日産は、ジャパンモビリティショー2023にて、バッテリーEVスーパーカー、「ニッサン ハイパーフォース」を初公開、次期「GT-R」を示唆したコンセプトと噂されたモデルだ。
ハイパーフォースは、「ゴジラ」の未来を垣間見るものとして初公開、日産の“ハイパーEVコンセプトシリーズ”の中でも最上位に位置づけられる次世代フラッグシップEVスポーツカーのコンセプトモデルだ。

全固体電池、四輪駆動、そして様々な形状に変形可能なキャビンを採用、最高出力1360psを発揮、0-100km/h加速は2秒以下が想定されるレベルのパフォーマンスと、日常での快適性を持ち合わせた次世代高性能EVでもある。
当時日産は、2027年までに自社開発の全固体電池を搭載したバッテリーEVを市販化させる計画を発表、つまりGT-R次期型は、全個体電池を搭載したバッテリーEVとして登場することが予想されていた。

しかし、EV需要の冷え込みにより、1341psのEVコンセプトの市販化や、GT-RのEV化プロジェクトが棚上げされた可能性があるようだ。
日産は立て直しを図っており、現在進行中のプロジェクトのひとつが次期GT-Rだが、最新の海外メディアにも、現在、GT-Rを完全電気自動車化する計画を断念する可能性があるという報道が見受けられる。
次期GT-Rについて、日産の製品責任者であるギヨーム・カルティエ氏は、英Autocar誌のインタビューで「様々な可能性を検討している」と認める一方で、後継車については現時点で「明確な計画はない」と語ったことからも、このプロジェクトは別の方向へ進んでいるようなのだ。

スポーツカーの計画変更は日産だけではない。マセラティは完全電気自動車MC20の開発を中止し、ロータスはエミーラのEV後継モデルの発売を延期。ポルシェは718シリーズの販売期間を延長している。
ただし、日産にとってGT-R次期型プロジェクトの変更は、最悪のシナリオとは言えない。電動GT-Rへの取り組みは、実際にGT-Rを購入する層にはあまり受け入れられなかったため、好転する(ガソリンエンジンへの回帰)可能性があるからだ。

懸念点は、GT-Rの販売ポテンシャルが限られているため、事業性が低いということだろう。ご存知のように現在、日産の業績悪化に加え、ヨーロッパには、英国、スイス、ドイツの3大スポーツカー市場しかない。
次期GT-Rは、ハイブリッドになると予想されるが、カルティエ氏は、少量生産のハローモデルとして進化していく可能性を示唆したようだ。
果たしてGT-R次期型はいつ、どんな形で登場するのか、要注目だ。
