ハンドルとタイヤが物理的に繋がっていない「ステアリング・バイ・ワイヤー」を採用することで、誕生した革新的「ヨーク型ハンドル」(ハーフホイールステアリング)だが、中国では、新安全規則の改正により、禁止されることがわかった。
輸入車では、メルセデス・ベンツEQSやテスラで採用、国産車ではレクサス「RZ 450e」などが挙げられる。また、トヨタでは「bZ4X」が採用している。

ヨーク型ハンドルのメリットは、航空機の操縦桿を彷彿させるスポーティーなイメージを与え、従来の円形スタイルと比べて、上部がないため、視界が良好になる。また、電気信号を介して舵角を制御する「ステア・バイ・ワイヤー」の採用により、従来の円形ハンドルに比べたステアリングホイールを回す必要がないことなどが挙げられる。

対してデメリットは、何と言っても慣れていないため、扱い悪い点だろう。また、Uターンなど、ハンドルを大きく回す必要がある場合には、グリップの持ち替えなどの操作がしづらくなるという、取り回しの難しさなど、デメリットもある。

ただし、レクサスRZは、「ステアリング・バイ・ワイヤー」において低速時に超ハイギア比を採用することで、この問題を最小限に抑えようとしている。しかし、ヨーク型を握ったことがある方は、わかると思うが、なれるまで、ハンドル気が集中してかえって危険が増す可能性もあるのだ。

来年以降の新車から、ポップアウト式ドアハンドルと同様に、ハーフホイールステアリングホイールが完全に廃止されることになるという。中国では、宇宙船のようなステアリングホイールが採用されることを期待していた人たちにとっては、非常に残念かもしれない。
これにより大きく方向転換しなければならいのが、すでに採用している既存メーカーだ。レクサスやテスラなどの自動車メーカーは、2027年1月までにこの規則を遵守する必要があるからだ。
しかしそもそもなぜ、中国ではヨーク型を禁止するのだろうか。規制当局は、ステアリングホイールリム周辺の10箇所の特定箇所、つまり最も脆弱な部分の中央と、最も短い支持されていない部分を含む箇所での衝撃試験を義務付けているのだ。つまり、ステアリングホイールの上部が欠けている場合、これらの箇所は存在しない。そのため、適合性は控えめに言っても困難になるのは当然と言える。
ドライバーの負傷の46%がステアリング機構に起因するという事故データを引用しており、従来の丸型ホイールは、衝突時にドライバーが前方に傾いた場合、大きな緩衝ゾーンを提供する。一方、半円型ホイールは二次衝突時に体がリムから滑り落ち、負傷リスクを高める可能性があるという理論のようなのだ。
国産車では、いまのところ、ヨーク型ハンドルを採用すると思われる新型モデルはないが、メジャーになる前に消滅してしまう可能性もありそうだ。





