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自動車業界60秒ブリーフィング

次世代のBEV(バッテリー電動車)において、後輪駆動(RWD)が主流になる可能性は高い。内燃機関車(ICE)では、エンジンとトランスミッションのパッケージングの都合上、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)が合理的であった。しかし、BEVではバッテリーが最も重いコンポーネントとなり、その位置が車両全体の重量配分を決定する。

BEVの多くはバッテリーを床下に配置し、前後重量配分が自然と50:50に近づく。このため、前輪駆動ではトラクションが不足しがちとなり、結果としてRWDやAWD(四輪駆動)が有利になる。実際、BMWやフォルクスワーゲンの最新BEVモデルは、RWDまたはAWDを採用している。

また、BEVの電動モーターはICEよりもコンパクトであり、後軸近くに搭載することで車内空間を犠牲にせずに済む。これにより、ホイールベースの短いコンパクトカーでも、高い操縦性と快適なキャビンスペースを両立させることができる。

従来の内燃機関車ではFFレイアウトがM/M(Man Maximum, Mechanism Minimum)思想を実現する最良の手法であったが、BEVの時代にはRWDやAWDが新たな最適解となるだろう。Honda eやBMW i3といったモデルがその証拠であり、BEVの進化とともに、この流れが加速することは間違いない。

詳細を読む→「脱スポーツ」の後輪駆動:次世代BEVは後輪駆動がメインストリームになる?

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