キャンピングカー選びで必ず直面する「空間の悩み」と無縁だから快適|レクヴィ・ホビクル タウンランダーCT

日本の市場には様々な室内レイアウトと装備のキャンピングカーがあるが、皆さんはどういうポイントを購入の決め手にするだろうか。空間レイアウトだったり、室内の内装デザインだったりと人によっていろいろだと思う。もちろん、車両の大きさや価格ということもあるだろう。

キャンピングカーを初めて購入するのは、実はすごく難しいことなのではないかと思う。自分のライフスタイルを考慮した上で、慎重にモデル選びをしたとしても、後から「こうだったほうが良かったかな…」と思うことが大抵はあるからだ。まあ、マイホームに似ているかもしれない。

車中泊を日本で行うに様々な縛りがあって、欧米でオートキャンプをするのとは全然違う。日本ではオートキャンプ場やRVパークがどこでもあるわけではないし、至る所にある道の駅で仮眠をする場合には、マナー上、してはいけないことが多い。

だから自分が購入した愛車は万全だと思っていても、実際に車中泊をしてみると「思っていたのと違う」ということが必ずあると思うのだ。だから、購入にあたってはまず車中泊を経験してから…と思うのだが、すべての人がレンタカーを借りて予習できるわけではない。

かくいう筆者も、購入して使ってみてから“こうだったら良かった”と思うことがかなりあったし、“正解だった”ということもあった。今回は、“キャンピングカーあるある」をお伝えしつつ、レクヴィの「タウンランダー・ホビクル」を紹介していきたい。

レクヴィ・ホビクル タウンランダーCT

さて、車中泊の旅をしていると、自分の行きたいエリアに必ずしもオートキャンプ場やRVパークがあるとは限らない。場合によっては夜遅くなってしまい、とりあえず近隣の道の駅で朝まで休憩するということもあるだろう。

そんな時、サイドオーニングは使えないので車内だけが“居住空間”となる。車外が使えるなら、別に問題はないのだ。なぜなら、キャンプ用テーブルやチェアを出せるなら、カーサイドがくつろぎ空間になるからだ。これが車内だけだと、中でご飯の用意をして食べて、寝る時はダイネットを崩してベッドにするか、ベッドのままチャブ台や家具の上でご飯を食べるかになる。

ベッドのままでも気にならない人も多いと思うが、せっかくならダイネットとベッドは別々…というのが望ましいのではないだろうか。だが、そういった寝食分離の空間を得るには、ベース車のサイズという問題が出てくるわけだ。やはり軽バンベースのバンコンでは、ダイネットとベッドを両立するというのはなかなか難しい。

その上のクラス、タウンエースやNV200ベースでも同時にスペース確保ができるモデルは稀だ。でも、ダイネットとベッドが同時に存在することは、使い勝手の上ではメリットが大きいのである。子どもやペットが一緒の場合はベッドで遊ばせておいて、こちらはダイネットでゆっくりお酒…なんて使い方ができる。また、ダイネットからベッド、ベッドからダイネットに変える手間から解放されるだけで、毎日のストレスから解放されるのである。

というわけで、ホビクル タウンランダーだ。このモデルの特徴をひと言で表すなら「多様性空間」。タウンエースの車内という限られた空間を3Dで活用することで、それを可能にした。

まず車内だが、写真をご覧いただければと思う。セカンドシートは対面バタフライシートがインストールされており、停車時は後ろ向きにしてソファとして使うことができる。後部には高さ調整ができるフレーム「ベッドレールエクステンドライダー」が設置される。高さを任意に設定し、マットを置けば、ベッド、ベンチ、物置として自由に使うことができるわけだ。

ユニットタイプのシンクもワザありで、車内で水回りが必要なら積んでいけばいいし、少しでも収納スペースを稼ぎたい場合は自宅に置いていけばいい。

2列目のバタフライシートを後ろ向きにした状態。
これがベッドレールエクステンドスライダー。
ベッドレールエクステンドライダーを利用して、好みに応じて多彩なアレンジが可能となる。
コンパクトタイプのシンクは、取り外して車外に持ち出すこともできる。

このモデルはノーマルルーフ(タウンランダー)とハイルーフ(タウンランダーCT)があるのだが、注目はハイルーフだ。FRPトップによって室内高が上がることで(車高は+330mm)、上段ベッドを使用した際の圧迫感が大幅に減るのだ。上段ベッドは1400×1450mmのチャイルドサイズだが、このベッドがあるだけで子どもやペットとの時間はかなり充実するはずだ。セカンドシートを倒して荷室にマットを並べれば、大人用ベッドとして使うことができる。

ハイルーフ仕様の室内高は154cm。展示車は断熱・遮熱材のデモのため、天井部分がカットされていた。
上段ベッド
ソファベッドとリヤベッドマットを展開すれば、大人も寝られるスペースに。

この立体的な居住空間レイアウトは、従来のタウンエースがベースのモデルにはなかったもの。上段マットを外せば、フツーのタウンエースバンコンとして使えるので、様々なライフスタイルに対応してくれること間違いなしだろう。

ホワイトウッド調のインテリアやMOLLEシステム品対応のサイドモールシステム、ウォールポケットなど、レクヴィならではの趣味性の高い内装も健在だ。大人の秘密基地として、これほど魅力的な空間はない。

サイドモールシステムにより、ポーチなどを固定することが可能。

価格は419万3200円〜634万9200円。ノーマルルーフであれば、手頃な価格で入手できるが、電力系を充実させたいならポータブル電源を用意する必要があるし、オプションでFFヒーターやパーキングクーラーも欲しくなるだろう。となると、乗り出しは500万円強といったところだろう。

くどいようだが、キャンピングカーを選ぶ際は、ぜひ同時にふたつの空間が実現できるかということを考慮した方がいい。我がキャンピングカーは愛犬とワンルームの万年床生活だが、ベッドとダイネットが別だったらいいな…と思うことが多々あるから。

レクビィ・ホビクル タウンランダーCT

■車両本体価格:634万9200円/展示車価格:725万6700円
■ベース車両:トヨタ・タウンエース バン GL
■乗車定員/就寝定員:5人/2人
■車体サイズ:全長×全幅×全高:4065mm×1665mm×2330mm