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内燃機関超基礎講座

三菱自動車の排ガス対策「三菱クリーン・エア」のシステムのひとつで、1977年にG11B型エンジンに搭載されて登場した。吸気ポートとは別に設けた小径のバルブ/ポートによる、勢いのある吸気流れを活用することで、筒内に縦渦=タンブルを生成し、希薄燃焼を実現する。

ジェット・バルブと称する小径バルブと同ポートは点火プラグの近傍にあり、吸気バルブの開閉タイミングと同じくして開閉する。管の開口面積が吸気ポートより小さいことで、相対的に噴流を作り出すことができる仕組み。

本システムがとくに有用なのは低負荷時。スロットルバルブ開度が小さいことでガス流量が少ないこの運転領域において、噴流が筒内を急速にかく拌し、未燃焼部位を極力なくす。なお、ジェットポートから噴き出すのは空気のみの場合と超希薄混合気の二種。そのため、キャブレターにもジェットポート専用のポートが設けられた。

ジェットポート出口にはジェット・ピースと称するガイドが装着され、点火プラグの方向を向いた穴が設けられる。これにより強いタンブルを生成するとともに、点火プラグ周りの既燃焼ガスを噴き飛ばす確実な点火を可能とした。

スロットルバルブが全開に近い運転領域ではガス流量が増え、相対的にジェット・バルブのエネルギーも小さくなるので、通常の燃焼状態になる。

MCA-JETの目的は、先述のとおり排ガス対策。23:1の超希薄燃焼を安定実現し、COおよびHCを劇的に低減した。NOxについては高率EGRを導入してこれをしのぎ、結果、昭和53年規制をクリアしている。なお、三元触媒の容量低下という結果も得られた。

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