快適装備も充実、ターボならではの余裕ある走りもうれしい|オートワン・アコモ
軽キャンパーは多様だが、もっとも人気のあるのが“軽バンコン”のカテゴリーだ。軽バンをベースにしたもので、その車内空間を最大限に活かした居住性が特徴となる。
多くのモデルはノーマルのセカンドシートを活かしつつ、シートを収納した際のフラットスペースと荷室にインストールした床下収納を利用してベッドスペースにする。荷室のサイドにはシンクやキャビネットなどを配置していくのがスタンダードだ。こうした家具は比較的簡単に取り外すことが可能なモデルが多く、キャンパーとして使わない時は軽バンとしての活用が可能なわけだ。
しかし、マルチな利便性がある一方で、車中泊車としての快適性はどうしてもトレードオフとなってしまう。例えば、軽のキャブコンと比べると、居住性の差は大きくなる。どちらを取るかは、やはりユーザーのライフスタイル次第ということになる。

そんな軽バンコンの市場に、なかなかいい着地のさせ方をしているニューモデルが登場した。オートワン「アコモ」だ。このモデルの特徴は、ハイエースなどのワンボックスカーをベースにしたバンコンのような快適装備をインストールしていることだ。
例えば、ダイネット状態では運転席・助手席のシートバックを前に倒した状態をうまく使い、車内中央にテーブルを配置することで後部空間との対面状態を可能にした。もちろん、インストールしてある家具を外せば、床下に収納されたセカンドシートを使うことができる。
天井部両サイドに配置された間接照明や荷室部にあるキャビネットも、本格的なものが入っている。家具の中には、オプションの12Vエアコンを付けることも可能だ。

特筆すべきは、後部の構造。リアゲートを開けると木製の壁になっており、そこにオプションのスライドカーテン&網戸を入れられるのだ。車中泊を経験した読者の方ならわかると思うが、リアゲートを開けたまま寝られるというのは美点だ。25℃を超える熱帯夜はエアコンが必要だが、22℃程度であれば自然風が入る状態で寝た方が気持ちはいいのである。その際、虫の侵入だけは防ぎたい。だから、このようにリアゲートを開放しつつ、網戸が全閉できる仕組みが重宝する。

さらにアコモには、ポップアップテントを追加で装着することができる。これを付ければ2人分の就寝スペースがプラスできるだけでなく、車内はダイネットのまま使って、寝る時は上部に…という使い方が可能になる。寝る時にいちいちダイネットを崩さずに済むのは、常設ベッド付きのキャブコン並みの機能性ということだ。
ただ、ポップアップルーフを装着するとキャリア類は付けられなくなってしまう。軽キャンは車中泊に必要な道具を積むのに、いろいろと工夫がいる。単に荷物を積んでいくのは簡単だが、車内で生活をする際に、荷物をどこかに片付けなければならない。雨天の場合は、どこに置くかという問題に悩まされる。キャンパー選びをする際は、こういうシチュエーションも考えた方がいい。
ちなみにアコモの価格は311.08万円〜。かなりお手頃だが、基本的な装備、電装系以外はすべてオプション扱いになるため、エアコンやFFヒーターなどを付けていけば、乗り出し価格は400万円くらいになりそうだ。
アコモの魅力はその作りと言えるが、ベース車がアトレーRSターボなのも忘れてはならない。ノンビリと旅をするからNA車でいいという方は多いと思うが、動力性能の余裕は邪魔になるものではない。山道の多い日本では、特にそうだ。エブリイにもターボ車は存在するが、やはり設計の新しいアトレーの走行性能にはアドバンテージがあることも付け加えておきたい。
オートワン・アコモ
■車両本体価格:311万800円/展示車価格:311万800円
■ベース車両:ダイハツ・アトレーRSターボ
■乗車定員/就寝定員:4人/2人
■車体サイズ:全長×全幅×全高:3395mm×1475mm×1890mm




