走行可能な状態にまで修理されたS130フェアレディ280Z。

旧車をテレビ番組で目にする機会が増えた。それだけ国産旧車の人気が定着したことの表れだろう。単に旧車を紹介するだけでは番組として成立させることが難しいだろう。そこで旧車を修理してオークション形式で販売する企画があるそうだ。

マンハッタンカラーと呼ばれるツートンボディが人気だった。

このS130フェアレディZがまさにそれで、番組へ視聴者から「父が購入したフェアレディZを走らせるようにしたい」と相談があった。亡くなられた後もガレージで保管されていたそうだが、すでに自走できるコンディションではなくなっていた。そこで番組が車両を引き取り120万円をかけて修理することになったのだ。

ボンネットやフロントフェンダーは写真のように塗り分けられている。

番組では不動になったクルマやバイクを修理してオークションに出品。高額落札を目指すという企画。この番組でクルマやバイクの修理を請け負うのが塚野自動車という業者さん。東京オートサロン2026の会場にも足を運ばれていたので、直接社長からお話を聞くことができた。

ホイールは純正のアルミホイールのままだ。

展示されたのはワイズスクエアのブースだったので混同された人もいるかもしれない。このS130フェアレディZは最上級の280ZでTバールーフではなくノーマルルーフ車。トランスミッションはATなので、前オーナーは若くはない人だったのだろう。当時280Zの新車価格は260万円を超えていたし高額な自動車税が課せられていたので、そもそも若い人が買えるものではなかったのだが……。

車体から降ろして修理されたL28型6気筒エンジン。

ボディカラーは一番人気だった「マンハッタンカラー」。黒とシルバーに塗り分けられ、精悍なスタイルを一層引き立てていた。離れてみると全塗装されたかのようにキレイなのだが、実は新車時からの塗装のままだという。近づいて見れば確かに若干の傷みを見つけることはできるのだが、新車時塗装ならそれだけでも価値がある。ボディは磨いて仕上げられたそうだ。

ステアリングホイールは新車時からのものがそのまま残る。

問題なのはエンジンで不動になってから長い期間が過ぎている。そこでエンジンを降ろして重整備が実施された。搭載されているのはインジェクション仕様のL28型直列6気筒OHCエンジン。現在は初代S30フェアレディZやハコスカ・ケンメリなどのスカイラインに移植されることが多い人気ユニット。L28をベースに排気量を3リッター以上まで拡大するチューニングが一般的だが、今回のS130はノーマルのまま再始動できるように修理された。

破れていたシートは純正と同じ生地と色の表皮を製作して張り替えられた。

インテリアではシートの傷みが目立っていた。そこで新車と同じ素材と色を再現した表皮を製作してから張り替えられた。写真を見ればお分かりいただけるよう、まさに新品のようなシートに生まれ変わっている。このS130フェアレディZは修理されてからオークションに出品された。その結果、実に700万円を超える価格で落札されたそうだ。当時のままの「栃33」というナンバープレートも貴重なので、できればナンバーを受け継げる人だと理想的だろう。