互いに寄り添って高め合う

伝統と先進のスタイリング!

初代S30のDNAを強く感じさせるRZ34型フェアレディZ。その新旧融合スタイルの構築に取り組んでいるのが「スピードフォルム」だ。

まずはS30に注目したい。70年代を席巻した初代モデルは、オリジナルを重んじ、当時の雰囲気を崩さない方向でカスタムされるのが一般的だ。だが、“格好良さ”を第一に掲げるスピードフォルムは、そうしたセオリーに縛られない。オリジナルへのリスペクトを保ちながらも、カーボンパーツの導入や17インチホイール装着など、現代的な進化を取り入れ、独自の世界観へと昇華させている。

ビス留め仕様で旧車らしさに溢れるフェンダーと、アーチ両端までを包み込むような絞り込みを融合したのが、オーバーフェンダー・エアロver。さりげなくボリュームを増したサイドステップには、今どきのサイドフラップをプラスしている。

バンパーレス化によってショートデッキを強調したリヤセクションには、RZ34と同様にコンパクトなリヤゲートスポイラー&ウイングを装着。S30のリヤウイングにはRZ34のエンブレムがあしらわれ、両車を融合させた“ネオクラシックスタイル”を追求する意思が強く感じられる。

一方、RZ34はS30のスタイルを意識した方向性で構築。フェンダーは控えめなトリムで整えつつ、マッシブなタイヤショルダーを生かした18インチ仕様とし、初代のDNAを強調するグリルガーニッシュやフロントリップスポイラー、ショートデッキ感を際立たせるリヤゲートスポイラー&ウイングを組み合わせている。

もちろん、RZ34を“初代に近づける”ことが目的ではない。今後はバンパースポイラーを組み込んだワイドボディを完成させ、そのスタイルをS30側にもフィードバックしていく計画だ。伝統と先進が互いを高め合いながら融合していく──それが、スピードフォルムが目指すネオクラスタイルの真髄である。

なお、今回の取材時点では間に合わなかったが、RZ34ではS30で実現できなかったセンター出しマフラーを、100φデュアルテール仕様で開発中とのこと。さらに来年早々には、サイドステップやリヤアンダースポイラーの追加も予定されている。スピードフォルムがRZ34で描く新たなスタイルアップの展開に注目したい。

●取材協力:スピードフォルム 大阪府羽曳野市郡戸46-10 TEL:072-930-1234

「S30Zの究極形態かもしれない…」1200馬力のV8ターボにBMWのDCTをドッキング!?

漆黒のボディをまとい、荒れ狂うハリケーンのように全米のサーキットを駆け抜ける…。その名も「フロリダハリケーン」。ショーン・バセット率いるアタッキング・ザ・クロック・レーシングが手掛けたダットサン240Zは、LS3改427ciターボを心臓に宿し、最大1200hpを叩き出すモンスターだ。タイムアタックやヒルクライムを舞台に、速さと機能美を極めたこの一台は、アメリカンチューニング界に新たな伝説を刻みつつある。

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