
以前の記事でフィアット600Dをフルレストア&カスタムによりアバルト1000TCR風に仕上げた車両を紹介した。イタリアでフルレストア&カスタムされたものを愛知県のウイングオートが販売する。同社の会長である上窪順一郎さんからお話を聞かせていただいたとき、その横に展示されたトラクターも面白いと教えてもらった。

上窪さんは自らがランボルギーニのマニアであり、創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニについても調べられた。スーパーカーを開発する前にはトラクターの製造販売で成功した人物であることを知り、3年前からイタリアへ足繁く通うようになる。現地でランボルギーニ製トラクターを目にする機会があり、そんな気はなかったものの1台を購入することになる。

見せてもらったトラクターはG.a.Motorsというランボルギーニ製トラクターのレストア販売では知られた存在が手がけたもの。代表のアレッサンドロ・ナリオさんと親しくなったことから、アジアでの販売権を獲得することになる。そこで東京オートサロン2026の会場でお披露目となったのだ。

レストア作業はまさに職人技でエンジンやトランスミッションを完全分解してから全てのベアリングを交換。ピストンやコンロッド、バルブなどを新品に交換しつつ新品のないクランクシャフトなどは研磨を実施。ディーゼルポンプやオルタネーター、スターターモーター、さらにトランスミッションはオーバーホールして甦らせている。

組み上がったエンジンは数時間稼働させて油圧の異常やオイル漏れがないことを確認。操作系もステアリングやブレーキなどをオーバーホールして、各種ベアリングを交換してある。外装部品は古い塗装を剥離してからサビを除去。その上で新たな塗装を施してある。

今回展示された2Rは空冷3気筒ディーゼルエンジンだが他にも水冷エンジン車があり、それらの場合には冷却系のオーバーホールがプラスされる。写真を見ていただければ新車同然に甦っていることがお分かりいただけるだろう。ここまでの品質であるなら安心して購入することができそうだ。

すでにヨーロッパでは古いランボルギーニ製トラクターがコレクターズ・アイテムとして認知されている。実は現在も新車のランボルギーニ製トラクターを購入することは可能だが、やはり原点ともいうべき古いモデルには特別な価値がありそうだ。今回展示された2Rについては生産台数が1925台ほどとのことで、希少性にも注目されることだろう。

気になる販売価格は展示された2Rで760万円からとなっている。最初期の1958年から62年までに製造されたLamborghnettaだと720万円から。59年から62年に製造された3352Rだと810万円から。61年から67年まで製造された1Rだと680万円からとなっている。このうち最も生産台数が多いのは1Rで2018台。3352Rは780台でLamborghnettaはわずか823台だという。

ちなみにトラクターは小型特殊車両として市町村で登録することになる。写真のように緑色のナンバープレートでの登録になり任意保険には入れず自賠責保険だけ加入することになる。一般道は走行可能だが高速道路や自動車専用道路を走らせることはできず、軽自動車と同じ自動車税が課せられる。もちろん普通免許での運転が可能で車検は不要となっている。
