標準モデルを選ぶなら使い勝手に差はない




ピクシストラックでは、ハイゼットトラックに用意される「ハイルーフ」や座席後方に荷室スペースを確保した「ジャンボ」が選べない。しかしそれ以外の違いはなく、標準モデルを選ぶのであれば装備から価格までハイゼットトラックと同じであり、単純に販売元が違うだけと考えてよいだろう。
ピクシストラックとキャリイのボディサイズはほぼ同等であり、荷台寸法も長さ1940mm×幅1410mmと同じだ。ただし、あおりの高さはキャリイの方が5mm高く、荷台地上高はキャリイの方が10mm低い650mmとなっている。最小回転半径はどちらも3.6mだ。
軽トラとしての基本的な使い勝手の比較では、両車に大きな差はない。そのため、選び分けるポイントは、デザインや細かな装備の違いと価格となる。ベースグレードの装備はキャリイが充実しているのに対し、ピクシストラックは快適装備の充実度で劣る代わりに価格が安いという特徴がある。
しかし中間グレード以上では装備の差も少ない。両車ともに農業の現場で必要な機能を装備しながら価格を抑えた仕様が用意されており、ピクシストラックの「スタンダード“農用スペシャル”」と、キャリイの「KCエアコン・パワステ農繁」の基本性能や装備は同等と言ってよいだろう。
ピクシストラック スタンダード“農用スペシャル”
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1780mm
ホイールベース=1900mm
車両重量=830kg
タイヤサイズ=145/80R12LT(前後)
スズキ キャリイ KCエアコン・パワステ農繁
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1765mm
ホイールベース=1905mm
車両重量=780kg
タイヤサイズ=145/80R12LT(前後)
パワートレインの大きな違いは燃費性能とATモデルの性能差


両車はエンジンスペックやパワートレインにも大きな差はない。
ピクシストラックの「スタンダード“農用スペシャル”」、キャリイの「KCエアコン・パワステ農繁」ともに、5速MTモデルにはローギヤへ切り替えることで高い駆動力を得られる2段変速の複変速機が備わっており、駆動方式はパートタイム4WDのみの設定となっている。
リヤのリーフスプリングを1枚増やして耐荷重を増やし、不整地でトラクションを稼ぐためのデフロックを搭載している点も共通であり、走行性能にも大きな差はないと言えるだろう。
大きな違いと呼べるのは、燃費性能とオートマチックトランスミッションの違いだ。それぞれMTモデルのWLTCモード平均燃費はピクシストラックが15.6km/L、キャリイが18.7km/Lとなる。キャリイにはアイドリングストップ機能が搭載されているが、それだけの違いでは説明できないほど大きな燃費差となっている。
また、両車のオートマチックトランスミッションは、ピクシストラックがCVTであるのに対し、キャリイは4速ATだ。ピクシストラックは、CVTモデルのWLTCモード平均燃費が15.8km/LとMTモデルよりわずかに優れ、対するキャリイの4速ATモデルは15.7km/Lとピクシストラックの燃費性能と同等にまで落ち込む。
加えてピクシストラックのパートタイム4WDには、前後輪の拘束力を高めるロックモードのほか、電子制御で前後駆動力を調整するオートモードが備わる点も特徴だ。なお、両車ともオートマチックトランスミッションモデルに副減速機は備わらない。
ピクシストラック スタンダード“農用スペシャル”
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン
排気量=658cc
最高出力=46ps/5700rpm
最大トルク=60Nm/4000rpm
トランスミッション=5速MT
駆動方式=パートタイム4WD
スズキ キャリイ KCエアコン・パワステ農繁
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン
排気量=658cc
最高出力=50ps/6200rpm
最大トルク=59Nm/3500rpm
トランスミッション=5速MT
駆動方式=パートタイム4WD
表示価格が安いのはピクシストラック! ただし、装備によっては価格が逆転


「トヨタ ピクシストラック スタンダード“農用スペシャル”」の価格は118万8000円で、「スズキ キャリイ KCエアコン・パワステ農繁」は130万5700円となる。
車両価格はピクシストラックの方が10万円以上安い。しかし選べるボディカラーはホワイトとシルバーのみであり、カーキやオレンジなどの色を選ぶには3万8500円の「選べるカラーパック」オプションを追加する必要がある。さらに、パワーウィンドウやパワードアロックを追加するには66000円の「省力パック」オプションが必要だ。
対するキャリイはこれらが全グレード標準装備であり、ボディカラーも自由に選べる。さらにキャリイは6万6000円安となる「セーフティ サポート非装着車」が選べる点もピクシストラックにはない特徴だ。
使い勝手の面ではピクシストラックとキャリイのどちらを選んでも大差はない。しかし、購入価格を抑えたいなら、欲しい装備に応じてメーカーを選び分ける必要がありそうだ。
車両本体価格
ピクシストラック スタンダード“農用スペシャル”:118万8000円
スズキ キャリイ KCエアコン・パワステ農繁:130万5700円
