走り重視なら前期だが楽しむなら後期!?

(写真右)オーバードライブ代表 武地孝幸 チューニングを手掛けるだけでなく、自身でデモカーのステアリングを握って走り込むマツダチューナー。開発が落ち着いたRX-8はデモカーを年に数回走らせる程度になっているが、ニーズに応えたパーツ開発は現在も継続している
数えきれないほどのRX-8を手掛けつつ、自身もデモカーでタイムアタックに取り組んできたマツダチューナーであるオーバードライブの武地孝幸代表。
そして、モータースポーツの最前線で戦いつつ、最近はRX-8でのスポーツ走行に首ったけとなっているレーシングドライバーの阪口良平。
ここではそんなふたりが自由気ままに繰り広げた、RX-8論争の模様をお届けしよう。
編集部:さっそくですが、阪口選手はわずか1年あまりで3台(取材当時)のRX-8を購入されましたよね? その経緯を教えてください。
阪口:最初は単純に4人乗れるFR車両が欲しいなと考えていて。RX-8なら車両価格100万円とチューニング費用100万円のトータル200万円で普段使いからサーキットまで楽しめそうと後期のタイプSを購入しました。
ただ、まわりはみんな『速さ重視なら前期でしょ』っていうし、調べてみたら前期は後期に比べて車両重量が60㎏ぐらい軽い。そこで前期のタイプSを増車したのですが、いつのまにか2台いずれも速さ優先でドンガラ状態になってしまったんです。
そこで改めてオートライトやレカロシートなど快適装備が充実している後期のRSを買い足し(笑)、普段使いからサーキットまで楽しめる理想のエイトに仕上げたって感じですね。
武地:それはかなりの寄り道ですよ(笑)。たしかに速さを突き詰めていくなら車両重量が軽い前期ベースが有利ですけど、クルマとしての全体的な完成度で考えれば後期ですし、カッコよさだってそう。
タイムに直結しなくても走りが楽しい逸材なので、個人的には内装はドンガラにせずRX-8の使い勝手よさと走りを満喫してもらいたいですね。
阪口:そこは負けず嫌いなので最初の2台は速さを追求し、3台目で当初掲げた理想にようやく辿り着きました。でも、いわれるように後期のほうが挙動もマイルドで、スタイリングも洗練されていてカッコよい。ミッションもカチっとした印象はないのですが、しっくりきます。
武地:ボディ剛性が高められたり、ジオメトリーの見直しが図られた後期は、前期のようなピーキーな動きが抑えられていますからね。
ガンガン走るなら後期より軽さを引き出せる前期かなと思いますが、長く楽しむなら後期がベスト。前期はパワステとかのトラブルも増えていますしね。
少しでもコンディション良好な車両を手に入れて、10年先を見据えたリフレッシュチューニングに取り組んでいくのがいいですよ。
阪口:予算の関係でRSは13万㎞目前の後期を購入しましたけど、凄く調子いいですよ?
武地:それはしっかりメンテされていた個体なんでしょうね。前期・後期問わず、温度管理やオイル交換をしっかり行っていれば耐久性のあるエンジン。
しかし、高回転を多用するとエキセントリックシャフトの振れでダメージが蓄積されていきます。また、水温100℃オーバーでサーキットを全開走行すればアペックスシールが反って吹き抜けてしまう。
後期でも圧縮が低下してしまっている車両は珍しくないですし、新品エンジンはいまや100万円超えになっています。当店ではポート加工まで含めたオーバーホールや熱影響で硬化しがちなハーネスまで換えて110万円ほどのメニューを用意し、長く乗りたい方に薦めています。

このようにふたりが思いつくがまま繰り広げられたRX-8論争。速さ優先なら軽い前期だが、長く乗り続けるなら総合的に考えて後期が理想という結論に落ち着いた。
助手席のロータリー意匠もお気に入り 3台目のエイトは後期型のRS

実用性と走りを楽しめるFRということで始まった阪口のRX-8ライフ。スタイリングのカッコよさを最重要視し、理想としたのは後期型RS。オートライトやレカロシート、シフトフィールのしっくり感などが決め手となった。また、所有する前期はGTウイングを装着しても、挙動はピーキーだったそう。
走行条件や装着タイヤなどは異なるが、岡山国際サーキットでのタイムは後期SがA050で1分47秒台、前期SがA052で1分51秒台、後期RSがR888ドリフトで1分52秒台といったもの。
前期と後期で異なるシフトフィール
トランスミッションは前期がアイシン製(軽量)、後期がマツダ内製(けっこう重い)。阪口によると、シフトフィーリングは後期のほうがしっくりくるとのこと。
タイムアタックの中で鍛え上げたデモカー

RX-8の可能性を探りながら、吸排気パーツやフットワーク、エアロパーツなどトータルパッケージングにこだわりパーツ開発に取り組んできたオーバードライブ。
走る実験室としてタイムアタックに挑みながらトライ&エラーを重ねて鍛え上げられてきたデモカーは、究極のコーナリング車両となっている。


■オーバードライブ
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