先進装備満載の新型RAV4と、高級車らしい仕立てのハリアー




ハリアーの「Z ナイトシェード」は、ブラック塗装の外装パーツを装着してさらなる高級感を加えた特別仕様車だ。標準グレードでは無塗装樹脂となるバンパー下部やサイドシル部分はグロスブラックで塗装し、ブラックアウトされた専用ヘッドライトやブラック塗装の19インチホイールなどが装着される点が特徴となる。
一方のRAV4は、一新された外観はさることながら、車内の先進装備が大きな特徴だ。指先でシフト操作できる「エレクトロシフトマチック」や「カラーヘッドアップディスプレイ」、音声応答の高速化を果たしたインフォテインメントシステムなど、トヨタ初となる機能が満載されている。
ただし、プラットフォームは先代と同じであり、RAV4のボディサイズはほぼ変わっていない。ボディ全長はハリアーの方が140mm長いが、後席の膝周り空間は同程度だ。頭上空間はRAV4のほうがわずかに余裕がある。
ただしリヤドアの開口幅はRAV4が縦方向に広く、対するハリアーは横方向に広いため乗降性はハリアーの方が優位と言えそうだ。どちらも後席にはリクライニング機能が備わるが、調整幅は両車ともに2段階程度となる。
5名乗車時の荷室寸法は、RAV4が長さ961mm×幅1002mm×高さ847〜933mmであるのに対し、ハリアーが985mm×1005mm×750mmだ。
RAV4はリヤハッチの形状が垂直に近くなり荷室容量が大幅に向上。先代から引き続き2段階調整ラゲッジボードを採用し、下段にセットすると荷室容量を705リットルから749リットルへと拡大できる。
ハリアーは床面の高さが調整できないが、トレイ付きの広いアンダーラゲッジが備わる。荷室トリムはRAV4が樹脂パネルがむき出しであるのに対し、ハリアーは起毛素材となるうえ、デッキボードの裏面に入念な遮音処理が施されている点も高級路線を行くハリアーの大きな特徴だ。
トヨタ RAV4 Z
ボディサイズ=全長4600mm×全幅1855mm×全高1680mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1720kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)
トヨタ ハリアー Z“Night Shade”
ボディサイズ=全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1680kg
タイヤサイズ=225/55R19(前後)
新型RAV4は出力アップを果たすも、燃費性能はハリアーと僅差


両車のパワートレインは、共通となる2.5L 直列4気筒エンジンとシリーズパラレルハイブリッドシステムの組み合わせだが、エンジンおよびモータースペックとバッテリーの種類、駆動方式の選択肢が異なる。
RAV4はエンジンの最高出力が9ps向上し、フロントモーターも最高出力+16ps、最大トルク+6Nmとなる136ps/208Nmへと向上した。駆動バッテリーはRAV4が引き続きニッケル水素電池、ハリアーはリチウムイオン電池を用いる。
RAV4は4WDのみの設定だが、ハリアーはFFと4WDが選択可能であり、FFを選べばスペックアップを果たしたRAV4と遜色ない燃費数値となる。
両車のWLTCモード平均燃費はRAV4が22.5km/L(Z 4WD)、ハリアーは22.4km/L(Z FF)だ。ハリアーは4WDを選択すると燃費は21.7km/L(Z 4WD)に落ち込むが、僅差と言えるだろう。4WDはどちらも後輪をモーターで駆動するE-Fourであり、モータースペックは54ps/121Nmで同じだ。
オフロードにも対応するRAV4には、先代から引き続きスノーモードとトレイルモードが搭載される。新型では電子制御ブレーキシステムと駆動制御の連携が高度化され、コーナリング時の姿勢変化抑制や悪路脱出性能もさらに高められた。
またRAV4は、高減衰接着剤を新たに採用することで制振性や静粛性が引き上げられたうえ、レクサス向けと同じ構造のサスペンションダンパーを用いることで乗り心地も向上している。乗り心地の良し悪しを直接比較するのは難しいが、走行のポテンシャルにおいて新型RAV4がモデル末期にあるハリアーを凌駕しているのは間違いないだろう。
トヨタ RAV4 Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
トヨタ ハリアー Z“Night Shade”
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=178ps/5700rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)
新型RAV4が登場してもハリアーの高級感と魅力は健在


両車の新車価格は「RAV4 Z」が490万円。対する「ハリアー Z ナイトシェード(FF)」は487万800円だ。ハリアーのもっとも安価なハイブリッドモデルの価格は430万1000円、標準のZグレードでも477万700円であるため、RAV4の値上げ幅の大きさと進化ぶりがよくわかる。
ただし快適装備の内容に限れば、両車にそれほど差はない。ヒーター機能付き電動シート&ステアリングヒーターが備わるのはもちろん、ハリアーの「Z」グレードならRAV4と同じく2ゾーンエアコンであり、ハンズフリーバックドアも標準装備だ。USBポートもタイプCに変わっている。
パノラマルーフはどちらにもオプションで用意されるが、瞬時に透過率を変更できる調光パノラマルーフはハリアーならではの装備だ。また、フロントウィンドウはRAV4も遮音ガラスだが、ハリアーは前席のサイドウィンドウも遮音ガラスとなる。ハリアーに備わるステアリングの電動チルト/テレスコピックもRAV4には備わらない。
さらにハリアーは、約32万円高となるレザーパッケージを選択すれば本革シートやJBLプレミアムサウンドシステムが装備され、RAV4と同じく前席ベンチレーション機能やデジタルキーも追加される。ただし、RAV4には標準装備となる後席シートヒーターが、ハリアーではPHEVモデルでなければ備わらない点は覚えておきたい。
クルマ全体の機能性では、新しいRAV4の方が優れる。しかし高級車としての各部の作り込みは、まだハリアーの方が高いレベルにある。シャシーの仕立てやデザインの古めかしさはあるが、落ち着いた雰囲気はハリアーならではの魅力と感じる人も少なくないはずだ。
次期型ハリアーは2026年から2027年の登場が有力視されており、いつ受注停止になるかわからない。現行型ハリアーを購入するなら早めの決断が望ましいだろう。
車両本体価格
トヨタ RAV4 Z:490万円
トヨタ ハリアー Z“Night Shade”:487万800円
