ボディサイズは、意外と大きい

マツダが上海モーターショーで発表した「MAZDA EZ-60」は、長安汽車とマツダの合弁会社、長安マツダ(长安马自达汽车有限公司)が開発した電動クロスオーバーSUVだ。
まずは、どんなモデルかアウトラインを見ていこう。
ボディサイズは、
EZ-60 全長×全幅×全高:4850mm×1935mm×1620mm、ホイールベース:2902mmだ。
前後重量配分は50:50だ。

他のマツダのSUVと比べると
CX-5 全長×全幅×全高:4575mm×1845mm×1690mm ホイールベース:2700mm
CX-60 全長×全幅×全高:4740mm×1890mm×1685mm ホイールベース:2870mm
CX-80 全長×全幅×全高:4990mm×1890mm×1710mm ホイールベース:3120mm
CX-50 全長×全幅×全高:4720mm×1920mm×1605mm ホイールベース:2815mm
だから、プロポーション的にはどれにも似ていない。

ベースとなるプラットフォームは長安汽車のEPA1。長安汽車側のベースモデルにあたるのはDEEPAL S7である。ちなみに、DEEPAL S7のボディサイズは
DEEPAL S7 全長×全幅×全高:4750mm×1930mm×1625mm ホイールベース:2902mm
だから、EZ-60の方が100mm長いことになる。




パワートレーンはBEVとPHEV
パワートレーンは、電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2機種を設定。PHEVの発電用エンジンは、1.5L直4エンジン(長安製)だ。
駆動用モーター:190kW(258ps)定格出力:100kW
発電用エンジン:1497cc 長安汽車製CM469NE1型 最高出力70kW
バッテリー:31.7kWh(CATL製LFPリチウムイオン電池)
最高速度:185km/h
航続距離:1000km以上(CTLC総合モード)
となっている。
BEVのバッテリーサイズは未発表だが、航続距離は600kmだ。バッテリー容量は56.1 kWh/68.8kWh。68.8kWh版が600km、56.1kWh版が480kmとなっている。400Vアーキテクチャーで200kWの急速充電が可能(EZ-6の欧州版、MAZDA 6eと同じなら)だ。
9風道デザイン





エクステリアデザインでは、SUVではじめて「9風道デザイン」を採用したこと。この風道とは、どうやら空力処理のことでフロントはCピラーに空気の通り道を作っていることを指している。この空力向上で「41km航続距離が向上」したという。また、高速走行時には705Nのダウンフォースが得られるという。
サスペンションは、フロントがストラット、リヤがマルチリンクで、EZ-6との相違点は電子制御ダンパーを採用していることだ。




また、世界初めてMediaTek(台湾の半導体メーカー)製4nmチップMT8676を採用している。これは従来の7nmチップと比較するとトランジスタ密度が約1.6~1.8倍となり、同じ消費電力だと計算能力が約25~40%アップするという。
スマート機能としては、
・音声、タッチ、ジェスチャーと、さまざまな方法での操作が可能なスマートキャビン、運転支援および事故の回避・被害低減を図るインテリジェントドライブ、車外からでも音声操作が可能なインテリジェントパーキングなど、安全および利便性を高めるスマート機能。
- 26.45インチの5K一体薄型センターディスプレイ、3Dヘッズアップディスプレイを採用。前方に大きく表示される情報やビジュアルが安心安全をサポートしながら、未来感あふれる運転体験を提供。
- 23個のスピーカーと立体音響システムを介して、臨場感あふれる音響を実現。また、ヘッドレスト内蔵のスピーカーにより、運転席と助手席で異なる音楽を聴くことができる。
という。

また、HUDは、裸眼で100インチの3D映像が見られるという(100インチはオプションで、標準は50インチ)。
EZ-60の正式発売は8月。価格はその時に発表になるだろう。現在、EZ-60を予約すると10元(約200円)/日を割り引くキャンペーンを実施中だ。納車まで100日あれば2万円引き。EZ-60の評判は上々のようでわずか48時間で10,600台を受注したという。
開発責任者は、小澤裕史氏。チーフデザイナーはこの5月1日からマツダのデザイン本部長に就任した木元英二氏だ。小澤さんのインタビューは別にレポートする。木元さんのインタビューはいずれCar Styling webで詳細にお届けする予定だ。

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