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内燃機関超基礎講座

ベテランエンジン“EA型”からバトンを託された新時代のボクサー

1989 年にレガシィと共に誕生したEJシリーズは、1.6Lから2.5L、SOHCとDOHC、NA にターボ、リーンバーン、LPG仕様に至るまで200 以上のバリエーションを以て四半世紀に渡りスバルの主力エンジンとして君臨してきた水平対向4気筒エンジンだ。

1988年に登場したEJ20。この時インタークーラーは空冷式ではなく水冷式だった
搭載車種であるスバル・レガシィRS(BC5)

1989年に登場したEJ20はEJ20Gと呼ばれ、水冷インタークーラー、ダイレクトイグニッション、クローズドデッキを採用していたが、時代を重ねるごとに改良を施され、空冷インタークーラーへの変更、タービンの仕様変更、点火方式の変更、クローズドデッキ→オープンデッキ→セミクローズドデッキへの変更など、同じEJでも初代と比べるとまったく別物のエンジンへ進化していった。ちなみに、WRX STI(VAB型)ではEJ20Yと呼ばれるエンジンが搭載されている。

最後に国内で採用されたEJ20エンジンは2.0Lと2.5Lの高出力ターボ版のみ。いずれもランサー・エボリューションと並び称される4WDスーパースポーツ・WRX STI専用機だ。途中、等長等爆排気となりスバリストには堪えられない独特のサウンドは聞けなくなったが、吸排気共に可変バルタイ機構を装備しシングルタービン(2.0Lはツインスクロール)を高圧過給して220kW 超の出力を絞り出す。ショートストロークならではの高回転域までよどみなく回るシャープさもEJ 型の魅力だ。

ラリーからサーキットまで。カテゴリーを選ばずレースでも活躍

ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦するスバル・WRX STI(VAB型、2016年)
SUPER GTに参戦するSUBARU BRZ R&D SPORT。EJ20を搭載し、2021年にはGT300シリーズチャンピオンとなった

このような出自であるため、EJ20はモータースポーツの世界でも重宝されてきた。初陣は1989年に行なわれたスバル・レガシィRSによる10万km世界速度記録挑戦であり、1990年には世界ラリー選手権にも参戦。世界の檜舞台で不等長管が生み出す独特のボクサーサウンドを轟かせ、多くのファンを虜にした。

2019年に販売されたWRX STIファイナル・エディション(VAB型)をもって市販エンジンとしての役目は終えたものの、モータースポーツの現場では終売後も採用されており、SUPER GT(SUBARU BRZ R&D SPORT/GT300)やニュルブルクリンク24時間耐久レースのマシンに搭載され続けた。だが、2025年にSUPER GTに参戦するBRZを最後にEJ20はモータースポーツからも勇退している。

スバル・EJ20(EJ207)主要スペック

排気量:1994cc
内径×口径:92.0×75.0mm
圧縮比:8.0
最高出力:227kW/6400rpm
最大トルク:422Nm/4400rpm
過給方式:ターボチャージャー
カム配置:DOHC
ブロック材:アルミ合金
吸気弁/排気弁数:2/2
バルブ駆動方式:直接駆動
燃料噴射方式:PFI
VVT /VVL:In-Ex/×
(EJ207)

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