トヨタはこのたび正式に、中東で新型RAV4を発表した。

注目は、世界的にハイブリッドモデルへの完全移行が進む中、中東ではピュア内燃機関エンジンモデルが存在している点だ。

1994年にモノコックSUVの先駆けとして登場したRAV4は、乗用車の快適性とSUVの実用性を兼ね備え、クロスオーバーセグメントの新たな定義を確立した。そして、30年近くたった現在、中東を含む世界中で好調な販売を続けている。
すでに北米、欧州、日本でベストセラーとなっている新型RAV4だが、地域ごとに綿密な戦略を立てているようだ。中東では最高出力239psを発揮する2.5L ハイブリッドエンジンに加え、最高出力171psを発揮する2.0Lの純粋なガソリンエンジンモデルが提供される。これは前世代からほぼ継承されたもので、この地域の排出ガス規制が緩和されたことで実現している。
他方、他の地域で利用可能な、よりパワフルなプラグインハイブリッドシステムやGRスポーツは手に入れることができない。しかし、2.5L ハイブリッド仕様には第5世代ハイブリッドシステムが採用されており、先代モデルと比較して、より力強い加速、燃費向上、そしてスムーズな走行性能を実現している。もちろん、従来のRAV4のハイブリッド仕様と同様に、外部充電は不要だ。
また、中東市場向けのハイブリッドシステムは、ガソリン車の利便性と効率性の向上を両立させ、都市部の通勤や都市間の長距離移動の両方に適している。これは、日常の使い勝手を維持しながらカーボンニュートラルを目指すトヨタの幅広いマルチパス戦略に沿ったものだ。
外観的には、中東モデルとアメリカ、ヨーロッパ、日本のRAV4モデルの違いはないが、中東向けには、新型RAV4は“Core”と“Adventure”の2つのデザインテーマに基づくグレードが提供される。
“Core”グレードは、SUVのプロポーションを維持しながら、よりクリーンで都会的な外観に焦点を当てている。他方、“Adventure”グレードは、ライトなオフロード性能とアウトドア志向のスタイリングを好む購入者をターゲットに、より力強い外観を採用している。
キャビンは、エルゴノミクスの改善とより直感的なレイアウトを採用し、再設計されている。上質な素材と改良されたアーキテクチャーにより、快適性と使いやすさの両方の向上を目指している。
インフォテインメントは、トヨタ最新のオーディオ・マルチメディアシステムによって提供される。10.5インチまたは12.9インチのセンターディスプレイと、12.3インチのデジタルインストルメントクラスターが組み合わされている。グラフィックの改良とレスポンスの向上が謳われているほか、3Dビューを備えたパノラミックビューモニターや、一部グレードにはオートパーキング機能も搭載されている。
トヨタは中東で、人気のピュアガソリンモデルを提供しつつ、ハイブリッドシステムの効率性、最新技術、そして実用的な多用途性を融合させ、北米、欧州、日本に続いて、この地域で最も競争の激しいSUVセグメントの一角にあるRAV4の競争力を維持することを目指している。
中東での価格は先代より若干値上がりしているものの、ハイブリッドモデルは先代より手頃な価格に抑えるなど、トヨタは価格も戦略的に設定しているようだ。











