中・大型車に展開した「ダウンサイジング」コンセプトの旗手として
メルセデス・ベンツの4気筒ユニットM271。2002年に登場したこのエンジンは少々ややこしいが2013年当時、「160」から「250」までのモデルでほぼこの1.8Lエンジンが出力特性を変え搭載していた。
「M271 EVO」と呼ばれるDE18LAユニットは、2009年にデビュー。CGI Blue EFFICIENCYのモデルネームが示すとおり、直噴+ターボチャージャーを装備したメルセデスの環境技術を盛り込むダウンサイジングエンジンである。ラインアップ(※2013年当時)は「180(115kW)」「200(135kW)」「250(150kW)」など、CクラスおよびEクラスに搭載された。日本には「200」と「250」が導入されていたほか、後者は従来の「250(V6)」に対して最高出力は同等、26%も増大したトルクを有するとアナウンスされた。
エンジンユニット単体で見れば、従来のDIコンプレッサーユニットから4kgの軽量化を果たし、ターボチャージャーによって振動と騒音問題も改善している。


DE18LAで搭載されたCGIは、最大噴射圧は140bar。30度の傾斜角でシリンダーヘッドに備わるインジェクターはソレノイド式。噴射燃料と空気を、圧縮時にプラグ方向へ向かわせ成層燃焼が行なえるよう、冠面に大きなリセスが施されたピストンを備える。いっぽう、DE18MLは42度の角度で装着され、50~120barの圧力で燃料を噴射する。ポート燃料噴射(PFI)の噴射圧はおよそ3.8 barであることを考えると、桁違いの圧力で燃料を噴いている。

M271エンジンのスタートは、2002年。スーパーチャージャーを備え、ダウンサイジングを目的としたE18ML型がW203のCクラスでデビューした。それまでのC111エンジン(2.3ℓ-SC)の代替として開発され、コンパクトで軽量の単体重量167kg、じつに18kgのダイエットを果たした。これには、オールアルミ構造であること、ボアピッチ90mmのコンパクトなブロックなどの構造的特徴が寄与している。2003年にはDIを備えたDE18LA型が登場、また2008年にはストロークを75.6mmに縮小し1597ccの排気量を持つE16ML型も登場している。


M271エンジンのバランスシャフトは、オーソドックスなランチェスター方式。アルミハウジングに一式を収め、オイルパンにボルト固定されている。クランクからのチェーンドライブをご覧のとおり、メインシャフトの下方左右に備わるバランスシャフトがそれぞれ反対方向にクランク倍速で回転することで、2次振動をキャンセルする構造。右バランスシャフトの後方ギヤはオイルポンプも同時に駆動する。
M271エンジンは欧州の排気ガス規制対応もあって2015年に終売。後釜にはM274へシフトしている。
メルセデス・ベンツ M271主要スペック
エンジン形式:直列4気筒DOHC
排気量:1796cc
ボア×ストローク:82.0×85.0mm
圧縮比:9.3
最高出力:150kW/5500rpm
最大トルク:310Nm/2000-4300rpm
過給方式:ターボチャージャー
シリンダーブロック/ヘッド材料:アルミ合金
吸気弁数/排気弁数:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料噴射装置:DI(直噴)
燃料噴射圧:140bar
インジェクター:ピエゾ式
可変バルブタイミング:○
エンジンマネージメント:SIEMENS
点火順序:1-3-4-2
CO2排出量:179-187g/km
(E 250 CGI BlueEFFICIENCY)




