ付け根は2本のボルトでピッチも同じ。さらにサイドにつくアームの位置も同じように見える。これはもしや、何の加工もせずに付いてしまうのではないか? そう感じたので、早速ボルトを外して試してみた。

サイドのアーム付け根のボルトを抜く。
支持部のボルトを2本とも抜く。
加工なしでXJ6用アームレストを移植できた。

すると本当にボルトオンで入れ替えることができてしまった。いかがだろう、若干センターコンソールと色味が違うように感じるが、シートの色とほぼ同じため違和感はないはず。ドリンクホルダー部に若干シワが寄っているが、元のヒビだらけなものより数倍マシ。しかもドリンクホルダーを開くと音もなく、なおかつゆっくり開いてくれる。以前のガシャン!と派手な音を立て瞬時に開く状態に比べたら天と地ほどの違いがある。腕を置けば以前より確かに柔らかくて疲れなさそう。これは大成功だ!

禁断の中古ジャガーに手を出したら、想像以上の幸せが待っていた! 【XK8購入期Vol.2】

買って後悔すること間違いなしと言われる中古ジャガー。あえて令和の今、「ネオクラシック」とさえ呼べる古いジャガーを普段のアシに使うと、どのような現実が待っているのだろう。長年の憧れだったXK8を格安で手に入れた筆者自ら、ドロ沼にハマる様子をお伝えする第2回目はさらなる出費に泣かされることになった。 PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)

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100円均一ショップでDIY

助手席側のドアライナー。

アームレストの次に助手席のドアライナーに着手した。というのも購入時からセンター部分だけ浮いてしまっていたのだ。内部を確認するとセンター部材の裏に突起が接着され、ドア側の穴と結合されていた模様。というのも突起が見事になくなっていたため、推測するしかないわけだ。

突起となる部品を買って対処すれば理想的なのだろうが、もっとお手軽に直してみたい。ここはドアの修理時に開く必要があるため接着させてしまうわけにはいかない。だとするなら、簡単に剥がせるようにすればいい。そこで目をつけたのがマジックテープ。100円均一ショップに行けば、接着テープになっているマジックテープが売っている。これを貼り付ければいつでも剥がすことができるというわけだ。

センター部が一部浮いている。
100均のマジックテープを貼る。
なんとか収まってくれた。

写真のようにパッと見ただけなら100均で直したとはわからないことだろう。見えないところにマジックテープを貼っただけだから、見栄えに何の影響も与えない。応急処置ではあるが、ダメになったら同じことを繰り返せばいいと考えている。

マジックテープが大活躍!

サンバイザーのミラーカバーがダラリと垂れてしまう。
こちらも100均のマジックテープで対処した。

100均マジックテープをドアライナーにすべて使ったわけではない。実は左右のサンバイザーを下ろすと双方に付いているミラーのカバーがダラリと垂れてしまう。視野の妨げになるし、角度によっては内部のランプまで点灯してしまいそう。何かと不便なので、ここにもマジックテープを小さくカットして使ってみることにした。

ミラーとカバーの両面に小さく切ったマジックテープを貼ってカバーを閉じたところ、これも普通に固定できるようになった。根本的に解決したわけではないが、普段使いする時に困るわけではない。こんなことの繰り返しで不便なくXK8に乗れるのであれば、何も問題ないと考えている。