軽さと走りを磨いた2代目【ヤマハ・パッソルⅡ】

初代パッソルの軽快さを受け継ぎながら、3.8psエンジンと2速ATで走りを進化させたパッソルⅡ。セル付き仕様も用意された

YAMAHA パッソルⅡ|1982年発売

1977年に登場し、“足をそろえて乗れる”ステップスルースタイルを日本に広めたパッソル。その流れを受け継ぎ、1982年10月に登場したのがパッソルⅡだ。

初代の親しみやすさや軽快さを残しながら、49cc空冷2ストロークエンジンは最高出力3.8psへパワーアップ。2速オートマチックを組み合わせ、日常で扱いやすいだけでなく、走りの良さまで意識したモデルへ進化した。

当時の販売店向け機関紙でも、軽さやパワー、低振動といった走行性能を大きくアピール。初代パッソルで広げた“気軽な乗り物”という世界から、もう一歩走りを楽しめる方向へ踏み込んだのがパッソルⅡだった。

総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:3.8ps/6000rpm
最大トルク:0.48kgm
全長×全幅×全高:1515×600×925mm
乾燥重量:39kg
タイヤ:2.50-10・2.50-10
発売当時価格:7万8000円/8万9000円(セル付き)
※主要諸元は編集部調べ

CVTの本格派をさらに豪華に【ヤマハ・ベルーガ50D】

ヤマハ初のCVTスクーター、ベルーガ50をベースに装備を充実させたベルーガ50D。軽快さとは別の“本格派”を打ち出した

YAMAHA ベルーガ50D|1982年発売

ベルーガ50は1981年、ヤマハが送り出した本格派スクーター。ヤマハの量産スクーターとして初めてVベルト式CVTを採用し、軽さを優先したそれまでのパッソル系とは異なる方向から、スクーターの扱いやすさを追求していた。

その翌年に加わったベルーガ50Dは、ベルーガのデラックス仕様。キー付きフロントトランクや透過光式メーターパネル、専用グラフィックなどを採用し、本格派スクーターらしい高級感をさらに強めている。

49cc空冷2ストロークエンジンは3.8ps。大柄なフルカバードボディとゆったりしたステップスルー、そしてCVTによる扱いやすさを組み合わせた姿は、軽快さを武器にしたパッソルⅡとは対照的だ。50ccでも“しっかりしたスクーターに乗る”という新しい価値を見せた1台だった。

総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:3.8ps/6000rpm
最大トルク:0.57kgm/4500rpm
全長×全幅×全高:1745×670×1015mm
乾燥重量:75kg
タイヤ:3.00-10・3.00-10
発売当時価格:15万4000円
※ベルーガ50Dの主要諸元・価格は編集部調べ

キーワードは“ピッタリ感”【ヤマハ・サリアン】

“ピッタリ感”をキーワードに、少し大きめの車体と上質なデザインを採用したサリアン。1982年度のグッドデザイン商品にも選ばれている

YAMAHA サリアン(CA50ES)|1982年発売

ファミリーバイク市場が成熟期を迎える中、フラットフロアを持つベルーガのような本格派スクーターの流れを受け継いで登場したのがサリアンだ。

開発のキーワードは“ピッタリ感”。一般的なファミリーバイクよりワンサイズ大きめの車体に、上質なデザインやデラックスな装備、快速で快適な走行性を盛り込み、さまざまな用途に対応するモデルとして作り込まれた。大人の女性を中心に幅広いユーザー層から支持を得た。

49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは3.6psを発揮し、車両重量は56kg。角型ヘッドライトを使った端正なスタイルやボリューム感のある外装も含め、日常の使いやすさだけではなく、ちょっと上質な雰囲気まで意識している。

さらにサリアンは1982年度のグッドデザイン商品にも選定された。単なる生活のアシではなく、デザインや質感まで含めてスクーターを選ぶ時代が来ていたことを感じさせる1台だ。

総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:3.6ps/6000rpm
最大トルク:0.54kgm/4500rpm
全長×全幅×全高:1590×615×1045mm
車両重量:56kg
発売当時価格:13万8000円

※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】