世界的に見て、スポーツカー愛好家は馬力しか気にしない人も多いだろう。彼らは他の部分がどれだけ素晴らしく見えても、馬力が足りなければ元も子もないという考え方と思われる。もちろんパワーも重要ではあるが、車が十分に軽量であれば、速く走って楽しむのにそれほどパワーは必要ないはずだ。

マツダ ロードスター

今回は、過去10年間で最も注目を集めた軽量・低馬力のスポーツカーの魅力をお伝えしよう。今回紹介する3台は、優れたパワーウェイトレシオにより馬力以上の速さを体感できるだけでなく、小型軽量スポーツカーならではのメリット、特に優れたハンドリング性能も兼ね備えていることを証明していると言える。

フィアット 124 スパイダー

選び出した3台は、いずれも車重が1330kg以下で、パワーを最大限に引き出すショートギヤ比を採用しているのが特徴だ。

1台目は、やはりマツダ「ロードスター」(原文では「ミアータ」表記)だろう。特に、最高出力181ps、7500rpmのレッドラインを誇る直列4気筒エンジンを搭載したND2とND3は、数字以上に速く感じられる。これは、エンジンが非常に活発で、回転数を上げても快調で、従順なことに加え、車両重量が2341ポンド(約1061kg)と非常に軽いことも一因だ。つまり、1psあたり約13ポンド(約6kg)を動かす仕事しか必要がないということだ。

もちろん世界には、「ロードスター」よりも約100ps高いスポーツコンパクトカーもたくさんある。そして、満足のいくマニュアルギヤボックスと組み合わせると、加速時の一体感が格段に増し、スピード感と興奮がさらに増加する。最近の市場には素晴らしいスポーツカーがたくさんあるが、価格以上の楽しさを求めるなら、ロードスターに勝るものはないはずだ。

続いては、トヨタGR86とスバルBRZだ。ロードスターと似たような基本設計を踏襲しているが、約500ポンド(約220kg)の重量増と引き換えに、本格的なハードトップ、後部座席、そして若干の実用性を備えている。

その分、このトヨタ・スバル共同開発車の第二世代は、ロードスターよりも約50psも向上し、パワーウェイトレシオもわずかに改善されている。6速マニュアルのギヤ比が適切に調整されているため、そのパワーを最大限に引き出し、最高のスピード感を実現している。GR86とBRZは、ロードスターや他のコンバーチブルに比べてボディとシャシーの剛性が高く、サーキット走行や、スポーツカーに重厚感を求める方にも最適な選択肢と言える。

以上2台の日本製ライトウェイトスポーツカーに加え、絶体に外せないのが「フィアット 124 アバルト スパイダー」だ。

このクルマはご存知のように、マツダのロードスターをベースにしているため、同じ優れた特徴を数多く備えている。最大の違いはエンジンで、フィアットは自社製の素晴らしいサウンドのエンジンを搭載している。このターボエンジンのおかげで、124アバルトはスペック表の数字以上に速く感じられる。最高出力164 psは、車重が約 2500 ポンド(約1040 kg)の車であってもそれほど魅力的には聞こえないが、このターボのおかげで250Nmの強力なトルクが素早く発生するため、アバルトは十分に速く感じられるのだ。

唯一の欠点はレッドラインが 6250 rpm と低いことで、パワーバンドが狭くなってしまう。そのため、ブーストを維持するために、自分で、あるいはオプションのオートマチックトランスミッションを使って、より頻繁なシフトチェンジが必要になるが、逆にそれが楽しさを増すこともある。

ロードスターとGR86、及びBRZは、今後数十年、ガソリンエンジンに改良を加え、世界的ライトウェイトスポーツとして我々を楽しませてくれることだろう。