会場の清水マリンパークイベント広場は富士山がちょうど中心に見える絶好のロケーション。

当日は好天に恵まれ、時おり雲はかかるものの会場となった清水マリンパークは富士山が望める絶好のコンディションとなった。会場にはエントリーした約110台ほどのO.Zレーシングのホイールを装着したクルマが集まり、エントリ車を眺めたり、オーナー同士で交流したり、出展社を覗いたり……と思い思いに楽しんだようだ。

会場にはじつに様々なメーカーとクルマが集まった。

会場に集まった参加車は、O.Zレーシングがイタリアのホイールメーカーということもあってか、イタリア車が一大勢力を築いていた。とはいえ、約110台という台数を考えればそのバリエーションはとても豊かだったと言えるだろう。どんなメーカーのどんなクルマが参加していたのか見ていこう。

英独仏伊日5ヶ国18ブランドのクルマがエントリー

■イタリア
最も台数が多かったのはフィアット&アバルト500シリーズ。ノーマルのフィアット500はもちろん、アバルト500や595、695などが揃い、トリブートフェラーリのような限定車も並ぶほど種類も台数も豊富だった。

最多参加台数と思われるフィアット&アバルト500シリーズ。

また、そのほかのイタリア車ではアバルト124スパイダー、フィアットはムルティプラやドブロ、プント、パンダ。ランチア・デルタ、アルファロメオは156やGTV、ジュリエッタが見受けられた。

グランデプントも多数集結。
アバルト124スパイダーとフィアット・パンダ。パンダは100hpの姿も。
手前からアルファロメオGTV、156、ランチア・デルタ(2台)、フィアット・ムルティプラと並ぶ。

■フランス
フランス車で一大勢力となったのがプジョー。やはりWRCにおいて206WRCがO.Zレーシングのホイールで活躍したことから206、しかもワイドボディが複数台参加していたのには驚かされた。他にも106や406といった1990年代のクルマが中心だった。

106や206、208といったコンパクトカーが中心となったプジョー。最近のモデルでは208が参加。

プジョー以外ではシトロエンC4のレプリカや、ベルランゴがフランス車のエントリーだ。また、ルノーも見受けられ、フランス三大メーカーが揃った。

406はプジョー参加車の中で唯一のノッチバック車。
シトロエンはC3エアクロスやベルランゴ、C4が参加。
ルノーはカングーとメガーヌ。

■ドイツ
コンパクトカーのエントリーが多いO.Zファンミーティングのため、ドイツメーカーはフォルクスワーゲンとアウディで占められ、BMWやメルセデス・ベンツ、ポルシェといったクルマは見当たらず。ポロ、アウディでもA2などが中心だった。O.Zファンミーティングに参加した輸入車勢は比較的コンパクトモデルが多い。

ゴルフですらまだ大きい?ポロが中心のVWはビートルの参加も。
アウディはTTロードスターを除けばA2がメイン。

■イギリス
イギリスというよりMINI。フィアット&アバルト、イタリア車・フランス車、VW・アウディと合わせて専門店の出展もあったことから、多数のMINIがエントリーしていた。特にクラブマンの参加が多く、カブリオレやクロスオーバーの姿もあり、逆に”フツー”のMINIが少数派になっていた。

カブリオレやクラブマンなど派生モデルが多数を占めたMINI。
クロスオーバーもエントリーしており、普通のMINIが少ない。

■日本
国産メーカーではトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スバル、スズキとダイハツを除くメーカーがひと通り揃った。とは言え、多数派はトヨタであり、特にヤリスやセリカといったラリーイメージの強いクルマが多い。

近年、ラリー系のミーティングイベントで急増中のGRヤリス。
ST165セリカGT-FOURが3台も集合した。
FINAって知ってる? トヨタ・セリカGT-FOURのレプリカは1991年WRCツール・ド・コルス仕様! ST162とST165を4台乗り継ぐオーナーの選択は!?

2023年10月25日(水)〜11月5日(土)の会期で開催された『東京モーターショー』改め『ジャパンモビリティショー2023』(以下、JMS)。その、特別招待日/プレビューデーの10月27日(金)と一般公開初日の10月28日(土)に場外で開催された「CONSORSO DI REPLICA CAR(コンソルソ・ディ・レプリカカー)」。そこには実に様々なレプリカマシンが展示されていたが、世界ラリー選手権(WRC)マシンが特に多く、トヨタ・セリカGT-FOURはST165、ST185、ST205と三世代が揃った。その中から希少かつマニアックな仕様のST165をピックアップしてみよう。 PHOTO:井上 誠(INOUE Makoto)

https://motor-fan.jp/mf/article/199078
FINAカラーのST165セリカGT-FOURについては2023年のジャパンモビリティショーにて取材・紹介している。

また、国産車ではマツダとスズキがトヨタに次ぐ台数を集めていた。いずれも車種にあまり偏りがなく、小型車でバラエティに富んだラインナップなのも共通している。

マツダ勢の中でもWRCマツダワークスカラーにレプリカされたBFMRファミリアは注目の的。NAロードスターも「Rally Racing」との意外なマッチングの良さを見せていた。
2台のスイフトスポーツは共にレプリカ仕様。ZC32(左)はなんとTOYOTA GAZOO Racing ワールドラリーチームレプリカ。ZC33(右)は往年のスズキワールドラリーチームのカラーを再現している。
SX-4 Sクロスとジムニーの姿も。イベントやミーティングではアルトワークスやスイフトが大勢を占めることがことが多いが、こういった車種が参加しているのも面白い。

トヨタと並んでラリーイメージの強いスバルの参加車両は限定的。ナンバーを取得して公道を走れるようにしたワールドラリーカー、インプレッサWRCが特に目立っていたが、クロスオーバー7と2代目プレオという、ある意味レアなクルマが並んでいた。

イベントなどに度々登場するナンバー付きのワールドラリーカー、インプレッサWRC1998。ワールドラリーカー時代はスバルワールドラリーチームもO.Zレーシングを使用。
スバル車としてはどちらかというとマイナー寄りな2代目プレオとクロスオーバー7。プレオは「Rally Racing」にレカロシート、4点シートベルトとコンペティションマシン風。

レクサス、日産、ホンダが各1台、三菱は2台が参加。三菱もトヨタやスバルと並んでラリーイメージが強いが、使用していたホイールが主にエンケイなどO.Zレーシングではなかったせいか、やはりエントリーが少なかった。しかし、海外勢と異なり比較的新しいミニバンとSUVといったラインナップだった。

三菱はデリカとエクリプスクロス、日産はエルグランド、レクサスはNX。国産メーカーではダイハツのエントリーがなかった(OEMのスバル・プレオはいたが)。

また、O.Zレーシングといえば今も昔もラリーのイメージが強く、ラリーレプリカのエントリーも多かったのも気になったところ。O.Zレーシングのホイールを履いて活躍したトヨタとプジョーは特に台数を集めていた。

メインイベント終了後に残ったレプリカオーナー有志が集まって記念撮影。グループAとワールドラリーカーが中心だが、これからGRヤリスも増えていくことだろう。ヒョンデやフォード、シュコダは日本ではベース車が手に入らないのが残念でならない。

ラリーレプリカも含めその他にも眼を見張るクルマが多数参加しており、追ってそういった参加車両をより詳細に紹介していきたい。ご期待ください。

海苔屋も出展!? 会場に集まった出展社

ミーティングイベントにはショップやメーカーなどが出展するのが定番となっており、O.Zファンミーティングにも軒を連ねた。会場ならではのグッズの販売やカスタムの相談、ブランドアピールなどを行なっていた。また、オープニングアクトでは、今回参加した出展社のアピールタイムも設けられた。

フィアット&アバルトの総合情報サイトで、イベントなども開催する「Fes Trico-」では、オリジナルアパレルなどを販売。
岐阜県各務原市のイタリア車&フランス車の専門ショップ「RED POINT」。ホイールのマッチング相談や、オリジナル塗装のホイールを展示。
RED POINTのデモカーはプジョー・リフター(右)。
ルノー・トゥインゴも持ち込んだ。
埼玉県川口市のフィアット&アバルト専門ショップ「TRUCCO」では各種グッズを販売。
埼玉県川口市のフィアット&アバルト専門ショップ「TRUCCO」では各種グッズを販売。デモカーはフィアット・ドブロ。
もう1台のデモカーはルーフキャリアを装着したフィアット・パンダ。旧モデルの「Rally Racing」が似合う。
異色の出展社が東京・大森の海苔店「吉田商店」。
明治5年(1872年)創業で百貨店や料亭にも卸す老舗だ。
クルマ好きが高じてカーイベントに出展するようになったとか。
品切れも出るほど当日の売れ行きは好調。
参加するイベントごとに限定パッケージを用意しているという。
「ランチオニギーリ」というおにぎり用海苔は洒落のきいたパッケージ。
VW、アウディの専門店「maniacs」はO.Zレーシングとのコラボホイールや添加剤を展示。添加剤は抽選会の賞品としても提供された。
埼玉県春日部市の「Prototype」はレプリカーカーの制作などを行うショップはこれまでMotorFan.jpでも度々紹介している。
トヨタに日本メーカー初のマニュファクチャラーズタイトルをもたらした名車! ST185型セリカGT-FOURをカストロールカラーに!!【WRCレプリカのススメ】

WRC(世界ラリー選手権)において日本メーカーとして初めてチャンピオンを獲得したのがトヨタだ。特に1988年から実戦に投入されたセリカGT-FOURのシリーズは、当時絶頂とも言えたランチアワークスのデルタと真っ向勝負を繰り広げ、ついに栄光の座を手に入れるに至った。それだけに印象深いグループAセリカのレプリカマシンを紹介しよう。 PHOTO:井上 誠(INOUE Makoto)/MotorFan.jp

https://motor-fan.jp/mf/article/161302
O.Zファンミーティングでも展示されたカストロールカラーのST185セリカGT-FOURの詳細はこちら。
埼玉県杉戸町の「リーフオート」はMINIの専門店で、オートサロン2025にも出展予定とか。
東京都調布市のアウトドア系カスタムショップ「CASCADE ROKS」。スバル、スズキ、トヨタを中心に扱っており、O.Zファンミーティングにはディフェンダー風にカスタムしたスズキ・ジムニーシエラを展示。
自動車部品を扱う「パーツ.co.jp」はスノーソックスなどスパルコ製品をアピール。
デモカーとしてトヨタ・ミライを持ち込んだ。
O.Zレーシングの「スーパーツーリズモ・エアロE」を装着。
エアロパーツの「DAMD」も近年はジムニーなどが人気で、東京オートサロン2024で話題を呼んだ「リトルデルタ」と「リトルサンク」を展示。
リトルデルタのためにO.Zレーシングに旧デザインのジムニー用「Rally Racing」の製作を依頼。正式にリリースされ、ジムニーオーナーの人気を集めているという。

他にもスーパーGTやスーパーフォーミュラなどに提供しているプロテクションフィルムやラッピングを扱う「P.G.D」や、イラストの制作や販売を行う「エルスデザイン」、ラリー専門誌『Rally+(ラリープラス)』や参加型モータースポーツ誌『プレイドライブ』を制作する「CiNQ(サンク)」、脱出用ハンマー「ライフハンマー」を扱う「パワーアップジャパン」が出展していた。

突くだけでウインドウが割れる「ライフハンマー」のパフォーマンス。
P.G.Dからはリアルカーボン調プロテクションフィルムが抽選会に提供された。
抽選会ではエルスデザインの額装された素敵なイラストが用意された。
最新号などを販売していたサンクのブース。
主催に徹したオーゼットジャパンのブースではデモカー展示以外にはオリジナルアパレルを販売。合わせて電動アシスト自転車も展示された。

ラリーだけじゃない!O.ZレーシングがF1に復帰!

オーゼットジャパン代表の内山晶弘氏が壇上に上がりトークショーを展開。O.Zレーシングのイタリア本社が1971年1月設立であることや、オーゼットジャパンの設立が1989年10月で2024年は35周年のアニバーサリーイヤーであることが披露された。

ステージ上で司会の関谷桃子さん(左)とトークショーで色々な話を披露したオーゼットジャパン代表の内山晶弘氏(右)。内山代表は1971年1月生まれで、O.Zレーシングとまさに同い年というエピソードも。

そんなO.Zレーシングの今の売れ筋のホイールは2024年シーズンもWRC(世界ラリー選手権)マニュファクチャラーズチャンピオンを獲得したTOYOTA GAZOO Racing ワールドラリーチームとのコラボホイールである「Superturismo TGR-WRT」だそうだ。

ステージ横にはO.Zのデモカーか展示された。GRヤリスはセバスチャン・オジェエディションとカッレ・ロバンペラエディションの2台。

また、以前はF1で10チーム中7チームが使用していたO.Zレーシングだが、2025年まではホイールがワンメイクのため参入できず、使用ホイールが自由にある2026年には復帰する予定だと語られた。なんと、現状の全チームからオファーがあったという。

O.Zレーシングのホイールを使用したフェラーリ。写真は2015年。(PHOTO:O.Z Racing)

あわせて、女性のみのレースカテゴリーとして人気を博している「インタープロトシリーズ KYOJO CUP」。現在はVITAというオープンプロト車両を使用しているが、2025年シーズンからはフォーミュラカータイプが導入され、そのホイールはO.Zレーシングを装着すると発表された。

2024年のモータースポーツは女性ドライバーたちの戦いに熱視線! インタープロトやスーパーフォーミュラのサポートレース「KYOJO CUP」に注目!!

スーパーフォーミュラの世界へ進出した「Juju(野田樹潤)」さんの話題が各方面で取り上げられるなど、2024年は「女性レーサー」への注目度が一段とアップしている。2月24〜25日に開催された「JAFモータースポーツジャパンinお台場2024」でも、レースの世界に挑戦する女性たちをフィーチャーするコーナーが展開されていた。 REPORT&PHOTO:TOKYO CIAO MEDIA

https://motor-fan.jp/mf/article/210211
KYOJO CUPについてはこちらの記事もご参ください。

コンテスト&遠方賞を表彰!抽選会やじゃんけん大会も実施

参加者がエントリー車両(デモカーと自分のクルマを除く)から選ぶコンテントも開催。主催者からは「外観のインパクトだけに捉われず、ホイールとのマッチングも考えて総合的に選んで欲しい」というコメントもあったが、そんな中からトップ3が発表され、記念品が手渡された。

コンテスト優秀賞受賞車両のGRヤリス。ワークスカーもかくやのレプリカぶり。
トロフィーと限定品の時計。
オーバーフェンダーやリヤスポイラーも本格的。
コンテスト受賞車両のBFMRファミリア。こちらもWRCマツダワークスレプリカで、当時モノの「Rally Racing」ホイールが似合いすぎる。
マツダ323ことファミリアはグループA時代のWRC日本車ウィナー第1号!35年35万kmのGT-Aeは新車ワンオーナーのファーストカー!?

2023年10月に新たなラリーファンイベントとして開催された『ラリーファnミーティング2023』。会場ではオーナーミーティングも行われ、ラリーに縁のあるオーナーカーが多数並んだ。その中に往年のマツダワークスカラーを纏ったファミリアを発見!グループAマシンの中でも今や貴重なファミリアのオーナーを直撃した! REPORT:橘 祐一(TACHIBANA Yuichi) PHOTO:橘 祐一(TACHIBANA Yuichi)/MAZDA

https://motor-fan.jp/mf/article/245995
2023年の『ラリーファンミーティング』にて取材した車両が今回コンテスト受賞車に。クルマについてはこちらで詳細に取材している。
もう1台の受賞車両が他の2台とは全く方向性の異なるフィアット・ドブロだった。
アウトドアテイストでタフなイメージの外観。
そんな外観と合わせてオリジナルのイエローアクセントが高評価。

遠方賞では300km以上の来場者に記念品が贈られた。最も遠かったのは兵庫からの参加者で、360kmを走破してきたそうだ。他にも、大阪、京都といった関西圏。富山、福井の北陸勢が名を連ね、特に富山からは3名も参加していた。
さらに、エントリー全員を対象とした抽選会では出展各社協賛の賞品が用意されたほか、抽選に外れた人を対象にじゃんけん大会も催され、ミーティングは大盛況のうちに幕を閉じた。

最後のコンテンツとなったじゃんけん大会。

近年はホイールメーカーによるミーティングイベントが活況を呈している。それぞれにメーカーの色やオーナーの傾向が伺えるが、今回のイベントではO.Zレーシングはやはりイタリア、そしてラリーのイメージが強いようだ。また、比較的小型車が多かったようにも感じられた。そのためか、会場は和気藹々とした雰囲気に包まれ、参加者は思い思いにイベントや会場となった清水マリンパークを楽しんだようだ。次回開催にも大いに期待がかかる。

O.Zファンミーティングに参加した皆さん。