40kWhバッテリーと95PSのモーターを搭載、航続距離は200マイル(320km)以上に
ルノーは現在、人気ハッチバック「トゥインゴ」後継モデルとなるEVバージョンを開発中だが、その市販型プロトタイプをスクープ班のカメラが初めて捉えた。

1993年春、ルノーはトゥインゴを発売、40kW(54PS)の1.3リットルOHVエンジンが搭載され、ドイツだけで50万台以上が販売された。2024年まで3世代にわたって販売され、その後生産終了となっている。

しかし、このルノーを代表するモデルが、トゥインゴの名称と初代トゥインゴのデザインを継承し、これまでで最も手頃な価格のEVとして発売されるのだ。
同ブランドは、レトロなスタイルと手頃な価格で、ルノー5 EVを大ヒットさせた。そして今、ルノーはサイズと価格を抑えたモデルで、この成功を再現しようとしている。ルノーは2024年、「トゥインゴ E-Tech エレクトリック」コンセプトカーを公開したが、今回、テスト走行中の市販型プロトタイプを撮影することができた。
新型トゥインゴは1993年の初代モデルを彷彿とさせる卵型のワンボックスハッチバックで、カエルのような目が特徴だ。しかし、初代の2ドアと唸りをあげるガソリンエンジンの代わりに、新型トゥインゴは実用的な4ドアレイアウトと機敏な電動パワートレインを搭載している。
5 EVの弟分となるトゥインゴは2026年発売予定で、価格は2万ユーロ(約340万円)を切ると予想されている。これは、最もベーシックなダチア・スプリングとリープモーター01よりもわずかに高価となり、中国のBYDが1万9990ユーロで発売するドルフィンサーフ、そして最終的にはVWのID.1と競合することになる。
写真に捉えられたプロトタイプからは、量産車がコンセプトカーの約束をほぼ忠実に守っていることがわかる。ホイールは各コーナーにしっかりと押し付けられ、室内空間を最大限に広げている。フロントガラスは初代トゥインゴと同様に後方に傾斜し、大きく膨らんだヘッドライトが、コンセプトカーと同様の親しみやすい印象を与えている。
助手席側フェンダーの大型充電ポートフラップは、コンセプトカーとは形状が異なり、反対側に配置されている。また、このテストカーには従来型のドアハンドルが装備されているように見えるが、ショーカーではフロントドアのスキンとCピラー横の上部ドアフレームに隠されていた。量産デビュー時には、これらのドアハンドルがコンセプトカーの位置に戻っていることを期待したいところだ。
今回はトゥインゴの車内を見ることはできないが、コンセプトカーには7インチのデジタルメータークラスターと、独立した10.1インチのフローティングインフォテインメントスクリーンが搭載されていた。トゥインゴE-Tech エレクトリックの技術仕様は明らかにされていないが、ルノー4と5に搭載されているAmpR Smallアーキテクチャの短縮版を採用する可能性が高いと見られる。
量産型パワートレインは、40kWhバッテリーと最高出力95PS/70kWのシングルモーターを搭載、航続距離は200マイル(320km)以上、0-62mph(100km/h)加速は約11秒となる見込みだ。ただし、最高出力122PS/90kWや150PS/110kWへのアップグレードもオプションで可能となる。名車トゥインゴは、EVでも人気を得ることができるのか、注目される。






