少なくとも今後数年は、BMW「M」サウンドを堪能できそうだ

BMW M5 V8エンジン

BMW MのCEO、フランク・ファン・ミール氏は、報道陣に対し、同ブランドのターボチャージャー付き直列6気筒エンジンとV8気筒エンジンは存続すると述べたようで、ユーロ7排ガス規制に適合させるためにエンジンを小型化することはないと断言した。さらに、また、2026年後半に施行されるユーロ7規制に適合させるためにエンジンをデチューンすることもないと付け加えた。

BMW M5

ますます厳しくなる排ガス規制は、E92 M3のS65 V8エンジンをはじめ、長年にわたり数々の優れた高性能エンジンの命を奪ってきた。しかし、BMW MのCEOは、少なくとも当面は、同社の現在のエンジンがそのリストに加わることはないと語っている。

同氏が、来たるユーロ7排出ガス規制とそれがMのエンジンに与える影響について議論していた際、Autocar誌の記者に対し、現行のターボチャージャー付き直列6気筒およびV8エンジンは安全であると明言、つまり、出力低下やダウンサイジングは絶対になく、「M5に4気筒エンジンを搭載するなんて想像もできません」とファン・ミール氏は同誌に語ったというから心強い。

ユーロ7規制は今年の施行予定から延期され、2026年11月から適用される。当初の提案よりも厳しくはないものの、自動車メーカーにとっては課題となることは間違いないだろう。排気ガス中の有害物質の許容レベルはユーロ6から変更されていないものの、車両はより広範な状況で規制を満たす必要があるため、実際の使用状況をより正確に反映するよう設計される必要がある。

また、このレベルを10年間、12万4000マイル(約20万km)走行しても維持する必要があるが、これは従来の要求の2倍相当だ。そのため、各メーカは、空燃比が最も効率的なラムダ1を維持することに、これまで以上に注力するようになっている。

「通常、高性能な状況では燃料を使って冷却します。しかし、ユーロ7ではそれが不可能なので、温度上昇を避ける別の方法を見つける必要があります」と、ヴァン・ミール氏は、7月に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでメディアに答えている。

そして、「もちろん、この温度上昇を避けるためには性能を落とすのが近道ですが、そうしたくはありません。それが私たちの出発点です」と結論を出している。

いずれにしても、今後数年は、BMW「M」サウンドを堪能できることは間違いないようだ。