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内燃機関超基礎講座

クランクシャフトの支持の上半分はシリンダーブロックが担っている。下半分はクランクキャップとかベアリングキャップと呼ばれる板でクランクケース(ロワーケースとも)と共締めされることが多い。この構造であればブロック下端部はクランク中心線で終わることとなり、これをハーフスカート構造と呼ぶ。

ハーフスカート型の例。現在のエンジンはほとんどがクランク軸中心でブロックが分割されるハーフスカート型形状。軽量化とコスト的に有利なためだ。
ハーフスカート型シリンダーブロックと締結する、クランクケース側の様子。

それに対してブロックの外側だけがクランクセンターより下に伸びて、ベアリングキャップを抑え込む構造のものがあり、これをディープスカート構造と呼ぶ。一般論としてディープスカートの方がブロック強度が増しクランク支持剛性も高くなるが、ハーフスカートで別体のラダーフレームを設け、これでクランクを抑え込めば同等の剛性は確保できるため、現在ではブロックの製作にコストがかかりやすいディープスカートはあまり見られなくなった。ただしオイルパンや補機類がクランク回転起因の振動から逃れやすい側面がディープスカートにはあり、たとえばトヨタはレクサスLC/LSのHEV用に新たに仕立てたV6エンジンをディープスカートとした。

ディープスカート型シリンダーブロックの例。青い線がクランクシャフトセンター。ブロック両端がそれよりも下側まで回りこむ構造であることがわかる。
同じブロックを上下逆さまにした状態。クランクシャフトはベアリングキャップで締結する。

ちなみに水平対向エンジンは構造上シリンダーブロックとクランクケース(クランクキャップ)を独立させることができないため、形態は半割りのハーフスカートで、両側のシリンダーからクランクを挟み込んで支持するカタチとなる。それ故にクランク支持剛性は概ね高くすることができる。

水平対向のシリンダーブロックはハーフスカート型にならざるを得ない構造。

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