コンパクトサイズで運転しやすいヤリスクロス vs 室内空間が広いヴェゼル




ボディサイズはヴェゼルの方が140mm長く、全幅も25mm広い。全高は同じ1590mmだ。
ヴェゼルの長い全長はそのまま後席空間にあてられており、膝まわり空間はヴェゼルの方が圧倒的に広い。ただし、後席の頭上空間はヤリスクロスの方が拳ひとつ分ほど余裕がある。
荷室寸法はヤリスクロスが長さ820mm×幅1000mm×高さ732〜871mm、ヴェゼルは765mm×1015mm×725mm。荷室最大長はどちらも1700mmほどであり、大柄な人でなければ車中泊もできるだろう。
ヤリスクロスは2段デッキボード構造となっており、下段にすると荷室容量は284リットルから351リットルへと拡大可能だ。上段にして後席の背もたれを倒すと、やや傾斜は残るが荷室床面との段差が解消できる。
他方のヴェゼルの荷室容量は335リットルだ。荷室後端に深さ250mmほどの床下収納が備わるだけで特別なギミックは備わらないが、後席の背もたれを前へ倒すだけで完全なフルフラットになる美点がある。またヴェゼルは後席のチップアップも可能となっており、子どもを立ったまま着替えさせたり、ベビーカーなど背高の荷物でも立てたまま積みやすい。
使い勝手は、ボディサイズが大きなヴェゼルの方が高い。運転しやすいのはよりコンパクトなヤリスクロスの方だ。最小回転半径を比べても5.3mと5.5mでヤリスクロスの方が小回りが利く。
なお、ヤリスクロスは2026年2月の改良で新色“アーバンロック”のボディカラーが設定されたほか、ドアミラーとシャークフィンアンテナがブラック塗装に変わっている。
トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長4200mm×全幅1765mm×全高1590mm
ホイールベース=2560mm
車両重量=1200kg
タイヤサイズ=215/50R18(前後)
ホンダ ヴェゼル e:HEV Z
ボディサイズ=全長4340mm×全幅1790mm×全高1590mm
ホイールベース=2610mm
車両重量=1380kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)
燃費性能はヤリスクロスが優位! 音振性能はヴェゼルが高い


燃費性能が優れるのはヤリスクロスの方だ。両車のWLTCモード平均燃費は、ヤリスクロスが30.2km/L(ハイブリッドZ)で、ヴェゼルが25.3km/L(e:HEV Z)となる。
ヤリスクロスのパワートレインは、エンジンとモーターの動力を適宜使い分けて一般道から高速道路まで安定した動力性能を発揮する、シリーズ・パラレルハイブリッドのTHS-IIだ。
対するヴェゼルは低中速域をモーターのみで走行し、モーター効率が低下する高速域ではエンジンの動力を直接タイヤに伝えて走行する、シリーズハイブリッドをベースとするe:HEVとなる。
両車のモータースペックはヤリスクロスが80ps/141Nmで、ヴェゼルは131ps/253Nmであり、発進加速はヴェゼルの方が力強い。ただし、ヴェゼルの車重はヤリスクロスよりも180kg重いため体感的な動力性能に大きな差は感じられないだろう。
音振性能では4気筒エンジンを搭載するヴェゼルの方が圧倒的に優れる。ヴェゼルはパドルシフトで回生ブレーキによる減速度合いを4段階で調整可能な点も強みだ。
トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドZ
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1490cc
最高出力=91ps/5500rpm
最大トルク=120Nm/3800-4800rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)
ホンダ ヴェゼル e:HEV Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1496cc
最高出力=106ps/6000-6400rpm
最大トルク=127Nm/4500-5000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
ヤリスクロスはパーソナルユース向き! ヴェゼルはファミリーユースにも応えてくれる


ヤリスクロス ハイブリッドZの新車価格は、2026年2月の改良で10万円ほど値上げされており299万2000円となった。他方、ヴェゼル e:HEV Zは2025年10月の改良で6万円ほど上がった326万8100円だ。価格はヴェゼルの方が高いが、以前よりも価格差は縮まっている。
どちらも最上級グレードには、前席シートヒーター&ステアリングヒーターが備わっており快適装備はおおむね同等と言ってよいだろう。ただしヴェゼルのe:HEV Zグレードは価格が高いだけあって2ゾーンエアコンが標準装備であるうえ、ヤリスクロスではオプションとなる予約ロック機能付きハンズフリー電動バックドアも備わる。
一方のヤリスクロスのハイブリッドZグレードは、このクラスでは珍しい電動シートが標準装備であり、2026年2月の改良で通信圏外でもナビ機能が使える10.5インチの“ディスプレイオーディオPlus”が標準装備となった。
しかし同時にデジタルキーや駐車支援機能アドバンストパークなどのオプションが廃止となったほかツートーンカラーも廃止。さらにGRスポーツや特別仕様車のウルバーノなどもグレードラインアップから消滅している。
高級装備などが廃止された改良新型ヤリスクロスは、後席の広さと小洒落た内装が特徴のヴェゼルと比較するとチープな印象が強まった。しかし、価格を含めたランニングコストでは依然としてヤリスクロスの方が圧倒的に優れる。
セカンドカーや、前席を主体として使うならコンパクトで扱いやすいヤリスクロスを選ぶとよいだろう。後席主体のメインカーとするなら価格は高くともヴェゼルがおすすめだ。
車両本体価格
トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドZ:299万2000円
ホンダ ヴェゼル e:HEV Z:326万8100円
