ピニンファリーナとJASモータースポーツは、ホンダ初代「NSX」(NA1型)をリメイクした新型モデルの一部を先行公開した。

最大の注目は、新しいカーボンボディを採用しながらも、ポップアップライトとチューニングされたホンダV6エンジンはそのまま採用されているところだ。

初代NSXは、1990年に発売された2シーターのミッドシップスポーツカーだ。価格は1グレードのみで800万円(AT仕様は860万円)だったが、カスタムオーダーでは、1500万円にもなり、当時日本車史上最高額となった。また、スポーツカーがスピードと信頼性を両立できることを実証し、シャープなパフォーマンスと日常的な使い勝手を両立させた名車として、今でも語り継がれているモデルの1台だ。

ホンダとピニンファリーナは1984年、共同でミッドシップスポーツカー「HP-X」を開発した。この車は後に初代NSXへと進化した。それから40年以上経った今、ピニンファリーナはイタリアのJASモータースポーツと共同で、ホンダ/アキュラNSXをリメイクしており、その一部デザインを先行公開した。


先ず2枚のティーザーイメージでは、初代NSXから大きく逸脱することなく、いくつか修正し、存在感を高めたデザインであることがわかる。
特に現代では、安全面やコストの問題で採用が難しいポップアップヘッドライトを始め、ブラックのキャノピー、フープリアスポイラー、そしてベーシックなリアライトシグネチャーが継承されているのはなんとも嬉しい限りだ。

しかし、見れば見るほど、その印象は変わる。カーボンファイバー製の新設計ボディワークは、より力強く、膨らんだフロントフェンダーの背後にはベントが設けられている。また、リヤクォーターパネルのインテークは大型化し、フロントフードには、力強い初代(NA2)NSXタイプRに見られるようなベントが設けられている。

しかし、最も大きな変化は、大幅に向上したスタンスだ。初代NSXはリヤトレッドが狭く、リヤオーバーハングが非常に長かったイメージだが、2枚のティーザー画像からは形状やプロポーションの全体像を把握するのは難しいものの、はるかに優れているように見える。

一方、ホンダのバッジはなく、JASのバッジに変更されている点は仕方ないかも知れない。
ピニンファリーナは、まだ名前が明かされていないこの車のインテリアを公開していないが、これは必要最低限のサーキット走行用スペシャルではなく、まさにロードカーそのものだと述べている点からも、大型ディスプレイやワイドインフォテインメントスクリーンなどが見られる可能性がありそうだ。

注目のパワートレインですが、ホンダのV型6気筒エンジンのチューンアップ版が搭載されることが分かっており、1990年にホンダとアキュラが発表した3.0Lエンジンの初代モデルの最高出力、274psを圧倒する出力を発揮することは間違いないと思われる。
また、トランスミッションは6速MTで、左ハンドルと右ハンドルが用意されるようだが、生産台数や価格は不明だ。

ピニンファリーナによるNSXトリビュートモデルは、2026年上半期に世界初公開を予定していると発表しており、往年のNSXファンにとっては歓喜の年となりそうだ。







