『東京オートサロン2025』が1月10日、開幕した。世界最大級のカスタムカーの祭典ということもあり、チューニングショップやアフターパーツメーカーのみならず、自動車メーカーやインポーターも多数ブースを出展している。

スズキもまた、今年のオートサロンにブースを構えている。主力商品のスペーシア ギアやソリオのほか2024年12月に発表され、話題となったスイフトスポーツ特別仕様車「ZC33S Final Edition」などがディスプレイされている。

フロンクスの夜釣り仕様、かわいいワゴンRスマイル、そして…あのジムニーがあった【東京オートサロン2025】

東京オートサロン2025に向けてスズキが用意してきたカスタマイズ仕様はクーペSUV「フロンクス」の夜釣り仕様”シーバスナイトゲーム”とワゴンRスマイルをかわいいに全フリした”ヨーロピアンアンティーク”の2台。いずれもメーカーだからこその細部までこだわったカスタムが施されていた。そして、もう一台、あのジムニーがスズキのブースに鎮座していたのも見逃せない。 PHOTO&REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya)

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このブースのなかで一際目立つ位置に鎮座しているのが「フロンクス シーバスナイトゲーム」だ。このクルマは「仕事帰りにシーバスを狙った夜釣りに行く」という使い方を想定し、スタイリッシュな都市型SUVのイメージの強いフロンクスをオフでも使えるようカスタムしたもの。

前後フェンダーが20mm拡大されているほか、車高はフロントで10mm、リヤで20mm上げられている。タイヤはターマックでの快適性もある程度確保されるオールテレーンタイヤのジオランダー X-ATを装備する。ただし、今回はあくまでショーカーということで、サイズ的にはオーバーなが履かされており、この状態での公道走行は不可能。実際にフロンクスにオフ用タイヤを履かせる際にはサイズに注意されたいとのこと。

ルーフには市販車には設定のないルーフレールがつけられ、専用デザインのルーフボックスを搭載。ルーフ前方にはLEDライトも追加されている。

さらに、夜釣りでの使用を念頭に、薄暗い環境で釣り竿を地面に置かなくてもいいようにフェンダーにはロッドホルダーが備えられているほか、本来リヤクォーターウィンドウはゴムバンド付きのパネルに差し替えられ、グローブ等を一時的に保持できるようされている。

そして何より特徴的なのはカラーリングだ。

夜釣りのシーンに合うよう、濃いグレーの迷彩柄にラッピングされている。また、車両後部などに蛍光イエローを採用。これは“チャートカラー”のひとつで、今回の車両コンセプトに沿ったものだ。

“チャートカラー”でカラーリングされたルアー。ナチュラルカラーよりもターゲットになる魚へのアピール力が強いため、水の濁りが強い時などによく使われる。

チャートカラーとは、光量が少ない時や水の濁りが強い環境下でも目立ち、魚に対するアピール力が強いとされる色のことで、蛍光の黄色や緑などが挙げられる。

蛍光イエローはインテリアにも挿入されており、シートやステアリングなどのほかフットライトやナビ画面にも採用。車内外からシーバスナイトゲームの雰囲気を醸し出している。

なお、「なんでシーバス?もしかして……?」と思われた方も多いと思うが、お察しの通りこれはシーバスの標準和名である鱸(スズキ)と社名をかけたシャレとのこと。このネタはスズキ社内では定番で、スズキの公式通販サイト『S-MALL』では鱸のラバーキーホルダーが売られている。

スズキ純正の鱸ラバーキーホルダー。あまりデフォルメはされておらず、なかなかどうして迫力がある。

また、オートサロンでの展示に際し、スズキは釣具メーカーのメガバス社とコラボ。『SUZUKI FRONX × Megabass KAGELOU 124F』を100本限定で販売している。これが好評のようで、イベント初日の分は「一瞬で売り切れてしまいました」とのことだった。

スズキとのコラボで生まれた特別カラーのメガバス カゲロウ124F。このルアーはシーバス用のシャローランナー。初日分は一瞬で売り切れたそうだが、もしかしたら最終日でもワンチャンあるかも?