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自衛隊新戦力図鑑

ダイナミックなフライトが来場者を楽しませた

エアショーといえば、やはり見どころはさまざまな航空機によるデモンストレーション・フライトだろう。お膝元であるシンガポールが、F-16C戦闘機とAH-64D戦闘ヘリによるチーム・アクロバットを披露したのをはじめ、オーストラリア空軍のF-35A、マレーシア空軍のSu-30MKMなど、アジア太平洋地域の国々が参加した。また、エアバスA350-1000など民航機のフライトも行なわれている。

シンガポール空軍のAH-64D戦闘ヘリはF-16C戦闘機と連携して、戦闘をイメージした飛行展示を行なった(写真/筆者)
特別塗装が施されたマレーシア空軍のSu-30MKM戦闘機。多様な航空機を見ることができるのも、海外エアショーの楽しさだ(写真/筆者)

一方で屋内展示エリアは国際的な商談の場だ。欧米を中心にさまざまな国と地域から1000社以上の企業が出展した。今回目立っていたのが中国勢の勢いだ。軍用航空機メーカーAVIC(中国航空工業集団)は、最新鋭のステルス戦闘機J-35Aの巨大模型(1/2サイズ)を中心に大きなブースを展開した。J-35は輸出市場も狙った戦闘機だと言われている。その隣には同じく中国の民航機メーカーCOMAC(中国商用飛機)が、これまで巨大なブースを構える。

デモンストレーション・フライトでも、中国は国産J-10戦闘機で編成された空軍のアクロバット・チームで「八一飛行隊」を送り込み、自国戦闘機をアピールした。

中国空軍のアクロバット・チーム「八一飛行隊」。なお、韓国空軍のアクロバット・チーム「ブラック・イーグルス」も、たびたびシンガポール・エアショーに参加し、国産T-50練習機の優秀さをアピールしているが、今回は不参加だった。非常に技量の高いチームだけに、ちょっと残念(写真/筆者)
中国勢ではCOMAC製旅客機「C919」の飛行展示も行なわれた。欧米系が強い民間航空機市場に中国が参入したかたちだが、セールスは苦戦している模様(写真/筆者)

海外に乗り出した日本の航空宇宙・防衛産業

もうひとつ、注目したいのが日本の出展だ。防衛装備庁がブースを構え、そのなかで日本企業14社が参加した。近年、日本は防衛装備品の輸出や海外との連携を積極的に推進しており、シンガポール・エアショーへの出展は2回目となる。

 

防衛装備庁(ATLA)ブースでは、複数の日本企業が自社の技術や製品をアピールした(写真/筆者)

中国ブースと異なり、大きな“兵器”ではなく“技術力”をアピールする展示であり、派手さこそないが、日本の高い技術力に対して、来場者の関心は高いようだ。装備庁の担当者は「(戦闘機などのような)大きなものと違い、技術は出展しないと知ってもらえません」と、日本企業と各国を繋げる場としての意義を強調した。

ドローン・スタートアップ「AirKamuy」が展示した、ダンボール製ドローン「AirKamuy150」。安価であり損耗を前提した役割に使いやすい。固定翼型で、クワッドコプター型より航続距離がはるかに長い点も特徴だ。設計を改良し、従来機より組み立てやすくなっているそうだ(写真/筆者)
インダストリー・ネットワーク社製「Xウィング」。奇妙なかたちだが、4つのプロペラと4枚の翼により、垂直・斜め離陸、短距離離陸能力と長距離・長時間の滞空性能を両立している。ボディ部にさまざまなペイロードを搭載することで、観測などに使用できる(写真/筆者)

また、防衛装備庁とは別に愛知県を中心とする県内航空宇宙産業振興の取組みである「あいち・なごやエアロスペース・コンソーシアム」が出展し、8社が参加した。こちらは防衛分野ではなく民生技術をアピールしたが、近年は無人機など軍民デュアルユースの技術も多く、両者が集まるシンガポール・エアショーは新たな出会いを生むのに最適のイベントと言えるだろう。

「あいち・なごやエアロスペース・コンソーシアム」のブース。戦前から戦闘機やエンジン等の向上を持ち航空宇宙産業の盛んな愛知県による産業振興の取組み。パリ・エアショーなどにも参加しているようだ(写真/筆者)

防衛・航空宇宙産業を育成・発展させていくためには海外との連携や輸出による生産拡大が必要だ。日本はこれまでこれらを大きく制限してきたが、その方針は大きく変化している。こうしたイベントで、ますます日本が存在感を高めていくことを期待したい。

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