タイプRのエンジンが自然吸気からターボへと転換した
2015年登場のFK2型「シビックタイプR」のために専用開発されたエンジン。NAから直噴ターボに舵を切った。多段噴射インジェクターによる直噴技術を核に、高タンブル吸気ポートなどを組み合わせ、急速燃焼による高出力化と同時に残留燃料を低減させることで、低燃費も実現。電動ウェイストゲートシングルスクロールターボを搭載している。
熱対策には、エキゾーストポートの上下から包み込むように冷却水路を配置した2ピースウォータージャケット・シリンダーヘッド、クーリングチャンネル付きピストン、ナトリウム封入バルブ、大容量インタークーラーを採用した。2.0 ℓクラス最高レベルの420Nmという大トルクを発生しながら燃費・環境性能も向上している。

2022年9月に登場したFL5型においても継続採用されるものの、先代FK8型に対して10PS/20Nmのパフォーマンスアップを果たしている。性能向上に寄与したのはターボチャージャーの刷新で、高過給とレスポンス向上を両立。解決策としては、コンプレッサーホイールの小径化と翼枚数の見直し/タービンスクロールの小型化による応答性向上/ベアリングのフリクション低減を実施している。これにより回転慣性を13%低減、回りやすく回り続けやすいターボとし、ターボ効率を3%高めた。
4気筒でマニフォールドを備えないヘッド直付けターボとなると排気干渉が懸念されるが、K20C型は排気側のVTECと電動ウェイストゲートで排気干渉とターボラグへの対策を万全にしていることで、ツインスクロール式のターボチャージャーは代々用いていない。


ターボチャージャーには低イナーシャ化による高回転高過給を実現した。右側がタービン、左側がコンプレッサー。ヘッド直付けのマニフォールドが後方に見える。ウェイストゲートは電動式でノーマルクローズ、常に好条件でターボを作動させる。
吸気系についても、吸入流路径を拡大し流量を10%増量、管配置も可能な限りストレート化することで低抵抗とした。インタークーラーは空冷式のままながら先代から1段増しの10段構造とすることでチョークを抑制、ボディ側の開口面積を拡大することとあわせて、冷却と通気抵抗の低減を両立させている。ウォーターポンプのプーリー比を変更して、冷却水流量を10%アップしているのもトピック。さらにエンドマフラーも、タイプRではおなじみの3本ピースのままセンターパイプ径を拡大、ここを主に排気する構造とし、流量を13%アップさせ効率を高めている。



ホンダ・K20C 主要スペック
エンジン形式:直列4気筒ターボ
排気量:1995cc
内径×行程:86.0mm×85.9mm
圧縮比:9.8
最高出力:243kW/6500rpm
最大トルク:420Nm/2600-4000rpm
給気方式:ターボ
カム配置:DOHC
吸気弁/排気弁数2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料噴射方式:DI
VVT/VVL:In-Ex/×
(シビックタイプR)




