「1750」に込められた、アルファロメオならではの強いこだわり
アルファロメオのJTSエンジン(直噴エンジン)に取って代わり、2009年にデビューしたのが、この1.8ℓ直4ターボだ。最初に搭載したのは、アルファ159だった。1.8Lとはいえ、正確な排気量は1742cc。呼称のように1750と言ったほうが馴染みがある。そう、1968年に登場し、アルファロメオでもっとも成功を収めたセダンである1750ベルリーナを思い起こさせるからだ。
さらにルーツを辿れば、1929年に登場した6C 1750に搭載された1752cc 直列6気筒エンジンにまで行き着くが、この6C 1750はレース専用車ではなかったものの、当時ミッレミリア、スパ・フランコルシャン24時間耐久レースなど数多くのレースに出場して勝利を収めていた経歴を持つ。このことから、アルファロメオにとって「1750」はスポーティさと歴史の両面でとても意味ある数字なのだ。前述の1750ベルリーナも搭載するエンジンの排気量が1779ccにもかかわらず1750と名乗っているのは、大先輩の6C 1750にあやかってつけたものでもある。
940Aの開発はFPT(フィアット・パワートレーン・テクノロジー)社が行なった。燃料筒内直接噴射+ターボ過給フォーマットに則ったエンジンであり、吸排気VVTシステム(可変バルブタイミング機構)を備え、噴射量、オーバーラップ、点火タイミングなどを緻密に制御してスカベンジングを積極的に行なうことで、ターボチャージャーの過給遅れを最小限にとどめている。
インジェクターは7噴孔のサイドインジェクターで、最大噴射圧は150barと高圧だ。エンジン単体でのフリクション低減にも余念がない。ピストンリングを素材から見直し、張力を低減、またバルブ駆動にローラーロッカーを用いることで、直動式と比較して65%ものロス低減(2000rpm時)を実現したとアナウンスしている。
また、940Aは市販車だけでなくモータースポーツの世界でもレース用エンジンとして近年活用されており、フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップではアウトテクニカ・モトーリ社が独自にチューニングした270ps仕様が採用される。こちらのエンジンはフォーミュラカーに載せるためストレスマウントとなっている。



アルファロメオ・1750TB 940A 主要スペック
エンジン型式:直列4気筒DOHC
排気量:1742cc
ボア×ストローク:83.0×80.5mm
圧縮比:9.2
最高出力:173kW/5550rpm
最大トルク:340Nm/1900rpm
吸気方式:ターボチャージャー
シリンダーブロック材料:アルミ合金
シリンダーヘッド材料:アルミ合金
吸気弁数/排気弁数:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料噴射装置:直噴
可変バルブタイミング(intake):○
可変バルブタイミング(exhaust):○
可変バルブリフト:×
エンジンマネージメント:BOSCH MED17.3.1
点火順序:1-3-4-2
(Alfa Romeo Giulietta)





