バランスシャフトを廃した、フォルクスワーゲン流の「小柄な3気筒」
フォルクスワーゲン・up!およびOEM車に搭載される、フォルクスワーゲンAGの最小ガソリンエンジンが1.0L MPI。NSFの専用エンジンであり、新型ガソリンエンジンの系列であるEA211に含まれるため、前方吸気/後方排気のメカニカルレイアウトをとる。
1.2L、1.4Lの4気筒を含め、前型のEA111とは82mmのボアピッチを共通とした。バルブトレーンはカムカバー内でロブとシャフトを組み立てるユニークな構造をとり、軽量化と部品点数削減に寄与する(EA211に共通)。吸気バルブ角は21度、排気は22.4度、カムトレーンはベルトドライブ。吸気側のみにカムフェーザーを備え、バルブ開閉タイミングの連続制御によって燃費とエミッションを向上させる。
また、排気マニフォールドをシリンダーヘッドと一体にし、暖機性向上と冷間時の触媒早期活性を促す。クランクケースはオープンデッキ構造で、補機類をブラケットなしで直接ボルトマウントできる構造としたのがユニーク。直噴+ターボ過給(TSI)ではなく、MPI(Multi Point Injection)の仕様で、44kWと55kWの2種、そして50kWのNGV(天然ガス対応:EcoFuel仕様車)を用意する。
同様に、トランスミッションもDSGではなく、5MTあるいは5AMTが組合わさる。1.0MPIには3気筒固有の振動はやはり生じているものの、エンジンマウントをはじめとする制振対策ならびに防音施工によって、キャビンには最低限のNVHを伝えるにとどまっている。バランスシャフトは備えず、カウンターウェイトと各部の最適設定によって、エンジン単体の振動対策とした。

フォルクスワーゲン EA211 主要スペック
エンジン形式:直列3気筒DOHC
排気量:999cc
ボア×ストローク74.5×76.4mm
圧縮比:10.5
最高出力:55kW/6200rpm
最大トルク:95Nm/3000-4300rpm
吸気方式:NA
シリンダーブロック/ヘッド材:アルミ合金
吸気弁/排気弁数:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
VVT/VVL:In◯/Ex×/×
点火順序:1-3-2




