お宝ビンテージ「ホンダCB750FOUR」と「トライアンフT120」を北米で流行したトレイシー・ボディ仕様に|ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー2024

空冷4ストローク4気筒SOHC 2バルブエンジン搭載のホンダ ドリームCB750FOUR改は、タンク・シート・サイドカウル・テールカウル・リアフェンダーが一体となった、流れるような“トレイシー・ボディ”にドレスアップ。
2024年12月1日(日)にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催された日本最大級のカスタムカー&カスタムバイクイベント「ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー(HCS)2024」。32回目を迎えるこのイベントには、ビルダーたちが手掛けたハイレベルな作品が全国から集結。写真はカラフルにペイントされたバイカーズブランド『EVILACT(イーブルアクト)』が出展した2台のビンテージカスタム。ホンダ ドリームCB750FOURとトライアンフT120(1963年式)は、タンク・シート・サイドカウル・テールカウル・リアフェンダーが一体となった流れるような“トレイシー・ボディ”にカスタマイズ。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
イベント主催:MOONEYES(ムーンアイズ) https://www.mooneyes.co.jp/
EVILACT https://www.instagram.com/minato_yokohama/
フジヤモーターサイクルズ https://www.instagram.com/fujiya_motorcycles/

北米で流行した「トレイシー・ボディ」とは?

「トレイシー・ボディ」とは、ガソリンタンク・シート・サイドカウル・テールカウル・リアフェンダーが一体となった、1970年代に北米で流行したバイクスタイルや外装パーツを指す。当時トレイシー・ボディは、ダートトラッカー、チョッパー、カフェレーサーなど幅広く対応し、ハーレーダビッドソン用、トライアンフ用、ホンダのCB用、カワサキ用などがラインナップされていた。下記はホンダ ドリームCB750FOURとトライアンフT120をベースに、流れるようなトレイシー・ボディを採用した美しいカスタム。

車名:TRACYROSE(トレイシー・ローズ) ベース車両:ホンダ ドリームCB750FOUR 出展:EVILACT(イーブルアクト)

流れるようなラインを描くドリームCB750FOUR改のトレイシー・ボディは、セクシーで肉感的な女性を彷彿。トレイシー・ボディという名称と、’80年代に活躍したアメリカのポルノ女優「トレイシー・ローズ」を掛け合わせ、同車は『TRACYROSE(トレイシー・ローズ)』と命名。
各部に補強を施したフレームはすべてメッキ処理済み。エンジンは内部・外観ともフルレストアして新車のような美しさを実現。ポイントカバーは横長フィン付きタイプに変更してカスタム度をアップ。
キャストホイールのサイズは前19インチ・後18インチの異径タイプを選択。タイヤは前3.50-19・後4.00-18をチョイス。

ナナハン(750cc)と呼ばれた「ホンダ ドリームCB750FOUR」は、1969年(昭和44年)に誕生した、空冷4ストローク直列4気筒SOHC 2バルブエンジン搭載の伝説のモデル。市販の量産オートバイでは、世界初の時速200km/hオーバーを実現。

写真のカスタムはドリームCB750FOURをベースに、「これがシービーナナハン?」と思わせる衝撃的なフォルムにアレンジ。同車はトレイシー・ボディという名称と、1980年代に活躍したアメリカのポルノ女優「トレイシー・ローズ」を掛け合わせ、同車は『TRACYROSE(トレイシー・ローズ)』と命名。外装も淡いピンクカラー&妖艶なデザインにペイント済み。ワイドハンドルやベーツライトでフロントマスクのイメージも一新させている。

フレームやステアリングステムは、ド派手な外装に合わせてフルメッキ加工。前後ホイールは純正のスポーク仕様から、エレガントなデザインのキャスト仕様に変更され、ワイルドなブロックパターンタイヤをチョイス。ホイールサイズは前19インチ・後18インチの異径タイプ。タイヤは前3.50-19・後4.00-18をチョイス。

右サイドカバーに施された、違和感のない「オイルキャップ」の逃がし処理も見事な仕上がり。
シリンダーヘッドにはカスタム度の高い、ビッグフィン付きのタペットカバーをコーディネイト(吸気側4個・排気側4個)。
外装パーツや外装カラーに合わせたダブルタイプのシート形状や、ツートンのシートカラーにも注目。
流れるような美しさを体現したガソリンタンク~テールエンドのフォルム。
ハンドルポスト固定型の幅広なセミアップタイプのバーハンドルを採用。
独自の薄型エアクリーナーを採用したキャブレター部。
前後ホイールは純正のスポーク型からカスタム度の高いキャスト型に変更。正立フロントフォークはフォークブーツレス型にチェンジ。
ダウンタイプの2本出しマフラーは、エンド部を外側に向けたユニークな形状。

ベース車両:トライアンフ T120(1963年式) 出展:EVILACT(イーブルアクト)

ヘッドライトやウインカーなどの保安部品をレス化したトラッカースタイルが特徴。前後フェンダーもレス化。
トレイシー・ボディの外装は、レトロな形状の2気筒ツインエンジンとのマッチングも良好。

貴重な1963年式のT120をベースに、トレイシー・ボディとトラッカースタイルを融合させたオシャレなカスタム。トレイシー・ボディの外装類は、レトロ感溢れる2気筒ツインエンジンにもよく似合う、ディープブルーを基調にしたエレガントなデザインにペイント。

フレーム、ハンドル、フロントフォーク、マフラー、スイングアームにはメッキ加工を施し、ゴージャスな雰囲気を演出。キャブレターは4ストローク用レーシングキャブレターのケーヒンFCRΦ33を選択。

ガソリンタンクカバー、サイドカウル、シートカウルを一体化させた美しいトレイシー・ボディにカスタマイズ。
ツイン式のリアショックはリザーブタンク付きを採用。前後ブレーキはレス化。
メーターを省いたシンプルなつくりのハンドル周り。ハンドルポスト固定型の幅広なセミアップタイプのバーハンドルを採用。
外装パーツはディープブルーを基調にしたエレガントなデザインにペイント。
ステッチを配したマッチョなイメージのシートは、セミロングのシングルタイプを導入。
シートカウルのテール部は、テール部を跳ね上げたトラッカースタイルにアレンジ。
ベースマシンは1963年式だが、エンジンは内部・外部とも完璧にレストア済み。
スイングアームはフレームと同じくメッキ処理され、マシン全体の統一感を獲得。
昨今のエンジンは清廉化されてコンパクト化が進む中、1963年モデルのT120のツインエンジンは、“昔の空冷エンジン”ならではのゴツくて味のあるレトロな雰囲気を感じさせる。
マフラーのエキパイが接続される排気ポート部には、大型の空冷フィンを設けたフランジを導入。
1963年モデルならではのレトロなフィン付きクランクケースも大きな魅力。
キャブレターは4ストローク用レーシングキャブレターのケーヒンFCRΦ33を導入。
ケーヒンFCRΦ33の吸気側にはエアファンネルではなく、スポンジ素材を剥き出しにしたエアフィルターを採用。

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